話題となっているCleveland-CliffsのCEO会見を視聴。会見中、日本は中国より酷いというゴンカルベス氏に報道陣の一人がどうかしているというように頭を振る。すかさず、ゴンカルベス氏は壇上からその人に詰め寄り、名前を聞き、君は若いから歴史を知らんだろう、となぜ日本が脅威であるかについて説教を始める。
日本の石破総理がバイデン大統領に日本製鉄によるUSスチール買収の安全保障上の懸念とは何なのか説明を求めるという報道があったが、と述べたうえで、日本に対して見てろ、思い知れと怒りをぶちまける。アメリカ・ファーストであることを我々は恥ずかしいと思わない。我々は家族を養わなければならない。我々の生き血を吸うな、と激しい言葉を繰り返す。それが彼の訛りと非エリート的な素朴な話し方によってより際立っていた。1998年にほぼ無一物でアメリカにわたってきたと語るゴンカルベス氏は、ブラジル系移民。ブラジルといえば多数の貧しい日本人が夢を見て渡り、話に聞いていたのとは全く違う過酷な労働環境で筆舌に尽くしがたい辛酸をなめつつ身を立てていった地でもある。日本が戦争に負けると日系人はさらなる差別を受けた。
戦後、日本は目覚ましい経済成長を成し遂げ、米国と深刻な貿易摩擦に陥る。日本は敗戦国、旧敵国なのに米国の労働者の仕事と誇りを奪っている、と当時の米国民は日本をバッシングした。
ゴンカルベス氏が育ってきた時代は、こうした戦後の歴史そのものである。日本は冷戦後、同盟を深化させ、ついに米国にとって世界で最も重要な同盟国となった。安倍さんはオバマ政権期に歴史和解を完成し、トランプ大統領からこの上ない信頼を勝ち得た。しかし、それが可能だったのは、安倍さんが常に、トランプ氏に対して日本企業が米国の産業の利益にいかに貢献しているか、いかにさらなる進展があるかを丁寧に説明し続けたからだ。
バイデン大統領は筋を通さず、政治利益のためにゴンカルベス氏が語る過去の亡霊のような日本脅威論に与した。ゴンカルベス氏はトランプ氏に信頼を寄せ、トランプ氏が自分たちの思いを体現してくれると言っている。再びトランプ政権になるからといって、過去の亡霊が消え去るわけではない。米国の感情の機微を理解し、説得プロセスを一からやり直さなければならない。まさにこの会見が示している「逆境」と「誇り」こそがトランプ現象の原動力だったのだから。
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