令和3年(2021年)「天皇の退位等に関する皇室典範特例法案に対する附帯決議」に関する有識者会議が行われていた際に、日本会議がYouTubeにアップしていた動画を見つけました。
私たちは、陛下からの信頼を裏切ってはならない 三好 達 氏
2021/06/11
小泉首相時の「皇室典範を考える有識者会議」に対して、 男系による安定的な皇位継承を実現するための国民運動の提唱 皇室の伝統を守る一万人大会(平成18年3月7日・日本武道館にて開催) 主催者代表挨拶 三好 達 氏(元最高裁長官、日本会議会長 ※当時)
平成18年(2006年)の動画をアップしたのは、「私たちは、陛下からの信頼を裏切ってはならない」ので「男系による安定的な皇位継承を実現する」という日本会議のスタンスが当時と変わっておらず、令和3年(2021年)の有識者会議においても、同様のスタンスで臨むという決意が推察できます。(三好達氏は2023年に鬼籍に入っています)
昨日お伝えした麻生自民副総裁や玉木国民民主党代表が今年7月2日に登壇した男系継承を確保する養子案の早期実現を求める「皇室の伝統を守る国民の会」が設立された経緯も語られていますので文字起こしでお伝えします。
主催者を代表して元最高裁長官 日本会議会長 三好徹より、ご挨拶を申し上げます。
ひと言、ご挨拶を申し上げます
皆様、よくご承知の通り、昨年11月、「皇室典範に関する有識者会議」は女系天皇の導入、男女を問わず長子優先による皇位承継を柱として皇室典範を改正するとの報告書を提出いたしました。これは我が国の有史以来、125代に渡り連綿として守られてきた男系による皇位継承のあり方を根本的に改めるものであり、しかも、ひとたび、男系による継承を断ち切ってしまえば、これまでの承継のあり方は永遠に断ち切られてしまうんであります。誠に有史以来の由々しき重大事であります。当然のことながら、国を憂うる各界の真の有識者や国会議員各位から、このような改定意見に慎重な対応を求める声が起こり、その声は見る間に大きくなり、この二、三カ月の間に、燎原の火の如く広がったのであります。日本の国民であってみれば、当然の声であり、また当然の動きであります。この間、秋篠宮紀子殿下の御懐妊の慶事も伝えられ、一層、慎重論が広まりました。このような情勢のもと、政府も、今国会における改定は見送りましたが、しかし有識者の会議の報告書に則った改定を行うという基本姿勢は全く崩していないのであります。
そこで私どもはここに「皇室の伝統を守る国民の会」を設立することにいたしました。男系による皇位承継に向けて、思慮深く、健全な世論を形成し、国民が心を一つにして、叡智を結集し、男系よる皇位継承を安定的にする方策を図り、その制度を確立していくためであります。皆さまのご賛同とご参加、絶大なるご協力を賜りたいと存じます。今日はその設立の大会であります。この広い日本武道館を埋め尽くす、かくも大勢の皆さまにお目にかかることができ、まだまだ日本は大丈夫、私自身としては、目頭が熱くなるのを禁じ得ないのであります。どうもありがとうございました。
私はここに今、61年前を思い出しております。昭和20年、ポツダム宣言を受諾するとき、我が国の国柄は有史以来、最も重大な危機に直面いたしました。先の陛下、昭和天皇の御聖断「自分の身はどうなろうとも国民を救わなければならない」その御聖断によりポツダム宣言を受諾し、多くの国民の命が救われたのでありますが、その際の最大の問題は国体の護持でありました。政府は連合軍に対しポツダム宣言は天皇陛下を上にいただく、これまでの我が国のあり方を変更することを要求していないと了解して、この宣言を受諾する、そのように申し入れたのでありますが、これに対し連合国側は、そのことは「最終的には日本国民の自由意思によって決められる」と回答してきたのであります。
そこで軍部、すなわち陸軍の参謀総長・海軍の軍令部総長は、これでは国体護持が保証されていないとして、さらなる抗戦を主張したのでありますが、その時、陛下が仰せられたお言葉は、心を打たれるものでありました。ご承知の方も多いと思いますが、陛下は「それで少しも差し替えないじゃないか。国民の自由意思によって決めてもらって少しも差し支えない」を仰せられたのであります。
