【🎲、⚓️、ss】どうしよう……14

スレ主です
14スレ目ですね。
わりかしノーマルエンドが殆どで一個ヤバいのあるかなぁくらいだから実際そこまでバッドではない…キヴォトス基準だとどうなのかはちょっと分からない。
皆様の感想や考察、阿鼻叫喚がまさに初見ゲームの実況のコメ欄を見ている感覚になれてとても楽しいです。励みになります。
ゆったり読んで頂ければ幸いです。あとこのシリーズのゲーム内容と前作の【しまい】の繋がりは同じモモイが作ったというだけなので安心してください。

あらすじ
アスナのおかげでリジェネ攻略法発見
エントルングが黒コードに飲まれる
大人というのは格好つけたがりな生き物です

前スレ

【🎲、⚓️、ss】どうしよう……13｜あにまん掲示板スレ主です13スレ目ですね。スレ主の「救いがある」の定義は「個人がその人が持つ執着や苦しみから物語が終わる頃に解放される（そこに至るまで失う物や、その際の周りの感情は知らない）」なのでバッドエンド以外…bbs.animanch.com

最初

【🎲、⚓️、ss】どうしよう……｜あにまん掲示板【＊今回は前振り長めかもです】部費が…部費が足りない…！！前回のゲームの声当てする時に徹夜特有のおかしなテンションで相談無しにめっちゃ良いマイク買った私が全部悪いんだけども…！！ゲーム作る予算の為にゲ…bbs.animanch.com

立て乙

たて乙です。

おつやで

立て乙
神父……生きろよ…

>>6

無理や

守ってから後を託すプレナパテスルートに入っとるで･･･たぶん

とりあえず10まで保守やな

希望を捨ててはならん

ほ

しゅ

ケーフィ神父の狙撃によってコードが千切れていくのがやけにゆっくりに見えた。
すぐにムービーに代わり、ライブラが上空に退避した様子にネル達がホッとしていると、アリスも安堵の息を吐いた。

「こちらアリス。ケーフィ神父の援護で無事退避完了しました」
【ハッキングされた箇所のデータ修正も問題ありません】
『……そうか』

リディの返事に頷いたアリスはさて次は、とライブラの頭部、そのアイカメラを自分を救ってくれた彼の方へと向ける。

「ケーフィ神父…ありが……」

そこまでアリスが言いかけた時。

バキン、と音がする。何処だろう？ライブラは問題なしだとAIも言っていた。［落涙］もこれ以上は流石に何も無いだろう……じゃあ一体、と何故か冷静に考えていた面々の前で

『………よか、った…』

マリアの飛行パーツから黒煙が上がり、そのままバランスを崩して急降下を始めた。

幾ら>>7みたいに希望を持たない民がいるからって初っ端からアクセル全開が過ぎんだよ！！！！

こんなの嘘でしょ…何故なんですか

やっと追いついた…！

こんな、こんなことって

神父さん…？なんで…

救いは無いんですか！？
スレ主主観じゃなくて命のほうの！

まだアリスがマリアを抱えて飛ぶ可能性が微レ存
お、おちおちおおちおちおちちおち
まだあわわわわわわわわわ

嘘でしょ…と皆が愕然とする中、必死の形相でアリスはライブラを動かす。

「AI！！もっと早く飛べないの！？」
【コレが限界です…例え限界を超えたとして、ライブラも落ちてアリスも死んでしまいます】
「そんな…っ！！いや、いやだよ…！！」

すぐに「これでは間に合わない」ことを悟ったのだろう。AIと必死に話ながらも神父を救おうとしているが現実はそう甘くない様で…

「なんとか出来ないんですか…！？」
「リディがさっきも言ってたけど…機体のスペックを超えたら神父と同じく落ちるしかないって…でも…でもこれじゃ…！」

カリンやアカネは先程のケーフィ神父の登場に泣いて喜んでいたのもあり、切実な声で彼が助かる事を祈っている。
トキもまた言葉を失いながらも、何か支えが欲しいのか隣にいるネルにひっつく。ネルはネルで様々な事を考えてはいるが……余裕がなく、トキを宥める事も出来ない。
ただただ静かに、アスナも泣きながら見守る事しか出来ない。

追いついたと思ったらやばいことに(大福)

保守

AIの言葉に対して、アリスはそれでも諦めきれないらしくひたすらに全力でライブラを飛ばす。AIだって諦めや、本当に無理だと思っているのなら、アリスも危険なこの状況をライブラの操縦権を奪ってでも止めるだろう。そうしないのは……

だが、そんな気持ちだけでなんとか出来る事はなく…小さなパーツが空中分解しながらマリアの高度はどんどん下がっていく。それだけの無茶をして、アリスを助ける為に飛んでくれた彼が……このままでは死んでしまう。
今度こそ、確実に……

