pixivは2024年5月28日付でプライバシーポリシーを改定しました。改訂履歴
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椅子がない。
私の部屋には椅子がない。
机はあるんだけどね。
椅子がないんだよ。
まあ必要ではない。
椅子がなくとも困りはしない。
けど椅子がない。
机はあるんだよ。
四つあるんだ。
椅子は一つもないんだけどね。
ちゃぶ台だから椅子はいらないんだけどね。
ちゃぶ台四つもいらないんだけどね。
私が四人になった時に一つじゃ寂しいだろうって。
姉がくれたんだけどね。
ちゃぶ台だから一つで事足りるんだけどね。
四つあるんだよ。
いらないね。
私の部屋の五分の四がちゃぶ台なんだよ。
部屋がちゃぶ台。
残りの一はベッドだしね。
足の踏み場がないんだよ。
椅子とかいらないよ。
椅子とか置けないよ。
部屋に入ればちゃぶ台とベッド。
基本的にちゃぶ台の上で生活しています。
つまり机として機能はしていない。
ちゃぶ台の上でお茶を飲む。
ちゃぶ台が床ってことだね。
結局、私の部屋にまともな机は存在しない。
机が欲しいな。
でもそうなると椅子も欲しい。
机。
椅子。
ちゃぶ台の上に机。
ちゃぶ台の上に椅子。
うーん。
ちゃぶ台をどかすか。
諸悪の根源はちゃぶ台だ。
ちゃぶ台が私を惑わす。
惑わすちゃぶ台。
いや。
ちゃぶ台は大切な存在だ。
何せ、姉からの送り物だしね。
ちゃぶ台を生かした部屋をつくる。
リフォームだね。
思いついた。
ちゃぶ台を乗せよう。
ちゃぶ台に。
ちゃぶ台にちゃぶ台を乗せよう。
ちゃぶ台の上にちゃぶ台。
その上にちゃぶ台。
もう一つちゃぶ台。
ちゃぶ台のウエディングケーキをつくるのだ。
部屋を暗くしたら綺麗じゃないかしら。
うん。
結構良いアイディアじゃないかな。
重ねることでスペースも出来るし。
何よりかっこよくはないだろうか。
ただ問題が。
そんなに重ねると机として使えない。
本当に意味のないオブジェ化する。
……。
問題があるだろうか?
今までも特に机として使っていなかったちゃぶ台。
無駄に場所をとっていたちゃぶ台。
うん。
まだ、重ねた方がマシだね。
という訳で重ねてみた。
……案外とちゃぶ台だな。
まだちゃぶ台らしさが残っている。
初見でもちゃぶ台と解るちゃぶ台。
はい。
もういいや。
スペースができたな。
ちゃぶ台三つ分のスペースができた。
何を置こうか。
……。
駄目だ。
今、私はここにまたちゃぶ台を置こうとか考えてた。
どれだけ、ちゃぶ台に毒されてるんだ。
私の頭の中のどれだけをちゃぶ台が占めてるんだろうか。
実験してみた。
ちゃぶ台と姉が崖から落ちそうです。
ですが、どちらか一方しか助けることはできません。
私はどちらを助けますか?
いや。
普通にちゃぶ台だろ。
姉は大丈夫だよ。
飛べるし。
うん。
問題が悪い。
姉なら大概のトラブルを自力で乗り切れる。
しぶといし。
死んでも死ななさそうだし。
……強いしね。
姉とちゃぶ台は比べられないよ。
なら。
ちゃぶ台とイコールな物ってなんだろう。
ないな。
私の頭の中には姉とちゃぶ台くらいしかないし。
ああ。
あと椅子もあるか。
椅子だ。
忘れてた。
椅子どうするか。
スぺースあるから椅子置きたいね。
あれが欲しいな。
前後に揺れる椅子。
ロッキングチェア?
欲しい。
優雅に揺れながら本でも読みたいね。
河童の所で買えるのかな?
何となくだけど家具とか取り扱ってそうな気がする。
河童だからね。
今度、頼んでみるか。
さて。
部屋も片付いた訳で。
あれ?
片付いてはいないか。
ちゃぶ台重ねただけだし。
……。
思いついた。
私さ。
二段ベッドに憧れてたんだよ。
特に上の段のベッドにね。
今、ちゃぶ台が四段重ねになっています。
そこにベッドも乗せてしまおう。
そうしたら五段ベッドの出来上がりだ。
憧れを越えた五段ベッド。
夢の存在、五段ベッド。
良い夢が見れそうだね。
早速、乗せてみた。
……不安定だな。
ベッドの方が大きいからね。
ちゃぶちゃぶちゃぶちゃぶベッドだからね。
揺れそうで怖いな。
あ。
ロッキングベッドだ。
ロッキングなのか分らないけど。
これは楽しそうだ。
取りあえず上るか。
ちゃぶ台に足をかけつつ手でちゃぶ台の足を掴みよじ上る。
あまり揺らさない様にベッドにダイブ。
ロッキンッ!!
グー!
うん。
良い感じ。
中々ロック。
うん。
寝てみるか。
起きた時、私はベッドの上に居るだろうか?
床へ真っ逆さまだろうか。
大穴としてちゃぶ台とちゃぶ台の隙間に挟まっているも加えよう。
暖かいしね。
よし。
あとで寝よう。
今は駄目だ。
決心がつかない。
あ。
スペース開いたな。
部屋の五分の四を占めてたちゃぶ台は一つに纏めたし。
その上にベッドを置いたから更に広くなった。
寂しい部屋だ。
何にもないね。
はあ。
……あら?
お姉さま、どうしたの。
ああ。
うるさかった?
ドタバタしてたからね。
ごめんなさい。
うん。
重ねてみたの。
結構かっこいいでしょ。
ちゃぶ台重ね。
え?
『フランドール、それはコタツよ』
フランドールはレミリアの言葉にショックを受けていた。
それはそうだろう。
今まで愛してきたちゃぶ台が実はコタツだったのだ。
これほどまでの裏切りはない。
しかし、しょうがないではないか。
フランドールはコタツという言葉は知っていても実物は知らなかったのだ。
いや。
実物は見ていた。
今までちゃぶ台だと思っていた物はコタツだったのだ。
それである。
もう何も信じられない。
フランドールは一人、部屋のコタツで丸くなっていた。
季節は冬である。
当たり前だが寒い。
だが、コタツは暖かかった。
温もりを感じていた。
いつしか眠るフランドールの顔に安堵の表情が浮かんできた。
きっと夢の中でちゃぶ台(コタツ)と戯れているのだろう。
そんな、素敵な寝顔で。
フランドールを包むコタツも少し幸せそうであった。