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「特需景気」という名の「無敵スター補正」にご注意!数字を見る上で気をつけなければならないこと

早速「巳年」としての現象が出ているのがキャベツ1000円の物価高騰だが、この程度なんてまだ序の口であり、今後は1日分の食事を買うだけでゆうに1万円を買うことが当たり前になってくるだろう。
もはやインフレ・高金利の時代に我々は突入しているわけであって、今までと同じ大量生産大量消費の感覚でいたらあっという間にお金は底を尽きてしまうのだが、それを政府はなんとかしようという気もない
アメリカではすでにとんでもない価格のインフレが起きており、今では月の家賃を払うだけでも精一杯で、人並みの収入しかない人はもはや一軒家はもちろん賃貸での一人暮らしすら厳しいレベルになっている。
こうまで逃れようのない非情な現実を目の当たりにして、人々が何を思うかなんて私はどうでもいいのだが、ここで露呈しているのは94%の人たちの「数字に対するリテラシーの無さ」なのだ。

以前に「利確」と日本のエンターテイメントの関係性を論じた記事を書いたわけだが、この意見に関してこんなコメントが寄せられたのでここで載せておこう。

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まあこの人はそもそも視聴率の見方にしろSNSに対するリテラシーにしろ全くなっていない人だから仕方ないことなのだが、私はこういう「正論を言ってる風の感情論」というやつが昔から大嫌いである。
そもそもこの人は「「スーパー戦隊はタイムで終わらせて新たな特撮を作るべき」と言ってますけど、それがどれだけ大変な事か分かりますか?クロサキさん一人の好みはどうであれ、スーパー戦隊も商売です」といかにもわかった風なことを言う。
別に自身が東映に入って作品を作ったわけでもなければ、バンダイや代理店販売のスタッフとしてその仕事に携わって実際の商品の流通や流れを見たわけでもないのに、主観による反論にすらならない反駁を試みる。
リサーチもマーケティングも着眼点も発想力も全てにおいて三流レベルの意見なのだが、結局は世の現象を構造的に読み込む読解力をきちんと育み、また数字を正しく見る力を養っていないからこういう意見が出るのだ。

私が浪人時代にお世話になった英語の名物講師から言われた言葉で今でも深く奥底に刺さっている言葉がある。

「言っておきますが、これから先は特に国数英をきっちり8〜9割は取れるようにしてくださいね。抽象度の高い科目の勉強を疎かにすると、大人になってからしっぺ返しが来てしまいます」

実際その通りであり、今本当に公私共に読解力も語彙力も、そして計算力も低い人が余りにも多すぎて、正直今自分がいる職場と身近に関わる人以外はあまりにも「学力(学歴ではない)」のない人が多すぎる。
別にそれはテストでいい点数が取れるかどうかではなく、物事を構造的かつ立体的に見てその現象の裏に隠された本質を正しく見抜き最適解を出す力こそが真の「学力」なのだ。
そのことを恩師は言わんとしていたのだと今になれば思うし、でも本当に若い頃にそういうしんどいことを頑張っていたおかげで食いっぱぐれにはならなくて済んでる。

数字を見るにも正しいリテラシー・知識というものが必要なのだが、例えば皆さんは「特需景気」「軍需景気」なる言葉をご存知だろうか?
そう、「特殊需要景気」や「大戦(戦争)景気」を指すのだが、たまたま時代のニーズが異様に高まって特殊な盛り上がりや景気を生み出すことがあるだろう。
かつて私たちの世代が幼少期にギリギリ体験した高度経済成長期のラストにあったハイパーインフレと似たようなもので、一時的に物凄い需要が高まる時がある。
算命学でいうところの「大運天中殺」に近いもので、たまたま枠が外れてとんでもない人気や需要が生まれて爆発的に売り上げが高まっていくことをいう。

戦争がなぜいつの時代も消えて無くならないのかというと、いちばんの理由は「ビジネスとして儲かる=戦争景気を生み出せるから」であり、皮肉だが我々の文明は戦争によって発展してきた側面がある。
人生100年時代という寿命の伸びについても戦争景気による科学技術の発展がなければ生まれなかったことだし、こうした景気はいつどんな時代でも起こりうるものであって特殊な現象というわけでもない。
言うなれば、「スーパーマリオ」でいう「無敵スター補正」でありたまたま自分に追い風が味方してくれているだけであり、決して自分の実力で勝ち取ったものであるという誤解をしてはならないのだ。
例えば同じ視聴率や売上であってもしっかり「実力=実利」として順当に積み重ねて勝ち取ったものか、それともたまたま時代の波が味方しただけの「偶然=特殊需要」で生まれたものかは見極める必要がある。

