放送内容
- #家しんどい 〜家族の悩み ゆったり語ろう〜
- 1.年末年始を前に「家しんどい」を語り合おう
- 2.“幸せな家庭”だけど・・・
- 3.家族だから、期待を捨てきれない
- 4.受け入れられないことから、自分を否定してしまう
- 5.若者の居場所「サンカクキチ」
- 6.相談できない苦しさ
- 7.いろんな「手札」を持ってみよう
#家しんどい 〜家族の悩み ゆったり語ろう〜
「家にいるとつらい、逃げたい…」と悩んでいるのに、「生んでくれた親だし」「自分が家族を壊してしまうかも」「これが当たり前」「自分が悪いだけ」と自分の気持ちに蓋をしてしまう若者たち。家族イベントが増える年末年始を前に、番組に寄せられた10~20代の声や体験談を紹介しながら、気持ちをみんなで共有し合います。
1.年末年始を前に「家しんどい」を語り合おう
左から、ぐんぴぃさん、奥村さん、莉犬さん
ぐんぴぃさん:
「どうも。『春とヒコーキ』のぐんぴぃです」
莉犬さん:
「2.5次元アイドルグループ『すとぷり』の赤色担当・莉犬(りいぬ)です」
奥村さん:
「家庭環境に悩む若者をサポートしている『NPO法人 第3の家族』代表の奥村春香(おくむら・はるか)です」
ぐんぴぃさん:
「というわけで、なかなか異色なメンバーがそろっております。この3人、共通点がありまして、3人とも『家しんど……』と思ったことがある」
莉犬さん:
「ありますね。それぞれ、よみがえってくるものがありますよね」
ぐんぴぃさん:お笑いコンビ『春とヒコーキ』として活動。家族との関係について語る動画を公開している
ぐんぴぃさん:
「僕とかは、父親が昭和の頑固親父で、怒ると手が出ちゃうタイプだったんですよ。ちゃぶ台をバーンと返して、最終的に金属バットを持って追いかけられる、『うぉーっ』みたいなのがあって」
莉犬さん:動画配信サイトを中心に活動するアイドルグループ『すとぷり』のメンバー
莉犬さん:
「自分は、家庭の仲が悪かったというか、けんかが多くて。母親が心を病んでしまったりとかして、自分がケアをしていたという感じだったので、家はしんどかったですね」
ぐんぴぃさん:
「今だから言えるけど、そうですよね」
奥村春香さん:NPO法人 第3の家族の代表。家庭に悩む若者向けのWEBサービスを提供している
奥村さん:
「私の場合は教育が厳しい家庭で、『この大学に行きなさい』と言われるようなことがあるなかで、弟が亡くなっちゃったっていうこととかもあって。今は、この『家でのしんどさ』に向き合いたいなと思って、活動してます」
ぐんぴぃさん:
「年末年始、家族で集まるイベントが多いじゃないですか。にぎやかなイベントも増えて、みんな楽しそうななか、『なんか心から楽しめないな』という人もいるんじゃないかと思います。この番組は、そんな息苦しさをちょっとでも吐き出せるような場所になれたらと思っています」
2.“幸せな家庭”だけど・・・
ぐんぴぃさん: 「では、番組に寄せられた投稿をご紹介しましょう。おとはさん、10代です」
おとはさん/10代 『私の家庭は特別虐待などがあったり、愛されないようなことはない、とても幸せな家庭です。それでも私にとっては苦しい家庭です。
母は何か自分が思っていたことと違うことを言われたり、何か間違った行動をすると、すぐにどなり、物を叩きます。父はそんなヒステリックな母と仕事のストレスで、母がいないときはよく壁や物を殴ります。母が怒る、父がイラつく、姉が暴言を言う、母が怒る、の無限ループ。怖くて仕方がありません。
でも、そんなこと言えないから、毎日作り笑いをして家の空気を和ませ、間違ったことを言わないように、言動すべてに気を張って機嫌をとっています』
ぐんぴぃさん:
「こういう不安とかストレスって、少しずつたまっていきますよね」
奥村さん:
「おとはさんが『幸せな家庭』と言っているところに、この問題の難しさを感じます。自分で『家庭の問題があります』と客観的に捉えるのは難しいよなって」
ぐんぴぃさん:
「言えないですよね。それを認めてしまったら、俺はもっと落ちていってしまう気がするって思ってましたし」
莉犬さん:
「『気付いたらもう終わり』というか、そういう感覚はありますよね」
ぐんぴぃさん:
