2025-01-10

親父が死んだ

親父が死んだ。

親父と母は、20年前に離婚している。

姉だけが結婚後もずっと親父の面倒を見てくれていた。

何度も何度も「会いにこないか」と姉から言われていた。

わたしはそれを断り続けていた。

親父に会いたくなかったわけじゃない。

正直、連絡がくる度に悩んでいた。

会っても、どんな顔をして何を話せばいいかからなかった。

なにより、母の気持ちを考えると会えなかった。

母は「好きにしていい」と言っていたが

父と会ったことを隠して、母と普通に話せる自信がなかった。

何十年も連絡すらとっていないのだ。

会って何を話せばよかったんだろう。

少なくとも、「会いたい」とは思えなかった。

葬儀で姉と会った。

姉にこれまでのことを謝ると、「いいよいいよ」と言ってくれた。

立派なお葬式をしてくれた。

棺桶の中で眠る親父は、小さかった。

葬儀に行っても、姉や親戚に「帰れ」と言われるんじゃないかと怖かった。

そう言われたら、大人しく帰ろうと思っていた。

それが当然だと思っていた。

親父の記憶は正直あんまり無い。

どんな人だったのか思い出せない。

母と喧嘩していたシーンしか思い出せない。

葬儀で集まった親戚から聞く親父の話は、知らない人の話みたいだった。

いま、1人になると涙が出る。

会っておけばよかった、という後悔ではない

なんで、親父の世話をしてくれている姉の力になってあげられなかったんだろうという後悔が止まらない。

自分気持ちしか考えられていなかった。

だって自分と同じ子供時代経験をしているのに。

きっと思うことはたくさんあったはずなのに

葛藤もあったはずなのに

長女だから、という理由だけで、全てを背負ってくれていた。

自分の家庭だって仕事だってあるのに。

自分が情けなくて涙が止まらない。

お姉ちゃんごめんなさい。

ありがとう

頼りないかもしれないけど、これからは力になりたいです。

遅くなってごめんなさい。

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