私の術式があまりにも産廃すぎるんだが?   作:家葉 テイク

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今さらですが、術式・領域の行使者のことは呪霊であっても「術師」と呼称しています。
ちなみに今回更新は二話同時投稿なので、前話をご覧になっていない方はお気をつけて!


呪霊解説 - 跡切

跡切(あとぎり)

■概要

 龍の装飾が体に巻き付いた形の人型呪霊。呪霊等級は特級。

 触れた事物に"向き"を加えたり、触れた事物の"向き"を操ったりする術式「生々流転」を持つ。

 

■呪霊情報

 人型。ただし人間然とした姿ではなく、のっぺりとした顔面に、剥き出しの歯が並んでいる。衣服とも肌とも知れない奇妙な体表には東洋の龍のような装飾が巻き付いており、呪霊の動きに応じて不気味に蠢いている。

 他に戦闘において有用になる武器は備わっていないが、身体強度が非常に頑丈。下手な攻撃であればダメージを受けないし、黒閃を複数回受けても耐えるタフネスがある。

 呪霊としては非常に高度な知性を有しているが、同時に傲慢で自信家でもある。

 

■術式詳細

〇"向き"の付与

・触れたものに対して運動量を付与することができる。

・付与範囲には以下の二パターンがある。

 ①大型トラック程度のサイズの物質全体への付与。

 ②物質の一部(最大半径五メートル)への付与。

 ⇒①が可能な場合は、原則②を適用することはできない。

 ⇒地面や川など全体量が巨大な場合、②を適用する。

 ⇒②を適用した場合、効果範囲は自由に設定が可能。

・付与できる"向き"の最大は術師が全力で干渉した時と同程度。

・付与された後の運動量は通常の物理法則に従って推移していく。

 

〇"向き"の操作

・触れたものの運動量のベクトルを操作できる。

・術式対象の体積、質量は大型トラック程度。

 ⇒体積、質量が大きければ大きいほど消費呪力も増加する。

・術式対象の一部を指定した"向き"の操作も可能。

・付与と違い、対象に触れ続けている間は継続的に"向き"を操作できる。

・操作できる"向き"の最大数は同時に二つまで。

・"向き"の操作範囲は最大で半径一〇〇メートル。

・操作時間に制限はない。

・運動量がゼロになったり、"向き"が分散しすぎると術式は終了する。

 

〇補足

・付与と操作の同時使用については特に制限がない。

・その為、操作している対象に"向き"を与え続けることで無限に操作を続けることも可能。

 

 

■領域展開

 羂索が構成した領域結界。

 必中・必殺よりも術式対象の制限解放と呪力消費の軽減に主眼が置かれている。

 後述の理由から全体を見た時にこの領域自体が弱点になるように設定されている。

 

〇結界の構成

 川底に展開された領域結界。内部は大型トンネル程度の広さの空間を持つ地下洞窟の心象風景が展開されている。

 領域の象徴は水晶の髑髏で作られた細長い螺旋の塔。平時であれば、どこか石塔のように見える。

 内部では「生々流転」で操作されて生まれた川が数本巡っており、その川底に領域の象徴が埋蔵されているつくり。その為、一見すると領域の象徴が存在しないように見える。

 領域内部には必中命令は存在しないものの術式は付与されており、「生々流転」で操作された川を用いた水流攻撃が可能。

 結界の端はそれぞれ鴨川に通ずる水源複数と鴨川最下流に繋がっており、結界を通して鴨川に水を流すことで、結界外の鴨川の流量を際限なく増加させている。この際、領域による術式精度の向上により、術式対象の制限と呪力消費は解除されている。この制限解除が結界の主目的であり、その為「縛り」の差し引きはマイナスになるよう調整がされている。

 

〇結界の備品

 領域に立ち入った者には結界の仕様説明用の式神「ナカス」が憑く。

 ナカスの説明中は結界内部の時間経過は限りなく速くなっており、外界では殆ど時間が経過しない。

 ナカスは領域に立ち入った者からの質問は説明の補足の範疇である限り回答しなければならない。ただし、説明にあたって公平である必要はなく、術師の利になるよう立ち回ってよい。

 ナカスの視聴覚は術師本体と共有されており、共有された感覚情報を元に領域内で術式を行使することも可能。

 

〇縛り

・術師が結界内部に立ち入ってはいけない。

 ⇒結界の範囲を拡大する為の縛り。

・結界の構成を説明する為の式神「ナカス」が領域に立ち入った者に憑く。

 ⇒複数侵入者がいる場合、その分ナカスが発生する。

・ナカスの説明中、外界では時間が経過しないようになっている。

 ⇒複数侵入者がいる場合、結界内部でも時間経過の齟齬が発生する。

 ⇒説明中、侵入者は質疑応答以外の行動はとれない。

・結界に存在する「領域の象徴」は他者から干渉可能となる。

 ⇒この「領域の象徴」が破壊された場合、領域は強制終了となる。

 ⇒「領域の象徴」は目立つ場所に設置しなければならない。

  ⇒ただし、設置後に能力で隠匿することは制限されない。

・「領域の象徴」から二メートル内で侵入者を殺害してはいけない。

・結界外で術式対象に空気以外を設定してはいけない。

・侵入者を溺死以外の死因で殺害してはいけない。

・領域の外郭は川の底面を最低範囲とし、水中範囲で可変できる。

 ⇒可変速度は一時間につき三〇センチ程度。

 ⇒一部が水中から露出した程度であれば問題ないが、全体の八割が露出した場合は結界の構成要件が破綻したとして領域が強制終了する。

・領域への必中命令は付与できない。

・一度侵入した侵入者は必ず殺害しなければならない。

 

・上記の縛りは羂索から貸与された構成要件での領域展開中のみ有効となる。

・縛りを破った場合は、領域が強制終了する。

・縛りを破った時点で領域が既に存在しない場合は、身体にダメージが発生する。

 

■出自

 川の呪霊。いわゆる自然呪霊の一体であり、一〇〇年ほど生きている。

 平安時代は現代よりも治水技術が未熟であり、頻繁に川の氾濫が起きては都に被害をもたらしていた。一方で効果は乏しいものの治水工事自体は頻繁に行われており、人が川を支配しようとする時代の幕開けでもあった。

 跡切自身は人間が川を支配しようとしていることに危機感を有しており、川を起点とした大災害を引き起こすことで川への畏怖を確定的なものにしようと画策していた。一方で、危機感と焦燥により平時よりも判断能力が鈍っていた節がある。

 九八一年五月下旬、羂索より構成サポートを受けた領域結界を鴨川で展開。鴨川の氾濫による都の水没と周辺地域の旱魃の画策を目論む。最初に応対した呪術師を領域内で溺死により殺害したが、その後派遣された藤原尊と交戦。その後敗北し、祓われる。

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