「子どもって、親がけんかしているの、しんどいじゃないですか。嫌だったでしょ。でも親とか大人って『俺のけんかで子どもが傷ついている』ということに、たぶん気付いてないんですよね」
奥村さん:
「幼少の頃からずっとけんかしていたら、それが当たり前になっているかもしれないですもんね」
莉犬さん:
「『親の機嫌を伺う』ってことが、自分と当てはまるところがあって。お兄ちゃんとお母さんがすごいけんかをするので、小さい頃にそれを和まそうと思って、ベッドの上で『ヘイッ!ヘイッ!』って踊ってたんですよ。そうしたら『静かにしなさい』って怒られて、『すみません』となったことを、今思い出しましたね。
気を遣うことに慣れちゃうからこそ、怒っている人とかを見ると、フラッシュバックしちゃって怖くなっちゃうのかなと思います」
奥村さん:
「文章だけじゃ判断はできないんですけど、この環境は虐待に当てはまるかもしれません。積もり積もって積み重なってくると、しんどさっていうのは重くなっちゃって、身動きできないくらいになっちゃう。そんなときもあるのかなと、ちょっと不安に感じるところがありますね」
3.家族だから、期待を捨てきれない
奥村さん:
「続いての投稿は、神奈川県のなちゃさん10代の方です」
なちゃさん/10代
『私の両親はいわゆる毒親です。ですが虐待やネグレクトなどの分かりやすい毒親ではなく、分かりにくい毒親だと思います。今は変わりましたが、父は人が変わるようにどなる人でした。けど、何もなければ、いい父なんです。母は、そんな父を見て見ぬふりをしていて、私は小学生のときから精神科に通っていて、それは今もです。何か意見を言っても否定されるし、両親の顔色ばかり伺って生きてきたから、言いたいことが言えないです。
私は両親のことが好きなのに嫌いです。常に嫌いなわけではないから、嫌いになりきれないんだと思います。けどそれが逆につらいです。嫌いになりきれたらいいのにって思います』
奥村さん:
「これもまた難しいですね。一度怒られたり嫌なことがあったりすると、その記憶は残りますからね」
莉犬さん:
「親って、生まれたときからずっと一緒にいるので、期待を捨てきれないというか、好きな気持ちがどこかに絶対残っちゃうものですよね」
ぐんぴぃさん:
「そうですね。この父親のことも、『育ててくれているのに嫌いになるなんて薄情なんじゃないか』とか、『周りはみんな仲良くやっているのに、自分は冷たい人間なんじゃないか』なんて、思うかもしれないですし」
奥村さん:
「『ごはんはくれているしな』とか『新しい服を買ってきてくれた』とか、完全に見捨てられているわけじゃないからこそ、しんどいところもあったり。あとは、例えば、これがいじめとか会社やバイト先でモラハラを受けたとかだったら……」
ぐんぴぃさん:
「バックレるなあ」
奥村さん:
「そうですよね、いなくなりますよね。それがまた違う。家族だからって」
ぐんぴぃさん:
「家族ってバックレられないもんな。うーん」
― オンライン観覧者の声 ―
タブレットにあがっているオンライン観覧者のコメントを紹介するぐんぴぃさん
ぐんぴぃさん:
「オンライン観覧で参加してくれている皆さんの声も紹介したいと思います。きりかさんのコメントです。これは、たぶん親との関係の話だと思うんですけど」
きりかさん
『アメとムチがいい具合に均衡を保ってしまうと、嫌なことをされた経験のあと、それと同等なほどに優しくされると、された嫌なことが少しずつ薄れていくんですよね』
奥村さん:
「なんかマヒしますよね。『優しいの?嫌いなの?どっちなの?』って」
ぐんぴぃさん:
「それに踊らされてきたなって気もするし、それ自体が実はよくなかったりしますよね。分かるなぁ」
奥村さん:
「こちらは、すいねさんのコメントです」
すいねさん
『私も父が暴力や暴言を吐く人ですが、家の外ではいい人でいるので、周りに相談しても『いいお父さんなのに』と言われたことが何度かあります』
ぐんぴぃさん:
「これがいちばん怖い。家では怖い父親が、友達とかに『お前んちの父ちゃんおもしろいよな』って言われたときの、『おもしろい、そうか……』っていう、あの絶望。『変わった人だよね』ぐらいのとき、ありますよね」
奥村さん:
「友達から見たらいい親に見えてるから、私が思い込みすぎなのか、みたいな。そこもマヒしちゃうというか、よく分からない考えで、ぐるぐる頭が回っちゃいますね」
