銀行というイメージを越えた
事業の幅広さに魅力を感じた。
私は大阪府出身ですが、東京のシステムインテグレーターに就職した関係で大学卒業と同時に上京し、エンジニアとして勤務しました。1年後に学習塾の講師に転職し、高校受験のクラスを担当。授業を受け持つだけでなく、生徒の募集や管理にも携わりました。数字として目に見える成果を上げることで評価される学習塾の仕事にやりがいを感じていました。一方で5年間働いた末に転職を考えたのは、生活のサイクルを変えたかったからです。
塾の仕事が始まるのは昼過ぎで、深夜まで勤務が続きます。週末や祝日も休めませんし、長期休暇も取りにくい就労環境でした。2023年の夏に入籍して子どもが生まれたこともあり、家族と過ごすための時間を多くとれる仕事に就きたいと考えるようになりました。転職エージェントなどを利用して仕事を探しましたが、その時点で金融業界は視野に入っていませんでした。後にわかったことですが、リファラル採用(※)の制度が導入されたそうで、自分としては思いがけず足利銀行の行員の方と話す機会をいただきました。その際、現在の銀行は預金、融資、為替などの主要業務だけではなく人材紹介やビジネスマッチング、IT支援など、さまざまなサービスを提供していることを知りました。大学時代に金融関連の資格を取得したこともあって金融業界には元々興味を持っていましたが、銀行業務の幅広さに魅力を感じて当行のキャリア採用に応募しました。
※リファラル採用:リファラル(referral)とは「紹介」「推薦」の意味で、企業が自社の社員に人材の紹介を受ける採用手法を指します。
お客さまの経営課題に対して
複合的なソリューションを提供。
入行後に配属された法人コンサルティング部は、本部内の法人向けコンサルティング機能を集約して2023年に設置されました。営業店の担当者とともに、脱炭素やDX、M&Aといったお客さまの抱える課題解決に複合的なコンサルティングを提供するための部署です。私はIT支援チームの一員としてお客さまにビジネスマッチング先の紹介サービスとデジタル化コンサルティングサービスを担当しています。
具体的な業務としては、単一業務のDXニーズがあるお客さまには最適なDX商材を提案し、業務プロセス全体のDXを推進したいお客さまに対して、プランニングから実行支援まで伴走します。私たちは銀行なので、お客さまの業務システムを開発することはできません。しかし、取引先のベンダー(開発・販売業者)は相当数にのぼり、幅広い製品や技術の中からお客さまに最適な提案を行うことが可能になります。従来の銀行が提供してきた金融サービスの枠を越えて、多様化、複雑化するお客さまの経営課題の解決に貢献できることが大きなやりがいにつながっています。
お客さまとの何気ない会話から
課題解決のヒントを見出す。
新卒での就職活動では金融機関を志望していた時期があり、大学在学中に証券外務員会員1種の資格を取得していました。かなり前のことになりますし、常に知識をアップデートしていたわけではないので、当行へは全く違う業界からの転職となります。ただ、配属された法人コンサルティング部は融資など銀行の基本的な業務を行わないため、同業からの転職であってもチャレンジする環境に変わりはありません。DX推進についても、前々職がシステムエンジニアだったため基本的な知識は保有しています。主にサーバの設計や構築を担当していたため業務の基幹システム全体については、現在勉強している最中です。
お客さまの課題をヒアリングする際、営業店の担当と上司と私の三人で訪問します。初めてお客さまに同行したときに驚いたのは、上司が会話の内容について細かく記録していることでした。どこに課題解決のヒントがあるかわからないので、雑談の内容も漏らさずに残しておくと後から聞き、ソリューションに取り組む真摯な姿勢に感嘆して、私も見習わなければと思いました。
業務が拡大・多様化する中で
異業種のキャリアを生かせる。
少し前に、あるお客さまに財務会計に関するパッケージソフトの導入支援コンサルティングを担当しました。お客さまにソフトの使い方を説明し、「このような形で運用していきましょう」という提案プロセスは教育に近いものがあり、塾講師として生徒を指導していた前職の経験を生かせたと思います。システムエンジニアと塾講師という、銀行とは無関係に思える職歴ですが、経験から得たものが少なからず現在の業務に役立っているのは確かです。当行の業務領域はさらに拡大し、多様化していくので、異業種からの転職であってもキャリアを十分に生かして活躍できると考えています。
私自身の目標は、業務を遂行するなかで獲得した知見やナレッジを営業店の現場に共有していくことです。先日上司から、営業店向けのIT技術研修の企画をやってみないかとの打診を受け、ぜひお願いしますと答えました。転職して間もない私が営業店のスキルアップに貢献できるのは、貴重な機会だと思っていますし、そのチャンスを与えてくれたことに感謝しています。転職者だからと特別扱いせずに仕事を任せるところが、公平で誠実な当行の良い面ではないでしょうか。