危ない女になってみよう。
二十代の女性M様から「生き方に悩んでいるから話を聞いて欲しい」と連絡をもらった。私の正しい使い方である。人と関わりたいけど、人との関わり方がわからない。元気じゃないのに、元気な振りをしてしまう。ちゃんとしなくちゃと思うのだけど、体が動かない。友達からの誘いを断れなくて、予定が埋まる。結局、時間もお金もなくなってしまう。遊びに行けば楽しさもあるけど、疲れてしまう。M様は、そのようなことを言った。
私は、動物的な感覚が優れているので「今の男と別れた方がいい」と言った。M様は、男の話は一切しなかった。だが、元気が出ない原因は男だと思った。多くの場合、エネルギーを奪うのは身近な人間の存在である。親とか、男とか。M様の場合、男だと感じた。試しに「あなたの彼氏は爬虫類みたいな顔をしていませんか」と聞いた。M様は「なんでわかるんですか?!」と言った。生き方に悩んでいるというのは実は嘘で、本当は、男の人との関わり方にずっと悩んでいると言った。
いい男やいい女は哺乳類に似ている。男なら犬。女なら猫。犬に似ている男はいい男で、猫に似ている女はいい女。いい女ではなくて、都合のいい女を続けると、顔面が魚みたいになる。魚に足が生えて立ち上がったような、恐怖の存在になる。いい男と付き合うと、いい女になる。都合のいい男と付き合うと、都合のいい女になる。結局私は都合のいい女だったのねと自己憐憫に浸るのは簡単だが、あなたもあなたの男を都合のいい存在として利用をしていたのだから、お互い様である。
真面目なM様は自分の真面目さに殺されているように見えた。いい顔になるために必要なことは、料理教室に通うことでも占いに通うことでも自己啓発セミナーに通うことでもない。遊ぶことだ。真面目な女ではなく、危ない女になることだ。教養のためとか言いながら美術館やコンサートに行くと、どんどん魚類になる。教養のためなんて卑しい。原初の光を取り戻すために行くのである。牙を抜かれたら終わりだ。自由であるのが、猫である。尻尾を振るのは犬である。猫が猫でいるためには、媚びている場合ではない。媚びる時は、金かメシか甘えたい時だけに限る。基本、自由。
魚類の果てはスッポンである。スッポンみたいな顔になったら終わりだ。顔面のパーツが中央に寄って、あらゆる生き物のエネルギーを奪い取る。俺の言葉が好きなんだろ。だったら、遊びを忘れるなよ。もっと放蕩しろよ。放蕩するほどいい顔になるんだよ。いい子になんかなるなよ。理解のある彼女になんかなるなよ。牙を抜かれたら終わりなんだよ。飼い慣らされるなよ。家畜になるなよ。ペテン師も詩人も同じなんだよ。夢を見させてやっているんだよ。いい夢を見ろよ。みんなを幸せにするためにあなたがいるんじゃなくて、あなたを幸せにするためにみんながいるんだよ。そう言うと、M様は「え、え、なにそれ、そんなこと言われたらおかしくなる」と言って、泣いた。本当に愛しているならぶち壊せ。理解のある彼女でいたいのは、自分を愛しているだけなんだよ。危ない女になってみよう。これから東京に行く。
おおまかな予定
1月15日(水)東京都品川区界隈
以降、FREE!(呼ばれた場所に行きます)
連絡先・坂爪圭吾
LINE ID ibaya
keigosakatsume@gmail.com
SCHEDULE https://tinyurl.com/2y6ch66z
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