沖縄県読谷村儀間にある彫刻家・金城実さん(86)のアトリエ屋外スペースにこのほど、高さ約8メートルの巨大な母子像「解放へのオガリ」が設置された。男の子を抱っこした母親が、差別への怒りを示すように手を空に伸ばしている。元々は大阪市住吉区の公共施設の外壁に取り付けられ部落解放運動の象徴とされていたが、7年前に建物が解体されたことで金城さんの手元に戻り、分解して保管していた。よみがえった母子像を眺める金城さんは「差別への抵抗の意志を込めた作品。多くの人に見てもらい、差別について考えてほしい」と話している。(中部報道部・吉川毅)

 「オガリ」とは住吉区の被差別部落で使われていた言葉で「叫ぶ」の意味。叫びや怒りを差別の撤廃に向けようと母子像にオガリの名を付けた。

 制作のきっかけは、被差別部落の生活環境の改善などを目指す同和対策事業特別措置法の施行(1969年)だった。同法に基づくまちづくりが住吉区で進む中、差別への抵抗の歩みを反映させたまちづくりを目指す「部落解放同盟大阪府連合会住吉支部」から依頼を受けた金城さんが、77年に地元の若者たちと共同制作で完成させた。

 モデルになった親子3人は...