「だめ…だめだよ…！こんな…！」
【アリス…】
「お願いAI…！私の負担はいいから…！」
【それ、は……】

そんな風に、神父を死なせない為に飛ぶライブラの姿を、AIが搭載されていないマリアの無機質なアイカメラがボンヤリと映している。
マリアのコックピット内で、もはや殆ど動けないらしい神父は包帯の隙間から覗く目で、自分を助けようとするライブラの姿を見ながら、通信から必死になんとかしようとするアリスの声を聴いていた。

落下の揺れで擦れた金属音を鳴らすドッグタグ……神父は走馬灯を見る。
愛娘の車椅子を父親の自分がゆっくりと押しながら、二人で穏やかに笑い合う……そんな、不幸になる前の幸せ。

（………やっと…私は誰かを…救えただろうか）

力の抜けた声と共に、神父が目を閉じた。

「っ…おい！！諦めんなッ！！」
「ダメです！まだ、まだ…！！」

涙を滲ませながらネルと、トキが叫ぶ。当たり前だが、プレイヤーの声は向こうには届かない。

「……やめて、お願い」

アリスが泣きそうな声で言う。

「その人を……連れていかないで…」

ゲームの始まりで、ロムロが連れて行かれた時と同じ様に、理不尽な別れを嫌がる子供の様な声で願っていた。
また、マリアのアイカメラがライブラを捉える。



……キュイ、と僅かな音を立てて、カメラが動いた気がした。

神父の走馬灯の中で、マリアが振り返って…

「お父さん」

確かにそう言った直後

ピンッ、とマリアの機体から小さなネジが外れる。それと皮切りに、マリアの中心部のパーツがバラバラになる。

「は、え…？」

カリンが抜けた声を出したのとほぼ同時に…今までどれ程ボロボロだろうと頑なに開かなかった、コックピットの扉が外れた。

「！！」

ボロボロの青い機体から……負けないくらいボロボロだけど、まだ、生きている彼が機体から投げ出される。

「AI！！」
【了解！！】

言葉を殆ど交わす事なく、何をすべきか理解したアリスとAIはライブラの右手を伸ばし……

マリア……！

マリア・・・・

操縦者を手放した青い機体はそのまま落ちていく。そして……

「………」

皆、静かにその光景を見ていた。随分と凝った描写とスローモーションで、ゆっくりと地面に接触したところから壊れ、砕けていくマリアを…

マリアはAI嫌いな神父が乗っていたのだからAIは搭載していない。だから、目の前で壊れていっているのはただ一機の機械…英雄が乗っていた戦闘機。
なのに何処か悲しくて……それでも、不思議と綺麗とも思えた。

誰かの口からポツリと「ありがとう」と零れた。部屋にいる誰も、それを馬鹿にはしなかった。

「………マリア」
【アリス、色々考えたいのは分かりますがまずは医療班に彼を…】
「！そ、そうだケーフィ神父…！」

そうしてアリスが操縦席から身を乗り出すと…ライブラの掌の上には包帯まみれだが、生きている彼がいた。

「……よかったぁ…じゃなくて！こ、こちらアリス！！医療班に救援を求めます！！」

そんな慌ててはいるものの緊迫感は感じないアリスの言葉でようやく糸が切れた様に全員がドッと安堵して大きな息を吐いた。

保守

神父にはマリアの分まで生きてもらわないと

最っ高にカッコいいぜ‼️マリア‼️
良くぞその人を生かしてくれた‼️

さすが神父だ、護られてるぜ

ところでcv誰だと思う？中の人先生をお父さん呼び出来る勝ち組なんだけど

>>31

俺はヒマリ説を推すぜ

こういう回想だけに出てくる境遇が可哀想なキャラは大抵人生楽しくやってる人がノリノリで演じてるって相場が決まってんだ

というのは後付けで車椅子繋がりの連想です

場面が暗転する。恐らく一周目と同じでこれからエンディングムービーに入るのだろう。さて、一周目とどう違うのか……と修羅場を抜けて少し気が抜けたネル達が見守る姿勢にはいる。

そして始まったムービーでは、エントルングの復興の様子は無く、ヴィッグにて避難民に対して供給を配っているシーンだった。
「こっちまだ日用品系列が行き届いてないぞー！」なんて声に「もうちょっと待ってなさい」なんて女性の声が返ってくる。以前の険しい雰囲気は不思議となく、小さいアイノコの子供の隣で普通に避難民の子やシスターが食事をしている。

