あけましておめでとうございます。
元日からyoutubeで劇場版『仮面ライダービルド Be The One』の
ビジュアルコメンタリーが公開中なので、
地方番組のディレクターとして、北九州ロケの密着取材の思い出と
主演 犬飼貴丈さん&赤楚衛二さんの2人に
インタビューした時の印象を綴りたいと思います。
コメンタリーでも話がありましたが
この作品の大部分を北九州市で撮影されています。
特に話題になったのは、北九州市役所前を道を封鎖して行われた
約3000人のエキストラを集めた、敵役・勝村政信さんの演説シーン。
当時担当していた番組で、密着取材をすることになった。
内情を言ってしまうと、
劇中で、演説を取材に来たマスコミたちを演出するために
系列局に中継車を貸し出しが要請されたのだ。
東映側としては、主演2人の独占インタビューと
番組出演者のチョイ役出演が交換条件として提示された。
先方としては、最高のカードを切ってきた訳だが…
地方局の番組担当者は関心が薄かったらしく
どこも手を挙げなかった。
困り果てた地方局窓口担当者は、
私が仮面ライダー好きなのを知っていたので、
相談してきたという次第です。
映画『仮面ライダー555 パラダイス・ロスト』で
1万人規模のエキストラロケを行ったのを知っているので
個人的には、非常に興味深い!
とは言え、
普段はグルメや温泉などを紹介している
平日午前中に放送している高齢者向けの地方情報番組である。
いくら主演俳優でも当時はほぼ無名の若手、
しかも子供番組の出演俳優のインタビューに
メイン視聴者である高齢者は興味があるだろうか?
番組出演者のチョイ役出演のドキュメントは、内輪受けで終わらないだろうか?
視聴率は下がらないように、何か視聴者を惹きつける仕掛けが必要だった。
取材テーマの一つは「北九州フィルムコミッショナー」
映画撮影を誘致することによって、地元経済の活性化を促進!
ボランティアたちの活躍と情熱!など中心に
地域興しの成功例として伝えることにした。
ただ、それだけでは…もう一つ足りない。
そこで、番組視聴者から「熱狂的な仮面ライダーファン」
しかも母と子で夢中になっている親子を募集した。
この親子を主役にすることで、エキストラ参加の魅力と喜び、
そして、そのドキドキを視聴者に疑似体験してもらいたい。
実際、応募していただいた親子は、大変素晴らしかった。
息子君は当時10歳、将来の夢は仮面ライダー俳優!
お母さんは、息子と一緒にTVを見ているので、
韓流並みに俳優たちを推していた♡
主にエキストラ撮影が行われたのは、
演説に集まった群衆が催眠により、「殲滅」コールを行う場面。
3000人の群衆が集まっている訳だが、
密着カメラは、映画に映り込む訳にはいかず、
離れて撮影するしかないのだが・・・
母子は、密着カメラが撮影できるギリギリの場所をキープ!
ホントに助かりました。
コメンタリーで監督は、夏前の撮影で暑く見えるように苦労した。
と言っていましたが、それは他の場面での話。
3000人エキストラの撮影日は、カンカン照りで、
ボランティアの方たちがドリンクや飴を配り、熱中症対策に追われていた。
午前中の撮影が終わり、参加者たちに疲れが隠せない状態になった時…
主演 犬飼貴丈さん&赤楚衛二さんが登場!
まぁ、広報用の写真撮影に来た訳だが・・・
2人はマイクを手に、エキストラたちに感謝と労いの挨拶をしてくれた。
参加者たちの疲れは一気に吹き飛び、興奮のボルテージは最高潮に達した!
番組視聴者代表のお母さんも大興奮!
しかも!いつの間に移動したのか群衆の最前列で、
番組密着カメラにはもちろん、いくつかの公式写真にもバッチリ写っていた!
昼休憩、主演2人のおかげで疲労は吹き飛び、ちょっとしたピクニック気分!
エキストラ3000人分のお弁当は東映から無料で配布!
地元、北九州の業者に発注され、お茶等の飲み物も北九州で購入。
警備員の配置、遠方からの参加者の前乗り宿泊、
撮影終了後に食事をする人も多いので、経済効果はバツグンだ!
