「虚構の汚名浴びた」軍艦島の元島民、検証番組を要求 NHK「坑内の確認得られず」

NHK番組「緑なき島」を巡って記者会見する長崎市・端島の元島民ら=9日午後、東京都千代田区(奥原慎平撮影)
NHK番組「緑なき島」を巡って記者会見する長崎市・端島の元島民ら=9日午後、東京都千代田区(奥原慎平撮影)

長崎市の端島炭坑(通称・軍艦島)の元島民でつくる「真実の歴史を追求する端島島民の会」は9日、NHKが軍艦島を巡る番組「緑なき島」について端島炭坑内の映像との確認が得られないと認めたことを受けて、東京都内で記者会見した。元島民は「虚構の汚名を浴びた。検証番組を制作してほしい」と訴えた。

番組の坑内映像は、韓国で朝鮮人労働者が戦時中に非人道的な待遇を受けた証拠として利用されている。しかし、番組が使った映像では、作業員がヘルメットに照明灯を着けず、坑道で裸電球が使用されるなど当時の保安規定や元島民の証言と異なる場面が多い。

端島島民の会は令和2年11月にNHKに抗議し、NHKは昨年12月、東京簡裁での調停で「端島炭坑内で撮影されたものであるという確認が得られていない」と認めた。

端島炭坑で働いた田中実夫さん(90)は会見で、「(緑なき島の)映像から想像したとみられるでたらめな証言のため、端島の名誉が傷つけられている」と述べ、「誤った歴史認識を世界規模で速やかに正していきたい」と強調した。

元島民の中村陽一さん(86)は「端島が虚構の汚名を浴びせられる原因が作られた。坑内映像の正確性を慎重に確認しなかったNHKのミスだ」と指摘し、NHKに謝罪と検証番組の制作を訴えた。

韓国では、一部の歴史教科書(デジタル版)が「緑なき島」の坑内映像を挿入したテレビ番組を、授業用の映像資料として使っている。端島島民の会は教材としての活用の中止を働きかける方針だ。(奥原慎平)

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