「……前のリディの話が効いた、のか？」
「それもあるでしょうし…何より本来助け合う理由はあっても、争う理由はないですからね」

──エントルングの復興は依然難しいが、目の前の脅威は取り除かれた。

一周目と同じくアリスのナレーションが入る。やはりもうエンドロールに差し掛かっている様だ。

──リディはエントルングの復興よりも先にヴィックにいる避難民の生活基盤を整える事に力を注いでいる。どんな場所も、そこの人が笑っていてこそだと言いながら率先して物資を運ぶ彼女を見て、避難民も敵意が削がれたのかもしれない。

ムービーにて実際に中々大きな箱を抱えて部下と一緒に歩くリディは、確かに楽しそうに見えた。

やっと追いついた
かなり気付くのに遅れた

比較的ハッピーには見えるが…リディさん関連はゲームでは語らない考察要素か？

>>35

姐さん関連は当然姐さん√じゃない？

救いのある地獄と救いのない地獄がまだ残ってるよ、やったね！

>>36

大福量産に関して何か一言

──エントルングの復興に関しては…正直あの街を埋め尽くしかける程の黒いコードの撤去にどれ程かかるか分からない

──あのコード自体、再利用出来るならば良いけれど「暴走」のイメージからして、そう上手くもいかないだろう。そうなれば処分方法やらどの地区から協力を要請するかなどまだまだ課題は多いらしい

「なるほどなぁ……」
「というか、黒ヤモリの時もラトルの時も思いましたけど、黒いコードって明らかに物量保存的な物を無視してませんか？」
「ロボット関連の監修をしていたエンジニア部の皆さんが「ロマンは時に細かいところに目を瞑る必要がある」との事です」
「ロマンか？これ本当にロマンか？ホラーの部類じゃねえか？？」

アリスの語りを聞きながらあの黒いコードについて話し合ったりしていると、アリスがある物を両手で持ちながらヴィッグのエンジニアの人達と話していた。

「…うん、問題なさそうだね」
「ありがとうございます」
「いやいや、あの黒コードに侵蝕を一度受けかけてたならAIが心配なのも分かるよ」
「それもあるんですけど…時々不調があったから気になってて…」
【お手数をおかけします】

アリスが両手で持つ黒い四角には見覚えがある。エンディングなどに出てきたAIの本体と思しきものである。やっぱり考察は当たっていた様だ。
どれ程の重さかはともかく、アリスは大事そうに両手で持っているものの実際は大人の片手で充分持てそうな大きさである。思っていたよりも小さい事には驚きだった。

「まだ分かんねえけど、とりあえずAIも無事だったんだな」
「みたいですね…というか、あの状態でも喋れるんですね…」

アリスの手の上で話しているAIを見て、前周の不穏のせいで中々きちんと安心出来ない事が心残りではあるものの、AIの新事実をなんとか飲み込んでいるとエンジニアらしき大人がアリスに最後に話す。

「それじゃあ、この後はアリスさんも診断受けてね」
「は、はい…」
「はは、そこまで緊張しなくて良いよ。色々無茶したって聞くし、念の為さ」
【メディカルチェックとして多少の採血はあるそうですが…アリスは苦手ですか？】
「うーん…というより、病院あんまり得意じゃないから……」

そういうアリスに、周りは微笑ましげに笑っていた。まぁ実際、逆に病院が好きという者は中々いないだろう。
そうしてアリスがAIと共に離れた後で、エンジニアの男性は一転、少し真面目な顔をして幾つかの書類を見ていた。

「……後で長官と話さないとな」

その一言に、ネル達は反射的にまたくっつき合う。不穏要素に身体がもはや勝手に反応してしまう様だ。

「おい、おい！何を話すんだよ！？」
「長官ってリディさんですよね！？やっぱりAIさん何かあったんですか！？ねぇ！？」

色々あったとはいえ、ひと段落したと思った所でコレだよと言いたくなるネル達をサラリと無視してまだムービーは続いていた。

ほしゅ

安堵させては不安に浸しての繰り返しで心が整う〜

わざわざウソはつかんだろうしAI本体というより別のなにかかね……？

AIは寄生してない寄生型とかそういう話だったりしない？もしくは寄生されてるのに寄生の症状が出てないとか

何かあるけど どうしようもない or 確信はない からとりあえず不安にさせないように、とかかな？
大丈夫、直ちに影響はありません。

>>44

ゆっくり悪い方向に向かってるフラグじゃないですかーヤダー！(大福)

年末年始に寝る間も惜しんでしまいから読んでたら追いついてしまった…！！
実世界・キヴォトス内の状況とシナリオをうまく対比していたり、シナリオ内の話とキヴォトスで起きている話の比率なども丁度よく、物語として綺麗で文章能力が羨ましいです。大福になりながらも更新が待ち遠しいです！

