法の下の平等を定めた憲法14条が昨年、注目を集めました。この条文を物語の軸として、反響を呼んだNHKの連続テレビ小説「虎に翼」です。戦前から戦後が舞台のドラマは、現代に対する問いかけでもありました。誰も差別されず、一人一人が尊重される社会へのヒントを、同作を手がけた脚本家・小説家の吉田恵里香さんと、元厚生労働事務次官の村木厚子さんが語り合いました。
よしだ・えりか 1987年、神奈川県生まれ。日大卒。脚本作品は、映画「ヒロイン失格」、ドラマ「30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい」、アニメ「ぼっち・ざ・ろっく!」など。2022年放送のNHKよるドラ「恋せぬふたり」で第40回向田邦子賞受賞。小説は『脳漿炸裂(のうしょうさくれつ)ガール』シリーズなどがある。
むらき・あつこ 1955年、高知県生まれ。高知大卒業後、78年に労働省(現・厚生労働省)入省。2009年の郵便不正事件で逮捕・起訴されるも10年に無罪確定。13~15年、厚生労働事務次官を務め、退官。生きづらさを抱える若年女性や累犯障害者などの支援に取り組む。著書に『日本型組織の病を考える』『あきらめない』などがある。
■性善説でも性悪説でもない「性弱説」とは?
村木 「虎に翼」で主人公のモデルになった三淵嘉子さんは、私が労働省で働いていたころ、男女雇用機会均等法ができる前の男女平等問題専門家会議で座長をされていたんです。この専門家会議の報告書は、われわれが均等法や女性労働問題をやる時のバイブルのようなものなんですよ。その歴史をつくってきた人がモデルなので、ドラマを見始めたんです。
吉田 私の中で三淵さんは、物語においての一人の女性という見方が強かったので、三淵さんがつくったものが続いて今があるんだ、と感動しました。
村木 均等法で平等にするなら、労働基準法で女性が保護されている部分を外さなければいけない。大反対もあったんですよ。まだ環境が整っていない、とか。
吉田 実際の境遇と理想とのギャップを今でもすごく感じています。私は理想主義者なので、メッセージが理想的になりがち。でも、逼迫(ひっぱく)してる当事者にとっては絵空事に聞こえちゃうだろうなと、物語を書くときに考えてしまう。どうしたらいいですか。...
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