この日は仕事を早く上がれた。
ロッカー室で洋服を着替えた後、
ドアを開けると喫煙所から帰ってきたきみと偶然目が合った。
きみは、はっという顔をしてから
私をじっと見て、
腕輪は?
腕輪???
Apple Watchは?(笑)
私はAndroidだからつけてないですよ。 苦笑
きっと
年末の忘年会で当たったApple Watchのことだろう。
私が当たったってこと、〇〇室の彼女からも聞いたから聞いてきたんだろうな。
きみはそのまま〇〇室へ向かっていたので、
私は靴を履きかえドアを出た。
連絡がこなければ、私からも連絡しない。
そう決めて、駅の方に向かって歩いているとスマホが震えた。
見ると君からの通知
送りますよ‼︎
というものだった。
疲れてないですか?
うん、大丈夫‼︎
という返信。
じゃ
いつもの場所の奥の方に向かいますね?
と連絡を入れ、そこで合流した。
車に乗ると、
三角形の革の小物ケースを渡された。
開けると、そこにはSDカード。
これ、
こないだ言ってた竹内まりやのQuiet Lifeとおまけ6曲。
わぁ、
ありがとう!!!
その後は、お互いに年末年始の休みのお話。
紅白のB'zのアクシデントの話とか。
弟くんがB'zのファンで
自分はそこまでファンではないけど
今回の演出は
おぉっ
ってなったらしい。
そのまま、いつものようにきみに運転を任せていた。
いつもお話や仲良しなことするときに向かう
神社の駐車場方面ではない方に向かったから
本当にただ送ってくれるだけなんだな、
と感じながら。
が、途中からいつもと違う景色になった。
でも君は道を知っているから、
わざとなのかと思って、そのまま前を見つめていた。
すると
道が突き当たりになって
ん?
って思ってきみを見ると
思った道ではなかった、間違えちゃったみたい、と。
右左、
どっちに行く?って話になって、
本当はどこに行きたいの?って聞くと、
本当はいつもの道に戻ろうと思ったんだけど💦
というので
右に行くとうちの方、
左に行くと前によく行った体育館の駐車場の方に行くよって話をしたら
どっちにする?ってなり
時間はあるの?
今日はまだ早いよね? 大丈夫だよ☺️
じゃあ前によく行った大きな球場の駐車場の方に行こうとなり、向かうことになった。
駐車場に到着して、
聞いてもいい? 大したことじゃないんだけど、
って言ったけど、きみはちょっと欠伸をして疲れてそうだったから
やっぱりいいや、
と思い聞くのやめようかと思いつつ
でもやっぱり聞こうと思って、
なんで奥さんのことを否定するようなことを言ってくるのに、
私が否定をすると言い返してくるの?
すごく嫌な気持ちになるんだけど。
と伝えた。
すると
誰かが誰かを否定してると、否定されている人を庇いたくなるじゃない。
たとえば
仕事でもクライアントが今までお世話になってた人を否定したとき、
その否定された側を庇ってしまう、そうゆう感じなんだと思う。
だから
たぶん、そうゆう感じなんじゃないかな?
それとはちょっと違‥‥くない?
だから
イメージとして、そんな感じというか
そう。。
納得いかないけど
ここで突っ込んで口論しても
何のメリットもない。
だから流した。
お正月、夫くんがドライブ連れてってくれたこと
そのせいで、最近腰痛がひどいことを話した。
それはシートが合ってないんだよ、
俺もこの車のシートは腰が痛くなる(他界した父親の高級外車)
家族で乗る(外車)はずっと運転してても痛くないんだけど
腰痛あるならシート、温かくするよ?
と言ってくれたけど
カイロ貼ってるから大丈夫
って答えた
でも
シートを温かくするボタンを押してくれた。
夫くんが
購入した車のことを大好きな様子の話をすると
俺も
年始にひとりでMONKEYに乗って色々走ったよ。
まだまだ知らない道、色々あって楽しかった☺️
そうなんだ
カブにも乗って走ったよ
?奥さんとツーリング?
違うよ
エンジンかけないと動かなくなっちゃうでしょ
だから
乗って走ったの
なんか
話を聴きながら
違和感感じた
たぶん
本当は2人でツーリングでもしたんじゃないかな
だけど
2人で会ってる時にまた変な空気にするのも嫌だし
竹内まりやのSDカード作ってくれたことを思い出しては
聞き流すことにした
そこから
ヘルメットの話になって
カブトっていうやつの、
エクシードツー
っていうのが良いらしくて
こっちの〇〇ってお店で買ったんだ
といって、ネットで検索、見せて貰った。
風切る音も静かで
ピンロックっていうのつけるとさ
本当に曇らないし、いいよ、このヘルメット!
って目をキラキラして言う。
時計を見ると
そろそろいつも別れるくらいの時刻になりつつある
運転席のきみの手に手を重ねてきみを見つめる
きみはどこか嬉しそうに私を見た
2重マスクのわたし。
きみに顔を近づけたけれど
かすれた声になった私は風邪かもしれない
うつしたら悪いから、と言った。
きみは
大丈夫だよ
と言ってキスをした
軽く唇を舐めるキス
しばらくして
唇が離れ
またくっつく
そして
ゆっくり舌を絡めるキス
きみがスイッチ入ったように見えた
まだ少し時間ある?
うん、ある
後ろ行く?
うん
そして
きみは運転席と助手席のあいだから
後部座席へ移動する
わたしも同じように後部座席へ。
久しぶりのきみのにおい
好き
と言って続きが始まった。