追いついた！続きが楽しみ過ぎるよ
保守

廊下を歩くアリスと、その手に持って貰っている状態のAIは話しながら進んでいる。

「異常なくて良かった…でも何かあったらすぐに言ってね？」
【了解です……言って貰ってすぐで申し訳ないのですが…】
「？なあに？」
【私の呼び方についてですが…】

そこまでAIが話して、止めた。アリスもまた何かに気付いて前を見る。

「あ…」
【…アリス】
「…うん」

阿吽の呼吸でアリスはAIの意図を汲み取って、そのまま駆け足で車椅子に乗っている「彼」に近づいた。

「ケーフィ神父、大丈夫ですか？」
「！…アリ、ス君……」
「この先に行きたいんですか？」
「…ああ」

苦笑いしている彼は顔を含めてまだ包帯をしている所も多く……何より右腕の肘から先の服の袖が寂しそうに揺れていた。
その姿にネル達はなんとも言えない表情になるが、アリスは努めて明るく話しかけて、ケーフィ神父もそんな彼女達に存外軽い声で対応していた。

「はは…情けないところを見られてしまった」
「そんな事ないですよ！手伝います」
「…ありがとう」

どうやらケーフィ神父の車椅子では彼が行きたい道の途中にある段差を越えられずに立ち往生していたらしい。迷わず手伝うと言うアリスだったが何かに気付いて顔を少し曇らせる。

「あ…AI、どうしよう」

アリスが車椅子を押したりするならば手に持つAIは何処かに置くかせねば、だが置いて行くのも出来ないだろう…困っている彼女にケーフィ神父は左手を伸ばす。

「私が持ちますよ」
「え……いい、んですか？」
「構いません。貴方は？」
【それが一番効率が良いでしょう】

少し意外ながらも、ケーフィ神父の提案で彼の膝上にAIを乗せて彼に落ちない様に持ってもらいながら、アリスが車椅子を押して動かす事にした。

「これ、神父が娘さんの車椅子を押していたやつの対比かなー…」
「やっと喋ったと思ったら急に刺すのやめてくださいアスナ先輩…！」

そういえばそうじゃん、と何気なく見ていたメンバーが近くのティッシュに手を伸ばした。

人の心

歴史は繰り返す…（大福）

うわぁん！まだ続いてたことは嬉しいんですけど、辛いし苦しいです！
えへへ、お布団は虚しくないですね......

>>49

アスナ、不意打ちで心にダイレクトアタックするのはやめようかアスナ

その内アイノコになって自由に歩けるようになるのかな。
――娘さんのように。

車椅子を押すアリスが少しだけ気不味そうに話しかける。

「…怪我の経過は、どうですか？」
「痛みはもう殆どありません。今日も新しい右手の調整の為に行くとはいえ…それ以外は回復しつつあります」
【拒絶反応等はありませんか？】
「流石の技術だと感心しますよ。あの爆炎によって焼かれた肺を含む一部の内臓も、問題なく機能しています」

肺を含む一部内臓……やっぱりめちゃくちゃ重症だった。とネル達は落ち込む。そんなにボロボロなのに、アリス達を助ける為に全力で駆けつけてくれた。
……なんでこんなにも良い人の娘があんな風に死ななくてはならなかったのだろう。ツンとする鼻をすすりながらネルは見ている。

「…その、マリアは」
「……残念ながら、直すのは難しいそうです。一部のパーツを流用しながら新しい機体を作るので精一杯との事で…」
「………」
【私達を助ける為に、貴方にも、あの機体にも大きな負担を…】
「いいんです。本当に…意外かと思われるかもですが、マリアが壊れたと聞いた時……なんだか少し、胸が軽くなった気がしたから」

そう言いながら包帯の間から覗く彼の片目はとても優しげに見えた。

「……いい加減、あの子を眠らせてあげるべきだったのでしょうね。あの子の死を受け入れきれずに、代わりを求めて……いつかの貴方に何か言える立場ではなかった」
「え、あ…そんな、こと……」
「………やっと、本当の意味で、あの子を弔える気がする」
「…………」

アリスが何か言葉を返す事はなかったが、その顔は穏やかなものだった。

メンタルに来る〜

お、お“どう“ざあ“あ”あ“ん”っっっ………！！！
(；ω；)

忘れそうになるけどゲーム開発部が作ったんだよな
ストーリーはモモイが作ったんだよな
引き込まれ過ぎてたまに忘れてるけど

保守

そうか、神父は深い愛情のあまり、いつの間にかマリアを縛っていたのか…

>>58

そんなもん「しまい」があるから今更だぞ

神父がやっと心から休めそうで良かった

神父…お疲れ様…

そうして二人と一機で進むとリディがバインダー片手にある部屋の前で立っていて、こちらに気付くと手を振った。

「おっ！無事に来れたみたいだね…おや、アリスも来たのかい？」
「段差に困っているところを手伝って貰いまして…」
「…すまない。早めに改善しておこう」
「いえ、別にクレームのつもりでは…」
「この街じゃ君以外にも段差がキツい者もいるさ。長として、皆が暮らしやすくする義務がある」

