韓国 ユン大統領の弾劾裁判 初弁論もユン大統領欠席

「非常戒厳」を宣言した韓国のユン・ソンニョル(尹錫悦)大統領の弾劾が妥当かどうかを判断する憲法裁判所の裁判で14日、初めての弁論が開かれましたが、ユン大統領が欠席したため本格的な審理は行われませんでした。16日、再び弁論が開かれる予定です。

「非常戒厳」を宣言した韓国のユン・ソンニョル大統領の弾劾が妥当かどうかを判断する裁判は、14日、初めてとなる弁論が開かれました。

ユン大統領の弁護士は「合同捜査本部が、大統領の拘束令状を違法に執行しようとしている」などと主張したうえで、安全面に問題があるとしていてユン大統領は欠席しました。

このため14日の裁判は、本格的な審理に入らずおよそ4分で終了しました。

次回の弁論の期日は16日の予定で、大統領が欠席しても本格的な審理が行われる見通しです。

裁判のあとユン大統領の弁護士は、次回の裁判に大統領が出席するのかどうか記者団から問われましたが「きょうの裁判の進行状況と今後の状況を見ながら、総合的に検討して決定する」と述べるにとどめました。

ユン大統領の拘束令状 15日朝に再執行の報道も

韓国のユン・ソンニョル大統領への捜査をめぐり、複数の韓国メディアは、合同捜査本部が早ければ15日朝にも改めて拘束令状の執行を試みるとの見方を伝えています。

「非常戒厳」を宣言した韓国のユン・ソンニョル大統領について、警察などでつくる合同捜査本部は、内乱を首謀した疑いで大統領の拘束令状をとっていて、今月3日は大統領警護庁に阻まれましたが、改めて令状の執行を試みる方針です。

これについて通信社の連合ニュースなど複数の韓国メディアは、合同捜査本部が早ければ15日午前5時から拘束令状の執行を試みるとの見方を伝えています。

また、合同捜査本部は、警護庁で長官の職務を代行している次長の拘束令状もとったと伝えられているほか、次に令状の執行を試みる際は捜査員ら1000人前後を投入するとも報じられています。

こうした状況で、大統領府のチョン・ジンソク(鄭鎮碩)秘書室長は14日朝、談話を発表し、衝突を避けるために大統領が公邸ではない別の場所で調査を受けることなどについて協議する準備があると訴えました。

合同捜査本部は14日午前、大統領警護庁側と協議を行い、安全に令状を執行できるよう協力を求めました。

ただ、警護庁は、物理的衝突を防ぐ努力はするとしたものの「不法な令状執行には法律に沿ってマニュアルどおり対応する」とけん制したということで、合同捜査本部側と警護庁の間で衝突に発展するのではないかという懸念も出ています。

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