未投稿作品『魔理沙を殺したのは?』

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メインキャラクター:紅魔館 霖之助

PCの過去フォルダを漁っていたら、産廃創想話に書いたけれど諸事情でボツにしたテキストがパラパラ出てきました。

その中の一つです。

なぜボツにしたかは最後に



霧雨魔理沙の死体が湖で発見された
引き揚げられた魔理沙の変わり果てた姿を前に、彼女の父は悲しみに打ちのめされた
魔法に興味を持ち、家を飛び出した魔理沙とは絶縁した身なれど、娘の身を案じない日は無かった
弟子である森近霖之助を介して、それとなく彼女の手助けをしたことなど星の数ほどある
二度と家に戻ってこなくても構わない。ただただ彼女の幸せを願っていた



魔理沙の遺体には、肩から胸にかけての深い切傷があり、他殺であることは明らかだった
父は私財をすべて投げ打ってでも、犯人を捕らえ報復すると決意を固めた
里の自警団を援助する以外に、金で人手を雇い真相の究明を急いだ、そしてついに有力な情報を掴む
湖の周辺で暮らす名も無き一匹の妖精が『紅魔館の住人が、夜中に人間の死体を湖に捨てていた』と語っていたということを



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霧雨魔理沙の父が住まう屋敷の門を森近霖之助は潜る
霖之助の後ろを、小柄な少女がついてく
「魔理沙のお父さんは人間だ。腕力では君達に勝つことはできない。しかし『人脈』という強い武器を持っている」
振り返ることなく霖之助は背後の少女に話しかける
「君たちとは良い顧客関係でいたかったのだけれどね・・・可愛い妹分を殺されたとなったら話は別だ。親父さんの『犯人に報復を』という意見に僕は賛同する」
小柄な少女、レミリア・スカーレットの表情がみるみる沈んでいく
「みんな・・・・・・・無事なんでしょうね」
「君の返答次第だ」





最初に里に買い物に出かけたメイド長が夜になっても帰ってこなかった
不審に思った門番が彼女を探しに行き、同じく行方不明になった
レミリアが二人を探し回ったが結局見つからず
帰ってきてみると留守番をしていた魔法使いと妹が消えた

そして3日後に一通の手紙が届いた。差出人のところに森近霖之助と書かれていた





中に通されて、客間へ連れてこられる
小さな“机”をはさんで、お互いに向かい合う
「魔理沙の死に関わった全員を殺したって構わない。だが、僕たちが真に復讐したいのは【魔理沙を殺した奴】だ」
「・・・・」
レミリアは答えず“机”を凝視していた

「失礼します」

その声を聞き、レミリアはハッとなり声の主を見た
一糸纏わぬ姿の咲夜が盆を持って部屋に入ってきた。大人になる前の少女の瑞々しい肌とその肉付きは、神聖さと同時に卑猥さもかもし出していた
レミリアと目が合い、羞恥で頬を染める
「ここの男達の前では、毅然とした態度なのに、主人の前ではそんな顔をするのだね」
咲夜はここに連れてこられてから、裸で給仕することを強制されていた
直接、何かされるというわけではないが、屋敷に住む男達の舐めるような視線に常に晒されていた


咲夜が持つお盆の上には紅茶の注がれたティーカップと緑茶が注がれた湯呑、クッキーの乗った小皿がある
しかし、咲夜はそれを“机”の上に置こうとしない
「どうしたんだい? 早く置かない茶が冷めてしまうよ?」
「この下衆・・・」
急かされた咲夜は涼しい顔の霖之助を睨みつける
「いい、咲夜置きなさい」
「しかしっ!」
主導権は霖之助にある。逆らうのは得策ではないと判断してレミリアは言った
「いいから」
「・・・・・かしこまりました」
咲夜は“机”の上にお茶とクッキーの乗った皿を置いた
“机”がビクリと震え、付属している宝石のついた枝が強張った
すぐにレミリアがティーカップと皿を手にとって“机”から離す
「そんなにがっつかなくてもクッキーは無くならないよ?」
まるで躾のなっていない子供を嗜めるような口調だった
レミリアの手からは煙が出ており、モノが焼ける異臭が部屋に充満しはじめる
運ばれてきたティーカップと皿は銀製で出来ていた
「・・・・・ッ!」
銀が体に触れる痛みを奥歯を噛み締めて耐える
「手が辛そうだね、“机”の上に置いたらどうだい?」
「いらぬ世話だ。放っとけ」
それだけは出来なかった。なぜなら“机”に銀を置くということは妹を傷つけるのと同義だった
目隠しに耳栓、猿轡を噛まされた全裸で四つんばいの姿勢のフランドールは、この屋敷で“机”として使われていた
霖之助は自分に出された湯のみには手を着けない。湯のみの底は平らで、熱湯で十分に暖まったその部分がフランドールの背中を熱していた
中の湯が冷めるまで、まだしばらく時間がかかりそうだった
「パチェと美鈴は?」

辱められているが。とにかくメイド長と妹の安否は確認できた。残り二人の身を心配した

「君の友人の魔女なら蔵にいるよ」




蔵へ向かうため玄関で靴を履き、屋敷の裏手に回る
飛び石の上を歩いていると、急に霖之助が足を止めた
「魔女に会う前に・・・・・」
庭木を指差した
「ほら、門番があそこにいる」
木に縛りつけられて、血だるまになった美鈴だった
「貴様っ!!」
「勘違いしないで頂きたい。我々は『2000回殴られて気絶しなかったら、魔理沙の件は不問にする』と提案しただけだ。これは彼女が自分から志願したことだ」
殴られ続け、気絶したらカウントがまたゼロに戻り、再開される。それを拉致されてから今日までずっと繰り返していた
美鈴の顔はすでに原型を留めておらず、唇、目蓋、顔の表面は内出血により3倍にも4倍にも膨れ上がっていた
近くにいるレミリアの存在にすら気付かない