初期からそうだったが、相反する思想を持っていそうな二人だがアリスの前で険悪な雰囲気になったりはしない。
大人として何かと折り合いがついている、という事なのだろうか？
リディの言葉に少し詰まったものの、礼の言葉をケーフィ神父は口にした。

「今日は右腕の調整と…脚の神経の経過観察だね。あれだけの爆発や無茶をして、まだ歩ける見込みが有るんだから大したものだ」
「え！」
【回復の可能性があるのですか？】
「激しい動きは分からないがね…今度こそ脱走せず治療に専念してリハビリしてくれれば、充分に有り得る話さ」
「耳の痛い話です…」
「さして反省してないだろうに…まったく」

また歩けるかも知れない。それだけでアリスの顔色が明るくなった様に思う。AIもすぐに聞いた辺り気にかけているのだろう。
肩を少しだけ竦めたケーフィ神父とリディもそんな様子を見て口元を緩めた。

おお
でも回復の見込みあるからって言ってなんか悪いことになりそう

>>64

まあ、また危険なんかがあれば、この神父回復の可能性なんか放り出してまた戦い始めるだろうからなあ

前科もあることだし

ここから悪魔なんてつきませんよね？

>>66

一事が万事、常に最悪の事態を想定せよ…先人の偉大なるお言葉だ　あと”しまい”のことを考慮に入れたうえで考えることだな

保守

わぁ〜平和だなあ
毛布は片付けちゃおう

>>69

いやまだ出しといた方がいいかもしれない…

この人は急に刺してくるかもしれない…

読破しようと思ってたが続いてたのか…
続きが楽しみ

この世界の正規軍って何やってるんだろう？

>>72

さてなぁ…

詳しく描写きたら碌なことになってなさそうって事しか…

>>73

最初の舞台設定で人類側は敗北手前ってあったけど、軍学校があるくらいだし組織的な活動ができないほどではない気がする。

アリスが中退した後さらに戦況が悪化した可能性もあるが、中抜きしてる余裕があるところを鑑みるに上層部は安全地帯で汚職塗れなのかな。

そう考えると軍上層部は軍需産業と癒着して旧式AIの大量投入と民兵組織利用して代理戦争してるだけとか。

そもそも人類は本当に新型AIと戦争してるのか？今のところラトルにしろ落涙にしろ徴発された旧式AIの離反者しか敵として出てきてないと思うのだが…

>>74

下手したらバーチャロンみたいに、ここまで盛大な娯楽っていう可能性…?

>>74

一番最初に出てきた喋る奴含め、敵として出てきたAIは全部新型じゃよ。

「しまい」からここまで読みきった！追い付いた！
なんて壮大ストーリーなんだ(大福)

「アリスもこれから健診かな？」
「あ、はい！といっても怪我とかは殆ど無いんですけど……」
「いやいや、万が一なんて事もある。ちゃんと受けてくれ」
「はい……」

もしかしたら、を期待していたのかリディにも「ちゃんと診断を受けろ」と言われて分かりやすくアリスはしょんぼりしていた。なんだか親が子供に言いつけをしている様にも見えて微笑ましい。

「彼はあとは私が引き受けよう。時間まで休んでなさい」
「了解です……では、ケーフィ神父、また」
「ええ、気をつけて…ライブラもありがとうございます」
【…いえ、アリスの意思ですので】

すっかり神父からAIの呼び方はライブラで固まっている様だ。
そうしてAIと共に歩いて行くアリスを見送るリディとケーフィ神父、先に口を開いたのは神父の方だった。

「私はあの時…死ぬのを覚悟してエントルングまで飛びました」
「………」
「しかし、思いもよらず私は生きている。コックピットが《偶然にも》壊れた事で」
「らしいね」
「……もしかしてなのですが、予想していましたか？私が抜け出す事」
「……バカを言うな」

リディは先程の神父の様に肩をすくめて見せた。

「コックピットは操縦者が乗る所。下手な整備は死に直結する…無論他のパーツでも言える事だが、ウチの技術者が真っ先に完璧に直していた筈だよ」

まぁ他の所を直しきる前に脱走した大馬鹿者がいるわけだが…と、リディは帽子を被り直しながら釘をさす。
声色はすっかり責任者のそれである。

「……」
「勝手な事をして君が死んだら、君の機体を直していた者も、君の治療にあたった者も酷く後悔するんだ。肝に銘じろ」
「…すみませんでした」

流石にバツが悪かったか、ケーフィ神父は素直に謝る…が、何か気付いた様に口を開く。

「因みに貴方はどちらを…」
「君の機体の修理も君の身体の手術も私が主導だが？」
「……重ね重ね、すみませんでした…」

食い気味に言われる。顔はニコニコしているが声色で普通に怒っている事が伺えた。これにはあの冷静で毅然とした態度のケーフィ神父も、旗色が悪いと分かりまた謝罪をするしかない。

