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値上げの波 国公立大学の学費ピンチ 中部の34大学は本紙アンケートにどう答えた?

2024年11月29日 18時00分 (11月29日 23時27分更新)
 大学の学費を巡る議論が熱を帯びている。東京大が2025年度からの実施を決めた学部入学者の年間授業料20%の値上げは、今後、中部圏の国公立大にも波及する可能性がある。家計に占める教育費の負担感は増し、大学は今、奨学金を受けて通うことが一般的になりつつある。少子化が加速度的に進む日本。高等教育の重要性が高まる中、誰が学費を負担していくべきか。学費問題をさまざまなデータと共に再考した。

東京大本郷キャンパスの安田講堂=東京都文京区

 

<大学> 国からの運営費交付金20年で1600億円減

 大学入学初年度に支払う学費(年間授業料と入学金)は、ここ約30年間で国公立大がそれぞれ1・5倍、私立大は1・4倍に伸びた(図表❶)。詳しく見ると、教育環境の整備などの名目で私立大の学費は毎年のように上昇し続けたが、国立大は2004年度の大学法人化以降、文部科学省令で定められた「標準額」が続いていた。
 そうした国立大の状況に変化が見え始めたのが5年前。東京工業大(現東京科学大)が法人化以降初めて授業料の値上げに踏み切ると、東京芸術大や一橋大、千葉大など首都圏の大学が続いた。今年9月には東大も授業料を10万円余り値上げすることを決めた。
 国立大の授業料はこれまで、標準額(現53万5800円)の最大20%を上限に各大学の裁量で定めることができた。なぜ今、値上げする大学が相次いでいるのか。大学経営に詳しい桜美林大の小林雅之特任教授(高等教育論)は「経済的な理由で進学をあきらめないよう授業料を低く抑えてきたが、それも限界にきている」と話す。背景にあるのは国からの運営費交付金の減額に伴う国立大の経営の厳しさだ。
 全国85の国立大が加盟する国立大学協会(東京)によると、運営費交付金は法人化以降の20年間で約1631億円削減された。平均で見ると、交付金は国立大の収益の約3割を占め、減額は経営に影響を与えている。学費収入は1割ほど。授業料の値上げで交付金の減額分はカバーし切れないが、小林さんは「安定的に値上げ分の増収が見込めることは、大学を経営する上で利点が大きい」と話す。
 
<中部9県の国公立大学>
3割が本紙アンケートに値上げ「必要」
 
 現時点で授業料の値上げに踏み切っている国立大は、いずれも首都圏にある。中部圏の国公立大は、値上げについてどう考えているのか。本紙は10月下旬、専門職大と大学院大を除く中部9県の全34大学に学費についてアンケートし、32大学から回答を得た。
 学費の改定(値上げ)について、「検討している」と答えたのは...

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