ファセンラ皮下注30mgシリンジ/ペン、好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(EGPA)に対して、日本で承認を取得

アストラゼネカ株式会社(本社:大阪市北区、代表取締役社長:堀井貴史、以下、アストラゼネカ)はファセンラ®皮下注30mgシリンジ/30mgペン(一般名:ベンラリズマブ(遺伝子組み換え)、以下「ファセンラ」)について、既存治療で効果不十分な好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(EGPA)の治療薬として日本で承認を取得したことをお知らせします。EGPAはまれな免疫介在性血管炎で、複数の臓器の障害を引き起こす可能性があります1,2

厚生労働省による本承認は、The New England Journal of Medicine誌で発表された、第III相MANDARA試験の結果に基づくものです3。この試験では、再発性または難治性のEGPA患者さんを対象にファセンラの有効性および安全性について、承認されている唯一のEGPA治療薬であるメポリズマブと比較しました3-5。MANDARA試験は、EGPA患者さんを対象として生物学的製剤を直接比較する初めての非劣性試験でした4-6。4週ごとに、ファセンラ30mgを単回皮下注射する群、またはメポリズマブ100mgを3回皮下注射する群のいずれかに患者さんを無作為に割り付けました3,4

同試験では、主要評価項目である36週時と48週時の両時点で寛解を達成した患者割合において、ファセンラ投与患者さんの約60%が寛解を達成し、メポリズマブに対する非劣性が認められました3。また、データではファセンラ投与患者さんの41%が経口グルココルチコイド(OGCS)を漸減して完全に中止したことも示されました3。(メポリズマブ群26%(群間差16%、95% CI:1,31))

産業医科大学医学部 第1内科学講座 教授であり、日本リウマチ学会理事長の田中良哉先生は次のように述べています。「EGPAは好酸球が異常に増加して細い血管に炎症を起こし、血流障害や壊死、そして、臓器機能障害を生じる全身性の自己免疫疾患です。好酸球による炎症を抑えるため、グルココルチコイドの長期間投与が必要となることがありますが、ANCA関連血管炎診療ガイドライン2023では副作用軽減のため適切な時期の投与中止やできる限り少量に減量することが重要であるとされています。本日の承認により、寛解とグルココルチコイドの漸減の可能性を提供できる治療の選択肢が増えることを嬉しく思います」。

アストラゼネカの取締役 研究開発本部長の大津 智子は次のように述べています。「米国とEUでの承認に次いで、日本でもEGPAに対してファセンラが承認されました。ファセンラは、世界中で多くの好酸球性重症喘息患者さんにベネフィットをもたらしており、今回の承認により、EGPAに苦しむさらに多くの患者さんの治療を向上させる一歩となると期待しています」。

MANDARA試験におけるファセンラの安全性および忍容性のプロファイルは、本剤の既知のプロファイルと一致していました3

日本では、EGPA患者さんの95%が喘息を患い7、しばしば、副鼻腔症状および鼻症状を呈します。ファセンラはEGPAを治療するために承認された2番目の生物学的製剤です5

日本における承認は、2024年9月の米国でのEGPAに対するファセンラの承認8および2024年10月のEUでの承認9に続くものです。また、EGPAの承認と同時に、新たな選択肢としてペン型製剤が承認されました。ファセンラは現在、米国、日本、EU、中国を含む80カ国以上でSEAの追加維持治療として承認されています10-13。また、米国および日本では、6歳以上の子供および青年に対しても承認されています。

以上

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好酸球性多発血管炎性肉芽腫症について
以前はチャーグ・ストラウス症候群と称されていたEGPAは、小型から中型の血管の炎症によって引き起こされるまれな免疫介在性の炎症性疾患です1,2。EGPAの患者さんの数は世界全体で11万8,000人と推定されています14。EGPAは、肺、上気道、皮膚、心臓、消化管、神経などの複数の臓器に障害を引き起こす可能性があります2。もっともよくみられる症状および徴候は、極度の疲労、体重減少、筋肉痛および関節痛、発疹、神経痛、副鼻腔症状および鼻症状、息切れなどです2,15。治療を行わなければ死亡に至ることもある疾患です2。現在の治療では、ほぼ半数(47%)の患者さんが寛解を達成していません15