保守はそんなに早くしなくて良い…（12時間持つ）

そうして車椅子なのもあり更に小さく見えるケーフィ神父が口を開く。

「…では、私が助かったのは」
「はぁ……」

大きめの溜め息をつき、リディは遠い目をする。

「そんなの神職者であり、父親である君が……私みたいなのに聞かないでくれよ…」

参った参った、とでも言いたげに、リディはバインダー片手に頭を掻いた。だが言いたい事は伝わる。つまりは……
アレは「奇跡」で「家族の愛によるものだ」と遠回しにリディは伝えたいらしい。ツンとしたものが強くなる面々は、見えない。

「…本当、私みたいなのに……」

軍帽を深く被りながらそんな事を零すリディの表情を。

いい話なんだけれど闇がチラホラしてる…

リディさん…
過去に何があったんだよ…

ほしゅ

保守

家族の愛かぁ

感動的だなあ

リディさん√は相当な厄ネタのにおいがする

>>1 に書いてある「ほとんどノーマルエンドで1個ヤバいのがあるかなぁ」の「ヤバいの」ってのはひょっとしてリディさん√か……？

ってかみんな幸せなハッピーエンドは存在しないのか……まあしまいにも無かったしな

保守

リディや神父と別れて廊下をAIと共に歩くアリス。その足取りは少しゆっくりとしたものだ。

【アリス…どれ程嫌がっても健診は受けるべきです】
「う……分かってる、けど…」

どうやら本当に嫌なようだ。病院嫌いは確かにあまりよくないかも知れないが、最初の落涙戦や、今回のラトル戦の爆破などを考えるとまだ微笑ましく感じられた。

「なんか病院ってあんまり好きじゃないんだよねぇ…行くけどさぁ…」
【そうしてください】
「はぁい……ふふ」

そうして今度こそ普通に歩き出した。と、思った時である。

「…っ？」

少しだけアリスが額を抑える。AIがすぐにどうかしたか聞くが…

「…なんでもない。多分、ちょっと目にゴミが入っただけ」

そう笑ってまた歩き出した。

「なんかさぁ！？ちょくちょく「よかったなぁ」って話と不穏をサンドイッチすんのやめろよ！！喜んで良いのか不安がるべきか感情がバグるだろ！？」

ネルの言葉に全員が頷いた。

いやでもこのバグる感覚が癖に……って人は出そうだよね

心がジェットコースター

ほしゅ

ほしゅ

また場面はリディとケーフィ神父の方へと戻り、二人は会話している。だが、少しだけリディの顔は険しい。

「歩ける様になるとはいえ……戦線復帰は分からないぞ。何かアテはあるのかい？」

戦線復帰は分からない。
残念と思わないのかと言われれば嘘だが…やはりかと理解している自分達もいる。そんな風にしんみりしている自分達と違って…神父は努めて穏やかに笑っていた。

「そうですね…教官なんてどうでしょう？」
「君の技術を盗めるのなんて、それこそアリス位だろう…？」
「私みたいな戦い方してもらおうなんて思いませんよ……ただ、少しでも、人が死なないでくれるなら良いに決まっているじゃないですか」

「…ただ祈るより、よっぽど良い」

ケーフィ神父の言葉に、リディは少し間を置いて「…なるほどね」と返した。先程までの何処か厳しめな態度や声とは違って、アリスに対しての態度と同じように、柔らかな声だった。

画面が暗くなる。どうやらとうとう2周目のエンドロールが流れるらしかった。

「やっと2週目終わり、か……はぁ〜〜〜…」

大きくネルが息を吐く、皆も大体同じだ。
不思議だ……一周目よりは短く終わっているはずなのに…一周目よりも心身共に疲れている気がしてならない。

「今日、泥の様に寝れる気がする…」
「同意です……」
「一周目とエンドロールに違いありますかね？」
「あるかもね、前は色々情報が抜けてたし」

アスナが言うなら間違いないなぁ…とネルは一度ソファに沈めてた身体を起こして画面を見る。確かエンディングでは登場人物の過去、現在、そして未来みたいな風にイラストが流れて行く感じだった様に思うが…