4.受け入れられないことから、自分を否定してしまう
ぐんぴぃさん: 「続いて、家族に自分を受け入れてもらえないことで自分を否定してしまうという声も寄せられています」
莉犬さん: 「千葉県、ごろみさん20代の方からです」
ごろみさん/20代 『同じ両親から生まれたはずなのに、親は弟に優しい。特に一家の方針を決める母が優しい。私のときは逃げたくても逃げられず、たくさん暴言を吐かれ、叩かれたはずの行為が、弟なら許されることが許せない。だからといって、弟を責めることは見当違いだと思ってはいる。弟は嫌われるために生まれてきたわけではないと分かってはいるが、その無邪気さが私に降りかかってきたとき、私は到底許せなくなる。私が姉でなかったら、私がこの家庭でなかったら、と思いながら生きている』
莉犬さん: 「ごろみさんは弟を責めないように、一生懸命自分をとどめているのが伝わりますね。そうすると、自分に非があるんじゃないかと思ってしまったりとか」
ぐんぴぃさん: 「自責に向かっちゃうかもしれない」
莉犬さん: 「自分は、兄がいるんですけど、塾サボってゲームセンター行っちゃうタイプだったんです。で、親は『あなたはできて当然だよね、お兄ちゃんとは違って』っていう感じだったんですよね」
ぐんぴぃさん: 「ああ、そのパターンか。『あんなお兄ちゃんみたいにならないでよね、あなたには期待してるよ』と」
莉犬さん: 「ただ、結局かわいがられるのはお兄ちゃんだった、っていうのがありますね」
奥村さん: 「親からもなかなか見てもらえないし、自分が弱いからとか、自分に才能がないから、見てもらえないんだっていう、自責になっちゃいますよね」
ぐんぴぃさん・莉犬さん: 「そんなことないよ!」
莉犬さん: 「そしてもう一つ、千葉県10代、心が叫びたがってるんだ。さんからのお便りです」
心が叫びたがってるんだ。さん 『俺は性同一性障害。でもそんなこと家族は分かってなんかくれなくて、気持ち悪いって言われたり、バカだと決めつけられたり。早く死にたい。こんな環境、家なんかに生まれたくなかった。もし恵まれた環境だったら、どんなに幸せだったのか考えてしまう自分が憎くてたまらないです』
莉犬さん: 「性の悩みって、どう頑張っても解決できない問題もやっぱりあると思うんですよ。そのなかでどう向き合っていかなきゃいけないのかとか、一種、諦めとの向き合いなのかなと思っていて」
ぐんぴぃさん: 「諦めとの向き合い。そうね、でも諦められないときもあるんだよな。これが僕なんだっていうのを分かってもらうのを諦めるなのか、いろんな諦めと戦い方ですよね」
莉犬さん: 「どう生きていくかみたいな感じで、家族ともそうなのかなとも思っていて。すべてがうまくいくとは限らないじゃないですか。だから家族って、家族ではあるけど他人でもあるからこそ、すべてを受け入れてもらえると思ったら心がしんどくなってしまうと思うんですよね」
奥村さん: 「例えば親がLGBTのことに関して何か理解がなかったとしても、そもそもまだ社会全体もそこを許容できるような基盤がなかなかできてなかったりだとか、親が100%悪いとも言い切れないのが難しいですね。でも、このしんどい気持ちは誰が責任を持つ? 誰が対処してくれるんだ? みたいな」
ぐんぴぃさん: 「『誰が悪いんだ! お前か!』ってね、思っちゃいますよね」
奥村さん: 「自分と家族をちょっと離して考えてみる、線を引いてみることで、ちょっと楽になることもあるかもしれないですね」
ぐんぴぃさん: 「そうですね。家族は「たまたま一緒にいる人」ですからね。 続いてもう一通、にいなさん、大阪府にお住まいですね」
にいなさん/20代 『私は今22歳。いや、自分の意思で生き始めたのは、2年間かもしれない。
私の家は勉強面においては、ものすごく厳しい家庭だった。当時の私は学校の中では成績優秀、スポーツも優秀、自分に自信しかなかった。中学生になると、私よりも頭がいい子はたくさんいることを知った。
中学生のころに成績が下がると、母親から殴る蹴るの暴力や、「あんたなんか生まれてこうへんかったらよかったのに」などと言われた。その瞬間、私の世界は真っ暗になった。大人が怖くなった』
