二桁の数の掛け算は、どのように計算しますか。多くの方は、電卓を使ったり、筆算をしたりするのではないでしょうか。しかし、「インド式計算法」を知っていれば、暗算でも計算が可能になります。
この記事では「100に近い二つの数を掛け算」する方法を紹介します。
問題
次の計算を暗算でしなさい。
95×97
難しく感じるかもしれませんが、まずは電卓に頼らず自分自身で答えを出してみましょう。
解説
今回の問題の答えは「9215」です。
ここでは「インド式計算法」を用いた暗算方法を紹介します。
この計算方法は、「100に近い数どうしの掛け算」のときに活用しやすくなります。
【手順1】
100×100を計算する。
(100×100=10000)
【手順2】
二つの数と100との差をそれぞれ求める。
100−95=5
100−97=3
【手順3】
【手順2】で求めた二つの数を足し、100を掛ける。
(5+3)×100=800
【手順4】
【手順2】で求めた二つの数を掛ける。
5×3=15
【手順5】
【手順1】−【手順3】+【手順4】を計算する。
10000−800+15=9215
慣れないうちは難しく感じるかもしれませんが、手順を覚えてしまえば、筆算より速く正確に計算できるようになるかもしれませんよ。
インド式計算法が成り立つ理由
なぜこの手順でインド式計算法が成り立つのか、疑問に思った方がいるかもしれません。ここでは、文字式を用いて計算が成り立つ理由について解説します。
必要なのは、次の展開公式です。
<展開公式>
(x−a)(x-b)= x^2−(a+b)x+ab
「100に近い数どうしの掛け算」なので、二つの数を「100−a」「100−b」と表します。
このとき、これらの掛け算は
(100−a)(100−b)
となります。
したがって、
(100−a)(100−b) = 10000−100(a+b)+ab
【手順1】の計算が、10000
【手順3】の計算が、100(a+b)
【手順4】の計算が、ab
となっており、先に解説したインド式計算法が正しいことが分かります。
まとめ
インド式計算法の一つとして、100に近い数どうしの掛け算の方法を紹介しました。この方法を活用すれば、通常の計算よりも速く答えが出せるようになるでしょう。
繰り返し練習をして、日常生活でも活用しましょう!
※当メディアでご紹介する数学関連記事において、複数の解法を持つものもございます。
あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。
文(編集):SAJIMA
日本国内外の学校、学習塾で数学・理科の講師として幼児から高校生までを指導。現在はフリーランスとして独立し、オンラインを中心に授業を展開している。子供への学習指導だけでなく、大人向けの数学講座も開講し、算数・数学の楽しさを広く伝える活動を行っている。日本数学検定協会認定「数学インストラクター」
もう一問挑戦!