「最初は……ああ、神父さんでしたね…」
「絶対なんかありますね…」

今回のルートの内容が内容だけにアスナじゃなくても皆確信していた。そして前回と同じように、マリアの車椅子を押す神父のイラストが左に出てきて、真ん中でもマリアの墓参りの構図は変わらない。

ここまで変化が無かろうと次は絶対違う。だって最後の絵は前は機体のマリアを彼が撫でている絵だった。マリアが壊れた今……
そんな風にネル達が身構えていると

「………」

車椅子の手すりらしき所に置かれた機械の右手…その指先に、青い鳥が留まっている。ケーフィ神父の表情は映ってない。
だが、何故かカリンはそれで泣いた。もはやよく分からない理由で泣く。このゲームのせいで涙腺が壊れている気がする……

「マリア……っ」

ネルもちょっとダメだった。なんかもう鳥がマリアの生まれ変わりとかそんな風に思えてしまう。機体の色が青だったのも含めて色んな感情が心臓を締め付けてくるみたいな感覚がする。

「……ん？…え！？」

そしてアカネの驚いた声に顔をあげると

ケーフィッヒ：cv先生

ネルとアスナ以外の皆、予想通り驚いた。実際こうして事実を再確認してネルとアスナもなんともいえない感情が湧いてくる……そしてそのまま、ゆっくりとケーフィ神父の名前の下に寄り添うようにフェードインする形で

マリア：cv伊落マリー

と表示された。
ネルは「まだ他校巻き込んでんのかよ…」と力なく呟くしか出来なかった。

神父といえば教会、教会といえばシスター
マリーの声でお父さんと呼ばれるのは全キヴォトス人の夢だからな

声だけとはいえマリーが悪魔憑きと言われるのもくるものがあるなぁ

悪魔憑きと言われた少女の声をシスターのマリーにやらせたのかモモイ………!?

たった一言「お父さん」と言うだけだからゲスト声優感あるけど…
ある意味その一発がボディブロー並なのよ…

こっちのルート（自爆で一部機械化）入らないとcv出ないのかよ…

>>105

cvコタマだったラトルのことを考えると、もしかして曇らないとcv解放されない…?

cvマリーだったか

マリーはアイドルイベを見る限り、このcvを誰もいないところで顔真っ赤にして大喜びしてそうだけど、どう思う？

>>107

実質先生の家族役

自分の演じたマリアが神父を助けたらしき演出

スタッフロールで名前が相合傘みたいになってる

内心めちゃくちゃ喜んでそうでかわいいと思う

マリーもゲーム貰ってるのかな？
先生の家族役♪でウキウキで始めたら地獄に叩き落とされるってこと？

先生がヒマリとトリニティの生徒によく会いに行ってるって話あったけど、やっぱマリーだったのか。
あと絶対アリスとも頻繁に会ってるよね、というかアリスが物理的に引っ付いてそう。

その後、特に一周目と変化なく、黒ヤモリのアンドロイドやラトルが流れる。しかし

「…あれ？ラトルの所このルートでもcv判明するんだ？」

カリンの言葉に皆が気付く、確かに、前回とは別ルートを取ったがラトルの所は変わらず、そして音瀬コタマの名前が出ている。

「結構…その、死に際がだいぶ変わったと思うのですが……もしかしたらルートごとにドンドン情報が更新されるタイプのエンディングなんでしょうか？」
「もしくは、もっと違うルートがある…とかな」

皆心の中で「絶対ろくでもない…」と思いつつも言霊を恐れて口にはしなかった。

その後も、リディや落涙も変わらないエンディングカードが流れていた。最後はタイトルでもあるロムロ、そして主役のAI、アリスの番である。

やっぱり…ロード時に続きからを選んだから情報が引き継がれてるのかな…？

なんとなくだけどロムロとAIの声優違う気がする
なんとなくだけどね

ふと幻覚が見えたんだが、アリス・クーパーがアイノコの上位互換、或いはより発展した人と機械の調和を目指して生み出された存在だったりしないかな
両親が異様に冷たいのとか、人と生きるのに向いてないみたいな発言の理由が実は「人間の様に成長する機械生命体」だったりしないかな
落涙がアリスを狙うのとか、アリスの暗転描写とかの説明になったりしてな
ライブラのネームド初期設定が天秤で今は調律だろ？
物語進むに連れて人と機械に調和と平和を齎すのがアリスなんじゃないかな
魅力的なキャラ多すぎて巧妙に隠されてるだけで、主人公であるアリスにとんでもない掘り下げがまだあっても不思議じゃないよな

……いや、やっぱ荒唐無稽なこじつけだな！ちょっと大福になってくるわ！

>>115

母親のお腹から生まれた存在じゃないから、両親も愛情を持てない…?

選択次第では片方に傾けきって人間or機械大勝利ルートとか…?