EGPAに対する治療選択肢は限られています。患者さんは、慢性的な高用量グルココルチコイドで治療されることが多く、グルココルチコイドの漸減を試みた場合には再燃する可能性があります16,17

MANDARA試験について
MANDARA試験は、再燃性または難治性のEGPA成人患者さんを対象に、ファセンラの有効性および安全性をメポリズマブと比較する、無作為化、二重盲検、実薬対照第III相試験です4。この試験では、4週ごとに、ファセンラ30mgを単回皮下注射する群または実対照薬100mgを3回皮下注射する群のいずれかに1:1の割合で患者さん140例を無作為に割り付けました3

主要評価項目は、36週時および48週時の両時点において寛解を達成していた患者さんの割合です4。寛解は、バーミンガム血管炎活動性スコア(BVAS)が0、かつOGCの用量が4mg/日以下と定義しました4。副次的評価項目は、OGCを漸減して48週時から52週時に完全に中止することができた患者さんの割合です3。主要な統計解析は、主要評価項目に基づいて、ファセンラがメポリズマブに対して非劣性であることを示すことを目的としていました3

ファセンラ
ファセンラは現在、米国、EU、日本、中国など、80ヵ国以上で重症好酸球性喘息の治療薬として承認され10-13、全世界で185,000人を超える好酸球性重症喘息とEGPAの患者さんに処方されています18

ファセンラは、慢性閉塞性肺疾患、鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎、および好酸球増多症候群など、他の疾患を対象とする開発が進んでいます19,20

ファセンラは、協和発酵キリンの完全出資子会社であるBioWa社から導入され、アストラゼネカが開発しました。

アストラゼネカにおける呼吸器および自己免疫疾患領域について
バイオ医薬品領域の一環である呼吸器・免疫疾患はアストラゼネカが注力する疾患領域のひとつで、当社にとって重要な今後の成長の原動力です。

50年の歴史を基盤として、また、免疫介在性疾患における医薬品ポートフォリオの拡大により、アストラゼネカは呼吸器疾患治療の確固たるリーダーの地位を築きました。アストラゼネカは、吸入薬、生物学的製剤やこれまで手の届かなかった生物学的標的を対象とした新たな治療法のパイプラインとポートフォリオにより、これらの消耗性の高い慢性疾患に存在する非常に高いアンメットニーズに応えられるよう全力で取り組んでいます。アストラゼネカは、主な死因からCOPDや喘息をなくし、免疫介在性疾患における臨床的寛解を達成することを目指し、患者さんの人生を変える医薬品をお届けすることを目標としています。

アストラゼネカについて
アストラゼネカは、サイエンス志向のグローバルなバイオ医薬品企業であり、主にオンコロジー領域、希少疾患領域、循環器・腎・代謝疾患、呼吸器・免疫疾患からなるバイオファーマ領域において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。英国ケンブリッジを本拠地として、当社の革新的な医薬品は125カ国以上で販売されており、世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細についてはhttps://www.astrazeneca.comまたは、ソーシャルメディア@AstraZenecaをフォローしてご覧ください。

日本においては、主にオンコロジー、循環器・腎・代謝、呼吸器・免疫疾患およびワクチン・免疫療法を重点領域として患者さんの健康と医療の発展への更なる貢献を果たすべく活動しています。アストラゼネカ株式会社についてはhttps://www.astrazeneca.co.jp/をご覧ください。アストラゼネカのFacebookInstagramYouTubeもフォローしてご覧ください。

