2024年7月10日、日経平均株価は史上最高値の4万2224円2銭を記録した。その一方で、8月には過去最大の暴落幅を記録し、株価乱高下の時代に突入している。インフレ時代の今、自分の資産を守り抜いていくために私たちはどのような対策をすべきなのか。NVIDIA急成長の背景や新NISAとの向き合い方を見直しながら、日本経済の未来について考えていかなくてはならない。
本連載では世界的経済アナリストのエミン・ユルマズ氏と第一生命経済研究所の永濱利廣氏が語る日本経済復活のシナリオを、『「エブリシング・バブル」リスクの深層』より一部抜粋・再編集してお届けする。
『「エブリシング・バブル」リスクの深層』連載第55回
『氷河期世代の悲劇はまだまだ続く…日本中で賃上げしている中でも、氷河期世代の賃金が上がらない地獄』より続く。
「新NISAブーム」の正体
エミン:私はこの春、BSのある番組で新NISAの特集をやるというので出演しました。
永濱:夜にやっていましたね。
エミン:そう、夜の番組です。でも、新NISAがスタートしたのは2024年の始めの話。それからもう数ヵ月経っている。普通は話題としてそろそろ賞味期限切れになるころですが、新NISAについてはまだまだいろんなメディアで取り上げられています。
昨今の円安を見て、株で運用しないと大変なことになる、と多くの人が疑心暗鬼に駆られている証拠でしょう。
永濱:新NISAでは特に米国株を中心とした「S&P500」や「オルカン(オールカントリー)」といったファンドが人気のようです。ただ、新NISAで外国株への投資が進むと、海外への資本流出が起き、円安が進む、という説もあります。
これは理屈としては正しいように聞こえますが、新NISAで買われているのは意外と日本株も多いようです。金融庁の資料を見せてもらったのですが、45パーセントぐらいは日本株を買っているとありました。
人気の「S&P500」や「オルカン」は投資信託ですから、主に「つみたて投資枠」で買われているそうです。でも新NISAには個別株売買を想定した「成長投資枠」もありますので、そちらでは日本の個別株が買われているようです。