観光庁は15日、昨年1年間の訪日外国人客の旅行消費額の累計が、前年比53・4%増の約8兆1395億円(速報値)に達したと発表した。歴史的な円安が追い風となり、過去最高の8兆円の大台に乗せた。昨年1年間の訪日客数は3687万人で3500万人を上回り、過去最多となった。
国、地域別の内訳では中国が1兆7335億円でトップ。台湾1兆936億円、韓国9632億円、米国9021億円など。
1人あたりの消費額は前年比6・8%増の約23万7000円で、新型コロナウイルス禍前の2019年よりも43・3%高い。政府は2030年に訪日外国人旅行者6000万人、消費額15兆円を目標に掲げるが、1人あたりの消費額が25万円となる計算で、さらに観光の高付加価値化を進める必要がある。
同日の日本政府観光局(JNTO)の発表によると、昨年1年間の訪日客数は累計約3687万人で、過去最高だった19年の年間約3188万人を15・6%上回った。国内の地方路線、海外との直行便の増加に加え、秋の観光シーズンに国内が好天に恵まれたことが寄与した。
このうち中国人は前年比で3倍近い約698万人に達したが、コロナ禍前の19年の7割程度。岩屋毅外務相は昨年12月、中国人が観光目的で訪日する際に必要な短期滞在ビザ(査証)の緩和措置を発表。今後、消費額、客数の回復が見込まれるが一方、オーバーツーリズム(観光公害)や治安への不安の声も高まっており、新たな対策も必要となっている。