>>115

メタいけど最初のキャラ設定で「人間」だったから普通に人間じゃないかな。

ダイスで決めてたから、そこ変えたりはしないだろうし。

さてどう来るか…と見守っていると軍服のロムロが壁に手をつきながら歩いている場面が右に現れる。右から、というところはラトルや落涙と同じだ、そしてこの演出は一周目とは少し違う。

「確か、前はAIが最初じゃなかったか？」
「そうですね…ああでも、今回のルートだとよくも悪くもロムロさんは最終決戦での出番がなかった分、影が薄かったかもですね…」
「それが理由でしょうか？」

トキの言葉にアカネは首を傾げるしかない。確信が無いので仕方ないだろう。
そして一周目でも見た真ん中で血のこびりついた手に絵になっていて…左では幼いアリスと手を繋いでいるロムロになった。

「……ん？」

そんな移り変わりを見ていたアスナは少しだけ目を細める。

「どうしたアスナ」
「…………ううん、気にしないで」
「めっちゃ気になるじゃねえか……良いけどよ」

自ら辛い話を聞く趣味は少なくとも今のネルにない。そうして、今回もCVは不明のままロムロの番も終わった。

アスナは何に気付いたのか

ほしゅ

ロムロの最後はメイド姿で、一人白背景に立っていた。そして一周目と違って、ロムロの後になったAIの番だが…意外と変わるところはなく、左から四角いあの本体の姿、そして真ん中ではライブラの姿である。

「この後、前だとロムロに移った訳だけど…」

そうして見守っていると、右の場面にてアリスが今回のエンディングムービーの時の様にAIの本体を持って右へと歩いていた。
普通に平和で力が抜けて大きく息を吐いた。

「なるほどな…今回はロムロとじゃなくてAIとなのか……」

疑問はあれど、納得はいった。そんな風にネルが頷く。
アリスのcvに、前と同じように、【天童アリス】と出てきて……そして、その次の表示にネル達は目を向いた。



AI：cv元【天童アリス】


「な、は、はぁああああ！？どっちもチビなのかよ！？！？」
「アリスの情緒大丈夫ですかソレ！？」

ネルとトキは同時に声を上げた。編集や加工のせいでAIの方までアリスがしていたとは思わなかったのだ。アスナも驚いているし、カリン達も開いた方が塞がらない様子だ。
まさかの一人二役ダブル主演とかいう無茶を敢行したアリスに、畏怖とも…敬意ともつかない感情を抱いた。

ケイ…

これは驚き

元？

流石に編集加工してるか、実際にケイのような声で演技したかと思ったが…
何にせよ前作でモモイは頑張ったように、今回はアリスは頑張ったんだね

この世界線のアリスってモモイゲーの影響で精神的に成長してそう

元ってところから Voiceroid: AIリス を幻視した
アリスの声で世界ランクとか言ってほしい

元ってことは加工なのか切り貼りしたのかとにかく原型は残してなさそうだな　収録時間だけですんごい世界に入り込んでそう

AIっぽさを出すために、あえてアリスの音声データを基にして作った合成音声で喋らせてたんじゃね。
コタマの作業量エグいな。

そのまま真っ白な背景に黒文字のシンプルな［Romro］の表記が現れて、ネル達はやや警戒する。前回のラスト…この後少しホラーな演出があったのを覚えているからだ。

…だが、思ったようなものはなかった。

地面に落ちている見覚えのある十字架を、小さな鳥がつつき、やがて飽きたように空に飛び立っていく映像だ。
拍子抜けしているネル達など知らず、画面には［ED.I wish you happiness］と今回のエンディング名が出ているだけだった。

「…貴方の幸せを祈る、ですか」
「前のは「貴方は幸せですか？」でしたね」
「パッと思う印象としては……最初のは落涙から主人公へ、今回のは娘のマリアから父の神父さんへ…って感じがする…」

正解は分からないが、念の為今後はエンディング名も覚えておいた方が良さそうだ。
何はともあれ2週目クリア。
ネル達は崩れる様に各自の毛布を手に取りソファや近くの仮眠ベッドに沈む。

「仮眠取ろうぜ……30分でどうだ？」
「もう少し…せめて1時間……」
「…その後は……紅茶と共にお菓子でも食べながらまた感想会しますか…」

とても力が抜けた「賛成」という声が複数返ってきてネル達は一旦休む事にした。普通に今回のルートのダメージが大き過ぎて、とてもじゃないが一回寝ないとやってられない。
明日も任務があるのに、これだと恐らく支障をきたすから絶対に必要な処置だ。

そうしてC&Cの部室にて、ちょっと魘されたり、静か過ぎて心配する程深く寝てたりする大福が数個転がった。