旅行会社から一転して金融機関へ就職。
夢を売る仕事から現実に寄り添う仕事へ。
窓口でお客さまと一緒に旅行プランを考える旅行会社の仕事は、とても楽しくやりがいを感じていました。ただ旅行は一過性のものなので、お客さまと信頼関係を築いても長いお付き合いはできません。3年間働いて、コロナ禍の影響で旅行業界がダメージを受けたこともあり、今後のライフプランを考えて地元の栃木県に戻りました。
もともと接客が好きなので、お客さまを長期にわたってサポートする仕事を探すうちに思い至ったのが銀行でした。父が実家で電気関係の会社を経営していたため、よく出入りしていた銀行の担当者はとても身近な存在でした。しかし、銀行のキャリア採用は金融業界の実務経験者でなければ難しいとあきらめていたところ、思いがけず実家の近くにある当行の営業店がパートタイマーを募集していたのです。即応募して面接に行くと、担当の方が本部につないでくださり、思いがけないご縁をいただいて行員としての採用が決まりました。前職の旅行会社は夢を売る仕事ですが、銀行はお客さまの現実に寄り添う仕事です。長く、深く、お客さまと関われる当行のLA(ライフプラン・アドバイザー)という仕事に惹かれて、新天地への挑戦を決意しました。
子育て世代からシニアのセカンドライフまで、
幅広いニーズに応える最適なプランを提案。
2020年9月に入行して群馬県内の支店に配属され、1年間、窓口や後方事務を経験しながら研修で銀行業務と金融の基礎を学びました。自分でも入行する前から確定拠出年金やNISAなどを活用した資産運用を行っていたので、金融商品についてある程度の知識は持ち合わせていました。苦労したのは、為替や株式相場、社会情勢の変化など、お客さまの資産に影響するリスクの相関関係を把握することです。
証券外務員やFP(ファイナンシャル・プランナー)の資格を取得した後、2021年10月に異動し、LAとして個人のお客さまの資産運用・形成のアドバイスを行っています。具体的には、保険の見直しや投資信託等の金融商品を通じて、お客さまのライフプランに合わせた資産運用についてのコンサルティングです。前任者から引き継いだお客さまの多くは主に50代半ばのプレシニア世代からシニアの方々ですが、支店に併設されているローンセンターから30代のお客さまのトスアップ(紹介)を受けることもあります。家の購入と同じタイミングで資産運用を考えるお客さまのニーズはシニアのお客さまと異なるため、さまざまな商品の知識とライフステージに合わせた最適なプランを組み立てる提案力が必要です。
時間をかけて納得できる提案をすることが
お客さまからの信頼と感謝につながる。
“お客さまとの信頼関係をつくる誠実さと正確さ”それが、前職の上司に評価された私の強みです。私は提案した旅行プランを拙速に決めてもらおうとせず、お客さまと一緒に時間をかけて納得できる形に組み上げるように心がけていました。プランを提案して終わりではなく、そこからがスタートなのです。それは、いま私がLAとしてお客さまに資産運用のポートフォリオを提案するスタンスに通じています。学生から企業の経営者まで、老若男女問わずさまざまなお客さまへ旅行を提案することで蓄積した経験とスキルが、LAの仕事においても大きな力になっています。
セカンドライフへの備えやお子さまへの相続など、心を開いて悩みを打ち明けてくださるまでに1年くらいかかることもあります。人は心変わりするので早い方が良いという考え方もありますが、着実に丁寧に距離を詰めていくやり方も正しいと思っています。LAになって2年が過ぎて、多くのお客さまとのコミュニケーションを重ねて関係を深めた結果、一人ひとりのライフプランに必要な商品や最適な組み合わせをご提案できるようになりました。お客さまから「この商品を提案してくれて、ありがとう」、「これからもずっと担当でいてほしい」などと言葉をかけていただいた時に、LAになって良かったと心から思います。
多様な働き方を実現する先進的な環境が
キャリアの可能性を大きく広げてくれる。
銀行の風土については、前職の旅行業界とは正反対の硬いイメージを持っていました。しかし、実際に入行してみると当行には柔軟で革新的な制度・環境があり、多様な働き方を実現できることに驚きました。営業店にも、女性がキャリアステップを考える際のロールモデルになる先輩方が大勢いらっしゃいます。私が入行した当初に金融の基本を教えてくださったのも女性管理職の先輩でした。前職では副業が認められていたので、私はスキルアップのためにセラピストやライターとしても仕事をしていましたが、当行も2022年に県内の金融機関で初めて就業時間外の副業を認める制度を導入しました。副業による地域貢献や自己実現など多くの成果が生まれていると聞きましたが、非常に革新的な発想だと思っています。現在の目標はLAのスペシャリストとして専門性を高めていき、多くのお客さまから信頼され、頼っていただける存在になることです。また、前職で大きな人事改革を経験して、自分自身も転職して異業種で新しいキャリアを歩んでいることから、そのリアルな体験を人事部で採用や人材育成に生かしていきたいと考えています。