ぐんぴぃさん: 「うーん、なるほどね。いやなこと言われてるなぁ。今、にいなさんと電話がつながっていますので、直接お話を伺ってみたいと思います。どうも、ぐんぴぃです。こんばんは」
にいなさん: 「こんばんは」
投稿者のにいなさんと電話をつなぎ、話を聞く出演者3名
ぐんぴぃさん: 「今、投稿を読ませてもらったんですけど、けっこう親御さんが教育に厳しかったんですかね」
にいなさん: 「はい、そうです」
ぐんぴぃさん: 「いつから厳しかったんですか」
にいなさん: 「もう3歳のころからですね」
ぐんぴぃさん: 「3歳のころから」
奥村さん: 「私も『生まなきゃよかった』みたいなことを言われたことがあって。当時は、それこそ私も頭が真っ白になる、『どういうこと?』みたいな」
ぐんぴぃさん: 「しんどいっすよね」
にいなさん: 「はい、そうですね。子どもを産むという行為に、もっと責任を持ってほしいと感じています。自分で産んでおいて、『生まれてこなかったらよかったのに』なんて、ものすごく無責任な話だと思うんですよね」
ぐんぴぃさん: 「うん、むかつくよな。そうっすよね。『お前が産んだんだろ!』ですよね」
にいなさん: 「私は大人は汚れているものだと思って生きていたんですけど、私が施設で保護してもらったときに、今でも覚えているんですけど、『家族がトイレに行った隙に通帳と財布と私だけで逃げて』って、家の近くまで車で迎えに来てくださった方がいて。そのときに、汚れてなくていい大人もいるもんだなということを感じました」
奥村さん: 「本当にそう。よかった。後押ししてくれる人がいて本当によかったなって」
莉犬さん: 「誰かに期待をすることって、裏切られたときに傷ついちゃうじゃないですか。それを諦めずに一歩踏み出してみようって思えたことがすごくすてきだったし、その後の人生を変えたのかなと思っていて、すごい素敵だなと思います」
にいなさん: 「ありがとうございます」
ぐんぴぃさん: 「にいなさん、直接話してくれてありがとうございました」
にいなさん: 「ありがとうございました」
― オンライン観覧者の声 ―
タブレットにあがっているオンライン観覧者のコメントを紹介する莉犬さん
莉犬さん: 「オンライン観覧の方からのコメントです」
すいねさん 『信じられる大人って大切ですよね。私も児童相談所に保護された際にお世話になった方のおかげで、つらいとき誰かに助けを求めたいと思えるようになりました』
宇宙カツオドリさん 『今まで大人は自分を傷つけてくる存在と思っているなかで、尊敬できる大人と出会えると人生はガラッと変わることがありますよね。自分のなかの大人像が塗り替えられることの重要性を感じます』
ぐんぴぃさん: 「信じられる大人になりたいなぁ」
莉犬さん: 「なりたいですね」
5.若者の居場所「サンカクキチ」
ぐんぴぃさん:
「ここで、ひとつビデオ通話でつなぎたいところがあります。若者向けに居場所を開いていて、年末年始も休まずオープンしているらしいです。どうも!」
NPO法人サンカクシャ代表の荒井佑介さん
荒井さん:
「NPO法人 サンカクシャの荒井佑介(あらい・ゆうすけ)と申します。お願いします」
ぐんぴぃさん:
「お願いします。若者の居場所支援というのは、どういうことをされてるんですか」
荒井さん:
「私たちは、東京・豊島区にあるサンカクキチという場所で、15歳から25歳くらいまでの若者で、あんまり家にいたくないような子や、親を頼れないような子がくつろげる場所を無償で提供しています。若者の住まいの支援と仕事のサポートなども行っています」
ぐんぴぃさん:
「へー、すごい。場所を無償で提供しているんですね」
荒井さん:
「はい、ごはんも無償で提供しています」
ぐんぴぃさん:
「ごはんも無償ですか!?いま映ってますけど、どういう部屋なんですか?」
サンカクキチのリビング
荒井さん:
「ちょっと案内しますね。ここがリビングで、こんな形で若者がゲームしたり、一緒にごはん食べたりしている場です」
8台のゲーミングPCが並ぶ部屋
荒井さん:
「ここがいちばん盛り上がっている部屋で、ゲーミングPCを8台ぐらい置いています。ここでみんながひたすらオンラインゲームができたりする場所になっていて、私もさっきここでゲームしていました」
莉犬さん:
「めちゃくちゃいいですね」
荒井さん:
「ちょっと一人いるので、紹介します」
利用者:
「こんにちは」
ぐんぴぃさん:
「こんにちは!このサンカクキチを利用したきっかけって何だったんですか?」
利用者:
「僕は家庭環境が複雑で、いわゆる虐待とか、すごい苦労していたんですけど。おととしにこっちに家出してきて、自分的に不安だったんですが、調べたらよさそうで、来てみてすごい温かい場所だったんで、本当にここにつながれてよかったなと思います」
荒井さん:
「本当か?(笑)」
利用者:
「本当の家族だね」
ぐんぴぃさん:
「温けぇなぁ。ありがとうございました!荒井さん、うれしいでしょ、これ。すごいことだよ。
あとびっくりしたのが、年末年始も休まずやってらっしゃるっていうことなんですけど」
荒井さん:
「今年も開催します。年末、実家に帰る場所がないような若者だとか、集っているのがしんどい若者もたくさんいるので。さっきの彼も2年前の年始につながった若者です。年末は相談も増えますし、居場所のニーズもすごく高まります」
ぐんぴぃさん:
「なるほどなぁ。ありがとうございました」
荒井さん:
「ありがとうございました。遊びに来てください!」
ぐんぴぃさん:
「年末年始もやってるの、めっちゃいいな」
莉犬さん:
「いいですね」
ぐんぴぃさん:
「お正月とかね、やっぱこの家の居づらさが、ふだんより増す感じないですか?」
莉犬さん:
「ありますね」
奥村さん:
「友達とかもみんな帰っちゃったり、いなかったり」
ぐんぴぃさん:
「店も閉まってるし。確かに、居場所あったらよかったなと思うもんな」
奥村さん:
「年末年始は閉まっているところのほうが多いので、本当にもう緊急事態、命に危険があるときは、警察とか児童相談所とか救急車とか、迷わずに電話してほしい。そして、それを知っておいてほしいと思います」
【24時間子供SOSダイヤル 電話:0120-0-78310 (年中無休・通話料無料)
国(文部科学省)が運営していて、自動的に住んでいる地域の相談機関につながります】
6.相談できない苦しさ
ぐんぴぃさん:
「とは言っても、相談できたら苦労しないよっていうね。家の話って相談しづらいこともありますよね」
莉犬さん:
「こういう声もいただいてます。東京都10代の小学生さん。」
小学生さん/10代
『私が家にいて少しでもミスをしたら「お母さんバカな子嫌いだから」って言われるし、弟が算数の問題を間違ったら「なんでこんなバカなの? あんたなんて生きている意味ないんだよ、死ねよ」って言う。周りの子は親の話をニコニコと楽しそうに話す。でも私は思い出すだけでヘドが出る。やっぱ家庭が違うなって思った。学校でつらければ相談するよう言われた。昔、家出を考えたけど、やっぱ難しくて諦めた。相談なんてやっぱできないよ。だから周りにこのことをバレずに頑張って隠そうと思ったよ。家で何も起きないのがベストだけど』
奥村さん:
「さっき私、相談しましょうみたいなこと言っちゃったんですけど、私も相談できない若者だったので、その気持ちはすごく分かります」
莉犬さん:
「他人の家庭と比較してしまったりとか、そのことによって自分にとっての当たり前だったことが崩れてしまう瞬間っていうのは、くるものがありますよね」
ぐんぴぃさん:
「僕とかは、『昨日も親父にボコボコに殴られちゃってさ。金属バット持って親父が走って回るから俺も逃げて、トムとジェリーみたいだったんだよ』のような話を学校でしたら、すごくウケて」
莉犬さん:
「助けを求めたくて、わざと笑い話にして話すときもあったんじゃないかなっていうのは」
ぐんぴぃさん:
「あったっすよ。めっちゃありましたよ。それで僕、芸人になってるんですけどね。なんか防衛で芸人になったなと思っているんですよ。つらいことを、ウケりゃまだ頑張れるかっていうので、なってきてはいるんですけど。気づいてくれ、助けてくれっていうのはあったかもしれないですね」
奥村さん:
「公的なしっかりとした支援を使うとなると、親の介入があったりするので、そこで『家族が壊れちゃったらどうしよう』とか、逆に『帰ったら親が殴ってきたらどうしよう』とか、不安なイメージもあったりして、なかなか助かるビジョンが見えないから、相談できないところがあるのかなって思いますね」
ぐんぴぃさん:
「そうですね、助かるビジョンなかったわ」