References

  1. Furuta S, et al. Update on eosinophilic granulomatosis with polyangiitis. Allergol Int. 2019;68:430-436.
  2. American Partnership for Eosinophilic Disorders. Eosinophilic Granulomatosis with Polyangiitis (EGPA). Available at: https://apfed.org/about-ead/eosinophilic-granulomatosis-with-polyangiitis/. [Last accessed: October 2024].
  3. Wechsler ME, et al. Benralizumab versus Mepolizumab for Eosinophilic Granulomatosis with Polyangiitis. N Engl J Med. 2024;390(10):911-921.
  4. Clinicaltrials.gov. Efficacy and Safety of Benralizumab in EGPA Compared to Mepolizumab. (MANDARA). Available at: https://classic.clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT04157348. [Last accessed: October 2024].
  5. Mepolizumab US prescribing information. Available from: https://www.fda.gov/files/drugs/published/125526-Mepolizumab-Clinical-PREA.pdf [Last accessed: October 2024].
  6. AstraZeneca plc. MANDARA Phase III data published in New England Journal of Medicine show remission is an achievable goal in eosinophilic granulomatosis with polyangiitis (EGPA) with Fasenra. Available at: https://www.astrazeneca.com/media-centre/medical-releases/mandara-phase-iii-data-published-new-england-journal-medicine-show-remission-achievable-goal-eosinophilic-granulomatosis-polyangiitis-egpa-fasenra.html. [Last accessed: October 2024].
  7. Saku A, et al. Longterm outcomes of 188 Japanese patients with eosinophilic granulomatosis with polyangiitis. J Rheumatol. 2018; 45:8; 171352.
  8. ファセンラ、好酸球性多発血管炎性肉芽腫症に対して、米国で承認を取得: https://www.astrazeneca.co.jp/media/press-releases1/2024/2024092601.html[Last accessed: October 2024].
  9. ファセンラ、好酸球性多発血管炎性肉芽腫症に対してEUで承認を取得: https://www.astrazeneca.co.jp/media/press-releases1/2024/2024110501.html. [Last accessed: October 2024].
  10. AstraZeneca Annual Report 2023. Available at: https://www.astrazeneca.com/content/dam/az/Investor_Relations/annual-report-2023/pdf/AstraZeneca_AR_2023.pdf. [Last accessed: October 2024].
  11. AstraZeneca news release. Available at: https://www.astrazeneca.com/media-centre/press-releases/2024/fasenra-approved-in-china-for-the-treatment-of-severe-eosinophilic-asthma.html. [Last accessed: October 2024].
  12. AstraZeneca Data on file. 2024. REF- 244520.
  13. Wechsler ME, et al. Mepolizumab or Placebo for Eosinophilic Granulomatosis with Polyangiitis. N Engl J Med. 2017:376;1921-1932.
  14. Baldini C, et al. Clinical Manifestations and Treatment of Churg-Strauss Syndrome. Rheum Dis Clin N Am. 2010;36:527–543.
  15. Bell CF, et al. Burden of illness and costs associated with eosinophilic granulomatosis with polyangiitis: evidence from a managed care database in the United States. J Manag Care Spec Pharm. 2021;27(9):1249-1259.
  16. AstraZeneca data on file. 2024. REF-235794.
  17. Clinicaltrials.gov. Efficacy and Safety of Benralizumab in Moderate to Very Severe Chronic Obstructive Pulmonary Disease (COPD) With a History of Frequent Exacerbations (RESOLUTE). Available from: https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT04053634 [Last accessed: October 2024].
  18. AstraZeneca data on file. 2024. REF-235794
  19. Clinicaltrials.gov. Efficacy and Safety of Benralizumab in Moderate to Very Severe Chronic Obstructive Pulmonary Disease (COPD) With a History of Frequent Exacerbations (RESOLUTE). Available from: https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT04053634 [Last accessed: October 2024].
  20. Clinicaltrials.gov. A Phase 3 Study to Evaluate the Efficacy and Safety of Benralizumab in Patients With Hypereosinophilic Syndrome (HES) (NATRON). Available from: https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT04191304 [Last accessed: October 2024].

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