郷土の未来をつくるコミュニティペーパー(山形県庄内地方の地域新聞)
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衆院選山形3区
臨戦体制整え支持拡大へ
三つどもえの構図ほぼ固まる

 第50回衆議院議員総選挙は15日公示、27日投開票の日程で行われる。山形3区は4選を目指す自民党前職の加藤鮎子氏(45)に、立憲民主党県連代表で前県議会議員の石黒覚氏(68)と、日本共産党酒田地区委員長の山田守氏(62)の両新人を加えた計3人で議席を争う見通し。非自民系の立憲民主、国民民主の両党県連と連合山形が、石黒氏を2党1団体の統一候補として擁立し、三つどもえの構図となることがほぼ固まった。選挙戦本番を前に、3氏に本紙が独自に行ったアンケート調査の結果を掲載し、併せて各候補者の動向も探った。(本紙取材班)=掲載は五十音順。

自民党の裏金問題が焦点

 次期衆院選では、自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件など「政治とカネ」の問題や、同党と旧統一教会との関係をはじめ、各党が打ち出す物価高対策と外交・安全保障政策などを、有権者がどう判断するのかが争点となりそうだ。
 加えて、県内の政治事情に詳しい複数の関係者からは「次期衆院選は2021年10月の前回選、17年10月の前々回選とは異なる要素があり、それが勝敗にどう影響するのかも注目点になる」との声が聞かれる。
 その一つは、前回選で次点に泣いた現県議会議員の阿部ひとみ氏(酒田市・飽海郡区)が無所属で立候補したのに対し、石黒氏は立憲民主党公認で、さらに立憲民主、国民民主の両党県連と連合山形による2党1団体の統一候補として立候補する、ということ。
 2党1団体と舟山康江、芳賀道也両参院議員でつくる5者会議は、前回選で阿部氏から支援の要請を受けていたが自主投票とした。
 自民党を中心に各政党の内情に明るい関係者の一人は「阿部氏は県議会議員を辞して前回選に臨んだが、酒田飽海以外の鶴岡田川、新庄最上では知名度が低く、組織票もほとんど無かった。それに対し石黒氏は阿部氏よりも相対的に知名度があり、2党1団体から一定程度の組織票を見込むことができる。これは阿部氏と大きく異なる点」と指摘する。
 そして「次期衆院選も前回選、前々回選と同様、鶴岡市と酒田市による主導権争いの側面が出てくるのは必至。ただ底流には自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件があり、自民党に反省を求める一般有権者、特に無党派層がどういう投票行動を示すのかも焦点になってくる」と話した。
 前回選で、加藤氏は10万8558票(得票率58・06%)を獲得し、阿部氏が得票した6万6320票(同35・47%)に4万2238票の差を付けた。日本共産党新人の梅木威氏の得票は1万2100票(同6・47%)だった。
 しかし山形3区を構成する3市7町3村のうち加藤氏の酒田市の得票は2万4559票と阿部氏を4293票下回り、遊佐町でも3517票と阿部氏の得票に180票届かなかった。
 酒田市を地盤とする希望の党(当時)元職の阿部寿一氏を含む計4人で争った前々回選でも、加藤氏の得票は阿部寿氏を酒田市で1万3486票、遊佐町で1016票、庄内町で106票下回った。
 複数の関係者はさらに「山尾順紀氏が務めていた新庄市長に山科朝則氏が就いたこと、来年秋の鶴岡市長選をめぐる動き、県知事選を控えた吉村美栄子県知事の動向などが(次期衆院選に)与える影響は大きい。前回選当時とは状況が変わっており、激戦になる可能性が高い」と口をそろえる。

組織票に浮動票を上積み 石黒陣営

 石黒氏は、2党1団体の統一候補として9月28日に山形市内で記者会見を開き、正式に出馬を表明した。
 連合酒田飽海、鶴岡田川、新庄最上の各地域協議会を中心とした組織戦を展開し、さらに非自民、無党派層への浸透を図る。人の集まる場所での街頭演説会を増やして知名度不足を補い、政策を訴えていく。
 県議会には10月8日に辞表を提出。9日以降は舟山康江、芳賀道也両参院議員の支援者などへのあいさつ回りを本格化させている。11日には連合酒田飽海地協の決起集会を開く。
 事務所は酒田市下安町に置き、12日午前9時に事務所開きを行う。7日時点では新庄最上でも事務所が決まり、鶴岡田川地区でも開設を急いでいる。
 5日に酒田市内で開いたプロフィール会見では「政治改革の最たるものは政権交代。今まさにその時。災害にどう対応していくかが今の日本に極めて重要。あらゆる構築物はお金をかけないと安全性を確保できない。防衛費を倍増するより国土の安全性強化を図るべき。多くの人の所に出掛けて声を聞き、身近な地域に必要な政策を訴えていく」と話した。

大臣経験生かし再選狙う 加藤陣営

 加藤氏は国会と公務の合間に地元に戻り、地域行事への参加や支援者へのあいさつなどを行っている。オンライン会議やビデオメッセージも活用している。
 事務所開きは13日に鶴岡市、酒田市、新庄市で行う。選対本部は鶴岡市大東町の精三会館(加藤鮎子事務所)に置く。決起集会や公示後の予定は6日時点で未定。
 プロフィール会見を6日に精三会館で開き、岸田政権で務めた内閣府特命担当大臣などの経験をアピール。行政トップとして重要法案を通した経験を他の施策にも生かしたい考えを示した。
 選挙戦で訴えることは▼地方の所得向上▼子育て環境整備▼大雨災害の復旧・復興▼国土の強靭化▼高速交通網などのインフラ整備▼酒田港の機能強化▼洋上風力発電などの再生可能エネルギー促進など。
 加藤氏は「少子化対策と若者支援に引き続き力を入れる。短期決戦だが、地元支援者が動き出してくれているのは心強い。幅広く訴えが届くように皆で一丸となっていく」と話した。
 自民党の裏金問題については「厳しい環境下での選挙戦となる。党内でルールが守られていなかった。政治不信を招いたことをおわびし、信頼をいただけるようにがんばりたい」と述べた。

市議らと連携し街頭演説 山田陣営

 日本共産党公認候補の山田氏は昨年6月に立候補を表明し、同党公認の市議会議員、県議会議員らと街頭演説を中心に活動してきた。7月の大雨災害では高橋千鶴子衆議院議員、岩渕友参議院議員と被災地を回った。
 事務所開きを11日に鶴岡市勤労者会館で行い、選挙事務所は同市美原町の同党鶴岡地区委員会事務所に置く。公示日の第一声は鶴岡市役所前で午前10時からの予定。翌16日は市田忠義同党副委員長を招いた街頭演説を、同市美咲町の主婦の店パル店前で行う。総決起集会の予定は、7日時点では日時、場所とも未定。
 プロフィール会見を7日に同党鶴岡地区委員会事務所で開き、自民党の裏金と旧統一教会の問題、石破総理の総裁選での言動と異なる手のひら返しを批判した。
 選挙戦で訴えることは▼少子化対策▼低迷する食料自給率の引き上げ▼集団的自衛権行使容認の撤回▼中小企業の賃金引き上げ▼非正規雇用の処遇改善など。
 山田氏は「自民党政治を変えたいと立候補を決意した。日本共産党の政策を示しながら有権者の共感を集めていきたい」と話した。

本紙独自 立候補予定者アンケート調査の結果はこちらから

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