ちなみに、お弁当の配布、後片付け、参加者の受付などの雑務を
ボランティアスタッフが中心になって行っていたのだが…
その多くは、エキストラ参加経験が豊富な方々で、
別の日にエキストラとして参加する!という方も居た。
エキストラ経験者たちが運営をサポートしているので、
細部にまでケアが行き渡る。
午後の撮影は、敵・仮面ライダーブラッドと
仮面ライダービルドの最強形態クローズビルドフォームの対決場面!
当時まだ、これらの情報は公開前だったため、密着の撮影はNGだった。
私は遠巻きに見学していましたが…
本番!の掛け声の後しばらくして
背景になっている北九州市役所の中から誰かが出て来た!
「誰だ出て来たの!映ってるぞ!!!」と拡声器で怒鳴られていた。
あわてて柱の陰に隠れたのは、
ブラッドの変身前を演じていた勝村政信さん。
変身した後の自分の活躍を見たかったようです。
「怒られちゃった・・・」と舌を出す姿はとても可愛らしかったです。
仮面ライダーブラッド
さて、無事撮影も終わりエキストラ参加者たちも
大満足で帰路についた後…
いよいよ主役2人へのインタビューである。
先にも書いたが、普段グルメや温泉ばかりの主婦向け情報番組である。
ここでチャンネルを替えられるわけにはいかないので、何か仕掛けが必要!
と言うことで再び視聴者代表のビルドファン母子の登場である。
母子が憧れてやまない主演俳優が目の前に現れた場合どうなってしまうのか?
他のエキストラ参加者への配慮として、
特定のファンへの特別対応は出来ない!ということで
母子は、番組スタッフの一員としてインタビュー現場に立ち会う。
という形を取ることになり、
主演2人に、どこまで話が伝わっていたのかは分からない。
ディレクターの私も事前の打ち合わせは出来なかった。
市役所の一室で待つことしばし…
主演 犬飼貴丈さん&赤楚衛二さんが登場!
メインのデカい密着カメラは当然主役2人を撮影。
私は小型のホームビデオで母子を撮影。
息子さんは緊張からか冷静に見えるが、
お母さんは興奮抑え切れず!声こそ出さないが全身から喜びが溢れている。
この時点では、映画の詳細は公表前なのでインタビューが難しい。
まずは、仮面ライダー俳優としての1年余りの心境を!
犬飼「仮面ライダーは教育番組としての側面もあるので、
私生活でも信号は黄色信号で停まるなど、
子供たちの手本になるように心掛けている」(意訳)
インタビュアー
「仮面ライダーになりたいと
憧れている子供たちは本当に多いですから…」と誘導。
お母さん、うんうんと大きくうなづく。
犬飼、息子君に「将来の夢は?」
息子君「仮面ライダーの俳優!」と
右手で触角を触り2本の指をピンと伸ばすビルドの決めポーズを決める!
これに2人の俳優は大喜び!
「誰かにやれって言われたの?」
もちろん私は言ってない、息子君のアドリブである。
完全に和んだところで、本来禁じられていた息子君との交流が成立!
インタビュアー「せっかくだから、質問してみる?」
息子君「2人みたいに仮面ライダー俳優になるには、どうすればいいですか?」
犬飼「そうなだなぁ、まず事務所に入ってオーディションを…」
ちょっとしたボケのつもりだったようだが、軽くスベってしまった。
この部分は、放送ではカットした。
そこへ空気を読んだ赤楚さんが
「お母さんの言うことを、ちゃんときく!」
まさに、ヒーローとして100点満点の回答!
それを聞いたお母さんも満点の笑顔に!!!
ちなみに放送時、スタジオでVTRを見ていた出演者たちからも拍手が!
というところでインタビューは時間切れ!
最後に告知コメントをいただいて終了したのである。
わずか5分余りの対面だったが・・・
お二人のキャラクターが実は劇中とは逆?
と思えるくらい好印象だった!
以来、目覚ましい活躍はご存じの通り!
拝見する度に、あの時の事を思い出し、悦に浸っております。