【無料記事】宇田光史朗、高知ユナイテッドSCへの育成型期限付き移籍を延長! 現地記者による特別コラム
▼ミッション完遂! J3でさらなる成長を
そして迎えた12月7日。前半7分、新谷聖基の先制ヘッドを導く右への展開で宇田が突破口を開いた。その後はYS横浜の猛攻を受けたが、背番号15は常に最終ラインの前で体を張った。1-0で迎えた91分には第3のアタッカーとしてカウンターをアシスト。高知Uの『もう一枚』として躍動する姿があった。水戸ホーリーホックから武者修行中の内田優晟が看板のカウンターから2点目をたたき込んだ瞬間、内田と小林心の両FWに続いて、ゴール裏をえんじ色に染めたサポーターの元へ一目散に駆け寄った。
「高知に縁はなかったけど、こんなに盛り上がってくれて、良いときだけでなく苦しいときもみんなが一緒に戦ってくれた。歴史をつくった一員になれたし、高知が思い出深い場所になった。その感謝を伝えたかったんです」
天皇杯2試合を含めて33試合で2ゴール。26試合で先発を任され、2710分間ピッチに立った。一試合で平均11kmを走り抜き、“Jなし県”にJクラブを誕生させるというミッションを完遂。「ニッパツでJ3昇格を決めて、自分の成長を横浜FCのサポーターの方に見てもらえたことは、本当に嬉しかった」と充実の表情だった。
▲YS横浜との入れ替え第2戦で切り込む宇田光史朗=右(12月7日、ニッパツ三ツ沢球技場)
吉本監督は「年齢に関係なく、入れ替え戦の先発起用にも迷いはなかった。向上心もあり、特に残り5試合くらいから頼もしくなりましたね」と宇田の成長に目を細め、「アマチュアからプロへ上がる昇格は誰もができる経験じゃない。ここからの飛躍が楽しみ」と、魔境のJFLと入れ替え戦を勝ち抜いた背番号15の未来に期待する。
小学2年から始めたサッカー。その「サッカー人生の中で一番濃い1年を過ごせました」と振り返った2024年のシーズン。「メンタルも含めて成長できた自信があります」と笑顔で振り返ったあと、「この世界に入ったからには、Jはもちろん、代表で活躍できる選手になりたい」と夢を語った。
1月にキャンプで会ったときは、礼儀正しく、ポーカーフェイスで物静かな若者という第一印象だったが、チームが失速した後半戦でも決して下を向かず、顔を上げてピッチを出ていく気持ちの強さが彼の本当の姿なのだろう。そう思う一方で、入れ替え戦の終了後にYS横浜とのあいさつを終えてメインスタンドへ向かうとき、吉本監督に抱きかかえられ、何度も何度もタオルで顔を覆って泣いていた姿が忘れられない。
「J3でも一緒にやろう」「力を貸して」。そうしたサポーターの熱いラブコールは高知での成長の証だ。そして育成型レンタル延長が決まった今年1月4日、横浜FC、高知U双方のサポーターへ「いつか横浜FCの力になるために、もっと成長してきます!」「また皆さんと最高の景色を見られるよう、2025シーズンも高知のために全力を尽くします」と、初のJリーグ戦出場と飛躍へ意欲を語っている。伸びしろしかないこの青年の将来が、何よりまた今季も宇田光史朗とともに戦えることが、楽しみで仕方がない。
▲高知県初のJ3入会を決め、サポーターとともに歓喜(12月7日、ニッパツ三ツ沢球技場)