わかりやすい例でいえば、ジャンプ漫画でも『ドラゴンボール』『ONE PIECE』の人気や評価のされ方と『鬼滅の刃』のそれとでは本質的に異なるものであることは認識しておく必要がある。
前者は確かに特需景気でうまく時代のニーズを掴んで人気になったが、その根底にあるのはあくまで順当な作品としての「積み重ね」であって、しっかりと実力=実利で勝ち取ったものだろう。
しかし、じゃあ「鬼滅」はどうなのかというと全く異なっており、全盛期たる2020〜2021年辺りは偶然=特殊需要で人気も知名度も爆発的に高まった
ではその特需が過ぎ去って熱も風化してしまった今、じゃあ『ドラゴンボール』『ONE PIECE』ほどに語られる作品であるのかというとそうではないだろう。

同じことはスーパー戦隊シリーズにおいてもいえて、例えば同じ視聴率を語るでも『星獣戦隊ギンガマン』の7.9%と『百獣戦隊ガオレンジャー』の8.8%は全く意味合いが異なる。
前者はまだ戦隊シリーズ時代がさほど大衆化していなかった「冬の時代」にしっかり「ヒーローとは何か?」を徹底的に詰めて作り上げ、きちんと作品の内容が真っ当に評価されて勝ち取った数字だ。
一方で後者は『仮面ライダークウガ』に始まった「平成ライダー」の勃興期であることと21世紀初頭の空気感などいろんな要素が絡んだ偶然=特需によって生まれた、数字稼ぎに走った阿漕な商売である。
確かに目先の数字だけでいえば「ガオレンジャー」の方が凄いのは事実だが、それでは作品の内実としてファンの間できちんと真っ当な議論や批評が形成されてきたのか?というとそんなことは全くない。

大衆芸術の難しいところはまさにここにあって、いかに一時的にリアルタイムで人気が高かろうが、それは一過性のものであって時代を過ぎるとその補正は失われて鮮度が失われていく
その失われた鮮度を差し引いた上でなおどれだけの魅力が残るか?で勝負するのが芸術という領域であり、これがまたとても難しいもので批評するにもセンスや才能・着眼点などいろんな要素が絡む。
だからリアルタイムでネットでバズったことなんて私にとってはどうでもいいことだし、そんないつまで持つかわからないものなんて一番危険で当てにしてはならないものだ
私がなぜ戦隊は「タイム」までで終わらせ利確して別のシリーズを始めるべきだったかというと、「ガオ」がまさに「壮大な最後の打ち上げ花火」だったからである。

さて、ここで話を最初に戻して、今やキャベツが1000円まで高騰し、他の肉も魚も高騰しているが、これは決して特需景気や軍事景気のような偶然ではない。
今や時代の必然として円安ドル高となって、かつてないほどのハイパーインフレが生じ、高金利というハードルが上がった世界で勝負することになる
かつてのぬるま湯だった昭和・平成時代の緩和されたデフレの時代と違って、これからはもう容赦無くインフレについていけない人は篩い落とされるのだ。
そう、「ドラゴンボール」でいうと上位6%のサイヤ人(悟空・ベジータ・悟飯)側になれるか、下位94%の地球人(クリリン・ヤムチャ・餃子・天津飯)みたくなるか?が問われている。

キャベツ1000円が何を意味するのか?それを正しく見抜けないものはこれから容赦無く振るい落とされる時代に差し掛かったのだ。

だから言ったのだ、「これから3年間は経済的にキツくなる」と……「備えあれば憂いなし」であり、皆さんはこのインフレ高金利に対するリテラシーと対策はしていますか?
そう問われているのが今なのであり、1000000000000%二極化が起こり深刻化していく中で、どれだけの対策をしっかりしているかが大事だろう。
かくいう私も決して他人事ではないからあれこれ考えてるんだけど、対策に関しては有料記事でしか教えてやらない(笑)

大事なものはきちんと対価を払って掴め、楽して人様の考えを盗めると思うなよ。


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コメント

1
伊藤幸実
伊藤幸実

キャベツ1000円が意味するもの
(安ければいいは通用しない食材の安心安全と質を確保するためにはコストが絶対かかる)を示していて過去にジョブチューンスイーツジャッジミニストップ編第5位和栗のモンブランの時審査員の柴田シェフがこの事を仰っていて記事を読ませて頂いてその事を思い出しました。
恐らく食材の安全安心と質の確保によるインフレ対策にどこまでお金をかけるのか❓のヒュウガさんの考え対策を次回の有料記事に書くのでしょうね😊

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