7.いろんな「手札」を持ってみよう
奥村さん:
「実は私、持ってきたものがありまして」
NPO法人第3の家族がサイト【nigeruno】で公開している「あなたの手札」
ぐんぴぃさん:
「何ですかそれ、カードゲームですか」
奥村さん:
「これは家庭環境に悩む子たちに役立つ『手札』と言っています。いろんな手札があって、かつ、それにはできることできないこととか、メリットデメリットいろいろあるっていうのを解説しています。ちょっと並べていきますね」
莉犬さん:
「すごいいっぱいありますね」
ぐんぴぃさん:
「『留学』『推し活』……。『推し活』、確かにね。救われるときもあります。『自分の意見を言う』『児童相談所』『親の友達』、いろいろあります」
奥村さん:
「ぐんぴぃさんはどれですか?」
ぐんぴぃさん:
「えー、なんだろうな。これかな、『図書館』かな。僕は家出したことがあるんですね。松本清張記念館という図書館があるんですけど、松本清張の本が全部あるとこ。親父とけんかしたあとに、そこに逃げ込んで、とりあえず本読むかって思って、松本清張の本を一から読んだんです。なんか家出って、非行少年になっちゃったみたいな気持ちもあったんですけど、でも俺、図書館で、なんかかっこいい本読んでるしって気持ちもあって、なんかちょうどよくなりながら、救われたなと思うんですよね」
莉犬さん:
「それでいったら自分もありますね。自分は『歌』でしたね。いろんな曲があるじゃないですか、世の中には。共感する歌って必ずあるんですよ。それで一人じゃないって思えたりとか、さみしいときに聴きたくなる曲、もしくは元気になりたいときに聴きたい曲っていっぱいあると思っていて。それにワンチャンね、みんなそれを作詞したりして、それがいつか歌になるかもしれないですからね」
ぐんぴぃさん:
「うわぁ、夢あるなぁ」
莉犬さん:
「ぐんぴぃさんと一緒で、つらかった過去とかをつらかったままにしておかないように消化することも、大事なのかなと思います」
奥村さん:
「すぐに使えなくても、知っていること、情報も一つの武器になるかなって思います。持っているだけでも、『いつかこれを使うぞ』というのが、救いになるかもしれない。合う合わないとか、運もあったりはするから、いろんな依存先を作る。いろんな手札を持っていてほしいなって思います」
― オンライン観覧者の声 ―
ぐんぴぃさん:
「オンライン観覧の方からも、手札のコメントが来てますね」
『バイトという手札を選びます。バイトをして貯金を始めたことで、経済的にはいつでも家を出られる状態になったこと。バイト中は家にいなくて済むので、精神の安定につながっていました』
ぐんぴぃさん:
「バイトはめっちゃいい」
莉犬さん:
「貯金額が増えるごとに、『もうちょっとだ、もうちょっとだ』ってなりますよね」
ぐんぴぃさん:
「強くなった気するよな」
『私は神社で巫女バイトがいちばんよかったです。年末年始という行事が昔からしんどくて、お金も稼げて、家にいない口実をつくれるからです』
ぐんぴぃさん:
「これは、いいバイトを教えてくれた。年末年始という行事から逃げることもできるし、お金を稼げるし。家にない口実を作れる完璧な手札かもしれません!」
ぐんぴぃさん:
「さぁ、あっという間にお別れのお時間でございます」
奥村さん:
「今の状況を何とかする解決策がスパッとあるわけではないけど、どこかに自分の居場所はあると思うので、何とか、なんだかんだで生き抜いてほしいと思いました」
ぐんぴぃさん:
「『なんだかんだで生き抜く』。いいなぁ」
莉犬さん:
「こうやって、いろんな人が発信していくごとに、一人じゃないと思える人も増えていくのかな。これを見ている方も、自分は一人じゃないんだってことを気付いてもらえたらなと思います」
ぐんぴぃさん:
「そうですね。そして、今日ご紹介しきれなかった声は、ハートネットTVのウェブサイトに掲載されていますので、そちらもぜひ見てみてください。声を上げてくれてありがとう!」
莉犬さん、奥村さん:
「ありがとう!」
※この記事はハートネットTV:『#家しんどい 〜家族の悩み ゆったり語ろう〜』(初回放送日:2024年12月24日)を基に作成しました。
「家がしんどい」と感じている方の声は、下記のページに掲載しています。