2018年08月29日

ユニヴァ―サル・ジョイントの不等速性

 現物を手で廻してみると、この辺りは速くなる、この辺りは遅くなるというのが分かるが、紙の上で説明するのはなかなか難しい。傾いた軸を回転させながら正射影を見ると、回転部分の円周は楕円を描いている。周速度は一定でも、正射影は一定速ではないのだ。

universal joint そんな説明ではだめであるが、例の工学のエキスパートT氏が、素晴らしい絵を描いて送って下さったので、紹介したい。これを見れば一目瞭然である。よくもこんなうまい絵を描けるものだと、感心した。



 優秀な人は易しい説明で相手を納得させるという良い実例である。自称専門家は、専門用語を並べ立てて、相手を煙に巻こうとするが、それは説明能力がないことを立証していることに他ならない。

 先回紹介した音で角速度の変化を示す動画では飽き足らず、T氏は角速度変化を目でみる装置を作られた。まだ改良の余地があるそうで、この動画はより良いものができれば更新するそうだ。
 途中の黒いリンク装置は動力を二つに分けるクランクである。歯車ではバックラッシがあって誤差が出るので、クランクにしたそうだ。その部分は見る必要が無いのだ。向こうの回転板は左右で位相差が分かるようになっている。追い越したり、抜かれたりする。

 反対側から見た動画もある。


コメント一覧

1. Posted by 愛読者   2018年08月31日 13:49
「自称専門家は、専門用語を並び立てて、相手を煙に巻こうとする。」
確かに仰る通りですね。
この図は素晴らしいです。一目でわかります…

私の周りにいる能力がない自称専門家は、微分、偏微分で説明したがります。
使わなくても説明できることを示すと、「微分、偏微分が分からないなんて、けしからん」と言うのです。
また、この手の人は、極めて単純なことの説明に、学術書に載っているような「◯◯の法則」を引用し、わざと小難しく説明します。
そして、最終的には、「◯◯大学の先生がこう言っている、あの論文にはこう書いてある」と言い出します。
本ブログでも度々話題になる、プラグマティズムがない人に、この手の人が多いように思います。
2. Posted by dda40x   2018年09月01日 13:13
 そういう人はいますね。
 下らないことを微分方程式で・・・とか、方程式を立てて、偏微分してやれば解ける、などと言うのです。
 こちらには数学のエキスパートもいるので、その式を見せて貰えば、瞬時に成否が分かります。しかし、決して見せようとはしません。
 今回の問題は正射影がキイワードなのですが、どなたも言ってきません。ただ、言葉だけではわかりにくいので、この絵のような解説は有難いです。
3. Posted by DCCTNOSDC   2018年09月02日 04:28
初めまして。いつも楽しく読んでいます。
ラジコンカーのオプションパーツにダブルカルダンジョイントがあるので、鉄道模型にもオプションで良いので欲しいです。
HOゲージに使えそうなサイズのものがタミヤの楽しい工作シリーズから出ればうれしいです。ダブルカルダンジョイントが完成していれば自分でも改造して車両に組み込めそうです。
とりあえず、小型軽量車両用のダブルカルダンジョイントを自作してみます。
4. Posted by dda40x   2018年09月03日 08:57
おっしゃる意味を取りかねています。
ラジコン用のものは大きいので小さい物を作ろうということでしょうか。
形態だけなら簡単ですが、心を出して作るのはかなり難しいのではないでしょうか。 CNCの機械を使うことができれば容易だと思いますが。

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