習近平の「一言」がきっかけで、中国が沖縄を狙い始めた…! 共産党「浸透工作」の実態を暴く
沖縄に対する中国の外交アプローチや各種の浸透工作が急速に活発化している。 その契機とみられるのは、昨年6月1日、習近平主席が発した、中国と沖縄の「交流」を強調する発言だ。彼の意を忖度した中国の各部門がこぞって沖縄に介入し、日本の沖縄領有に疑念を投げかけるプロパガンダも盛んに流されている。 【衝撃写真】中国人が「路上排便」する瞬間 辺野古新基地問題等で日本政府との摩擦を抱える、沖縄につけ込む中国。ルポライターの安田峰俊氏が、中国政府による「対沖縄工作」の実態に迫った。
沖縄に中国スパイが……?
中国はインテリジェンスと海洋侵略のプロフェッショナルを、対沖縄作戦の前線に送り込んでいるのは、前編記事『「沖縄は独立したがっている」「琉球人は中華民族だ」…中国が進める「沖縄工作」の最前線』にて報じた通りだが、より剣呑な事実も判明している。中国の「スパイ事件」として国際問題化した組織の関連団体のメンバーが県庁に接近し、玉城知事や照屋義実副知事との接触に成功していることだ。 一昨年末、中国が日本を含めたすくなくとも世界53ヵ国に、相手国の政府に無断で自国警察の海外拠点(通称「海外派出所」)を設置していたことが判明するというスキャンダルが持ち上がった。これらの拠点の多くは、各国に展開する在外中国人の同郷会(日本でいう在外県人会)が受け皿だ。 彼らは在外中国人の運転免許証の更新業務を手掛けていたほか、一部では海外在住の反体制派中国人の監視や脅迫をおこなっていたと報じられている。 日本においても、東京・秋葉原に福建省福州市公安局の海外拠点が存在したことが判明している。 こちらの運営元であり、警視庁公安部の家宅捜索を受けたのが、福州市出身者の同郷団体である日本福州十邑社団聯合総会(日十聯)だ。 姉妹組織として、沖縄の琉球福州十邑同郷会(琉十同)も存在する。 沖縄にはどちらの団体に所属する中国人もいる。そして、日十聯のメンバーが照屋義実副知事と、さらに琉十同の会長の楊氏(58歳)が玉城知事とそれぞれ接触していることが、取材を通じて判明した。 「玉城知事とは、それまでも県のパーティーなどで顔を合わせたことがありました。ただ、直接話をしたのは昨年7月6日の知事訪中の際です。『上』の方から言われ、わざわざ福州に行きました」 那覇市内の琉十同事務所で、会長の楊氏に直接取材したところ、そうした証言が得られた。 彼女は福州市の党幹部の家庭の出身で、1992年に来沖。県内の日本人男性と結婚し、日本国籍を取得した。やがて2010年代半ば、故郷の福州市政府が習近平政権の外交政策に呼応して開いた「一帯一路セミナー」に参加したことで市政府と縁が深くなり、2018年に琉十同を結成したという。楊氏はこう続ける。 「例の海外派出所の話も、最初は私たち琉十同に提案されました。福州市公安局からではなく、市の華僑関連業務の部門(外事僑務辦公室)から別の同郷会を介して、沖縄に中国警察の海外拠点をつくらないかと話が来たんです。ただ、危ないことはしたくないので断りました。私たちはスパイじゃない。悪いことはしません」 もっとも、彼女の自覚の有無にかかわらず、十邑系の両組織はともに、「根」がインテリジェンス機関に通じている。 彼らの元締めは、1990年にシンガポールで設立された世界福州十邑同郷総会(世福総会)だ。 全世界に約800万人いるとされる福州系華人をまとめる存在で、現会長の呉換炎は、国家クラスの華僑組織である「中国僑聯」副主席を兼任する。 建前上、中国僑聯は「民間」団体である。ただし、実際は中国共産党の友好勢力を獲得するためのインテリジェンス部門である党統一戦線工作部の協力組織(統戦団体)だ。これは中国の統戦部系のウェブページからも確認できる。 琉十同会長の楊氏も、県内華人の訪中団を引率して福建省を訪問した際に、統戦部関係者と面会していることが中国側の報道で確認できる。彼女は世福総会の副会長の肩書もあり、統戦の世界と無縁ではない。