手を強く握り閉めて怒りを堪え、レミリアはその場を後にした








暗い蔵の中でパチュリーは椅子に座らされていた。肘掛に手首を、脚部に両足首を固定されている
「昔、魔女狩りで使われた審問椅子だ」
本来なら、ここから彼の道具に関するどうでも良い薀蓄が始まるのだが、今回に限りそれは無い
「この椅子には針や刃物は付いていない。ただ動きを拘束するだけの代物さ」
パチュリーは鉄で出来た球体を被らされていた。鉄の玉はまるでヘルメットのように頭のてっぺんから首まですっぽりと覆っている
レミリアの目の前で、拘束されるパチュリー脇に立つ男が金槌でその球体を思い切り叩いた
あまりの甲高い音に、レミリアは思わず耳を塞ぐ
「交代で屋敷の者があの被り物を叩いている」
パチュリーは手を拘束されているから耳を塞ぐことが出来ない
「安心したまえ、なにもずっと叩き続けるわけじゃない。1時間の内のせいぜい叩く時間は15分程度さ」
そう解説しながら霖之助は被り物を外す
パチュリーは、鼻水をたらし白目を剥いた白痴の表情を晒していた
「ただし24時間の内、叩かない時間帯は無いがね」
夜も絶えず行なわれてるため、寝ることが出来ず、音が容赦なく精神を蝕んだ結果がその表情だった











再び、フランドールが机として扱われている部屋に戻ってくる
「何をしている!!」
戸をあけて飛び込んできた光景にレミリアは思わず叫んだ
使用人の男が、フランドールの性器に張り型を差し込み、弄ばれていた
轡の隙間から苦痛の吐息が漏れる
「まあ待ちたまえ」
飛びかかろうとするレミリアの前に霖之助が立つ
「ただ道具を手入れ。家具の調律をしているだけだ」
粗相をしないように事前に排泄をすませるために、彼女の粘膜を刺激していた
性器を刺激されて漏らした尿を桶に受けると、使用人は部屋を出て行った
「さて」
「うぐっ」
霖之助はどかりとフランドールの背中に腰を下ろす
その手には使用人が残して行った張り型。それでフランドールの羽をなぞる
「もしもこの子が魔理沙殺しの犯人なら、こんな柔いシリコンでは無く、銀の極太を両穴に刺してやるんだがね」

眼鏡の中央を指で押して掛け直す仕草の後、冷酷な目がレミリアを射抜く

「で、誰が殺した? 捕らえた連中は全員『知らない』の一点張りだが、館の主人である君なら何か知っているだろう?」
「・・・・・・・」
「最初に言ったように僕達が知りたいのは魔理沙を手にかけた者だ。隠蔽に関与した連中なんてどうだって良い。下手人の名を教えてくれれば、他は返すと約束しよう」
それは取引だった
「・・・・・・・」
目を閉じて無言でいること一分。意を決したようにレミリアは口を開いた

「パチェだ・・・・・・パチュリー・ノーレッジ、それが魔理沙を殺した」

「証拠は? 実は真犯人がいて、それを庇うために彼女を身代わりにするんじゃないだろうな?」
「死体の傷を調べろ、私や妹の爪ではあんな鋭利な傷にはならない。咲夜にも無理だ、死んでいる相手ならともかく、生きている人間にあんな深手を負わせる腕力など無い」
「それなら門番が刃物を使ったという線もある」
「魔理沙を殺した凶器はパチュリーの金符、回転する丸鋸だ。傷の辺は真円になっている。いくら武術の達人とはいえ、そんな精密な傷を付けられると思うか?」
「・・・・・」
その説明の後、霖之助はしばらく思考する
「わかった。魔理沙殺害の下手人はパチュリー・ノーレッジだな」
「ええ」
「動機は?」
「二人は共同で魔法の実験を進めていた。しかし途中、実験の最終目的が別れたんだ。口論の末、『弾幕ごっこで勝った方の主張に従う』という流れになった」

そして事件は起きた。その場に立ち会っていたのはレミリアだけで、魔理沙の死体を捨てたのもレミリアだった
だから他の紅魔館の面々は事件のことについて何も知らなかった

「あれは不幸が重なって起きた事故だ。パチュリーに魔理沙を殺す意思は無かった。これだけは信じて欲しい」
「結果的に魔理沙は死んだ、それだけだ。犯人の意思なんてどうだって良い」

フランドールの椅子から立ち上がる

「親父さんに君たちを解放することを伝えてこよう」

苦渋の決断を下したレミリアと、家具として扱われていたフランドールがその場に残された

「ごめんなさいパチェ」

妹の体を抱き締めて、レミリアは謝罪した



※未投稿の理由※

1、オチが弱い
 魔理沙を殺したのは実はチルノで、大ちゃんが罪を紅魔館に被せた。
 レミリアが白状したのは「この状況では何を言っても自分達が犯人にされる」と思ったため犠牲者を最小限に・・・・・以上のインパクトのあるオチが欲しかったけれど思いつかなかった。

2、描写が大雑把
 もっと一人一人のパートを細かく表現できたら、事件の背景ももう少し深められたら良かった。


この辺がなんとかなったら、産廃に投降していたかもしれません。
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