環境省は24日、水道水に含まれる有機フッ素化合物(PFAS)の濃度を従来の暫定目標値から、水道法に定める「水質基準」に格上げする方針を決めた。2026年4月から水道事業者などに検査を義務づける案を有識者検討会に示し、了承された。来春にも正式決定する。
PFASは1万種類以上あるとされる有機フッ素化合物の総称。代表的なPFOSとPFOAは発がん性などが指摘される。食品の包装紙や泡消火剤などに幅広く利用されてきたが、分解されにくく環境中に長く蓄積することなどから、09年に国際的な規制の対象となった。日本も化学物質審査規制法でPFOSとPFOAの製造や輸出入を禁じ、20年に水道水1リットル中の暫定目標値を「PFOSとPFOAの合計で50ナノグラム」(ナノは10億分の1)と決めた。ただし努力義務で法的拘束力はなかった。
検討会では水道水中のPFOSとPFOAが直近の3年連続で目標値の50%を超す地点が存在するなど、水質基準への格上げ要件を満たしていることを確認。2種合計で1リットル当たり50ナノグラムを基準とし、3カ月に1回の頻度で検査を義務づけることを了承した。検出濃度が低ければ検査頻度を減らすことも可能とする。
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