ポツダム宣言受諾、陛下は有史以来、124代に渡って連綿として受け継いできたこの国のあり方の存続を、何としてでも維持しなければならないとの固い決意を持っておられたに違いありませんが、そうでありながら、国民の自由意思によって決めてもて差し支えない、と仰せられた。この御言葉の背後にあったのは何でありましょうか。陛下の御心の中にあったのは、国民に対する大きな信頼だと私は拝察しております。陛下は日本の国民は大丈夫と国民を信頼しておられたからこそ、このような言葉になったのだと拝察申し上げております。
終戦の詔書のお言葉の中には「朕は忠良なる汝臣民の赤誠(せきせい 真心)に信倚(しんい 信頼)し」国民の真心を信頼してというお言葉があります。このお言葉は陛下の、そのお気持ちを率直に表したものと拝察いたしております。また終戦の翌年、昭和21年の元旦の詔書にも「朕ト爾等国民トノ間ノ紐帯ハ、終始相互ノ信頼ト敬愛トニ依リテ結バレ」と仰っておられます。難しい言葉ですが、紐帯とは、紐と帯でありまして、陛下と国民の間の結びつきは終始、信頼と敬愛とによって結ばれているんだということを仰ったわけであります。
そして旧皇室典範、明治天皇がそれまでの皇位承継のあり方などを基礎にしてお定めになられた明治22年の皇室典範は昭和22年国会の議決によって改められましたが、万世一系の男系男子の皇位継承それ自体につきましては、しっかりと維持されてきたのであります。昭和天皇の御心にあった国民の信頼に、国民もまたお応え申し上げたのであります。
爾来、60年が経ちました。ここに至り、政府は皇位承継のあり方を変えようというのであります。終戦により異国の支配を受けるという有史以来の最大の危機に際しても、そしてまた占領国によって押しつけられた憲法によっても、改変が加えられなかった男系男子による皇位継承を変えてしまおうというわけであります。しかも有識者会議の医師会の座長は「論議に歴史観、国家観は入れる必要はない。歴史は我々が作ってゆく」と言い放っております。不遜であり、思い上がりの最たるものでありますが、思い上がり、不遜に留まるものではなく、これらの言葉から窺われるのは一国の歴史と伝統を無視、これを断ち切って新たな国のあり方を作ろうという姿勢であります。それはまさに、私がもって言わしめれば、革命思想と共通する思想基盤の上に立つものと言わざるを得ないのであります。
私ども国民は先の陛下から信頼を頂いておりましたし、陛下の国民に対する信頼は先の陛下に限られるものではなく歴代の陛下におかれても同様であります。陛下の信頼を裏切ってはなりません。絶対に裏切ってはならないんであります。陛下の信頼に応えるためにも皇室の伝統に従った皇位継承のあり方を守り、英知を結集してそのあり方を安定的に維持してゆく方策を図り、そのための制度を確立していこうではありませんか。力を合わせて、それに向けての活動を展開して参りたいと存じます。
そのためには、国会議員の方々のご協力がぜひとも必要になります。私どもは国会議員の方々に皇室典範の改定に慎重な対応を求める署名をお願いして参ります。その国会議員の方の署名は本日までに既に225名に達しております。私どもは、これら国会議員の方々を中心に、私どもと同じ目的に向けて、国会議員の方々の会を設立し、活発な活動をしていただく。このことを心から願い、またその活動に心から期待してやまないものでございます。先生方どうぞよろしくお願いします。終りに重ねて本日お集りの皆さまの絶大なるご協力を衷心よりお願いいたしましてご挨拶とさせていただきます。ありがとうございました。
「それで少しも差し替えないじゃないか。国民の自由意思によって決めてもらって少しも差し支えない」素晴らしい御言葉に頭が下がります。この御言葉をもって
「陛下の御心の中にあったのは、国民に対する大きな信頼」と拝察することは同意いたします。
しかしながら「陛下は有史以来、124代に渡って連綿として受け継いできたこの国のあり方の存続を、何としてでも維持しなければならないとの固い決意を持っておられたに違いありません」という拝察が、何故「万世一系の男系男子の皇位継承」と結び付くのでしょうか?
「違いありません」という結びは「こうあって欲しい」という願望が内包されている場合が多いものです。「万世一系の男系男子の皇位継承であって欲しい」という願望が、御内意と同じという考えに陥っているのでは?
「陛下の信頼に応えるためにも皇室の伝統に従った皇位継承のあり方を守り、英知を結集してそのあり方を安定的に維持してゆく方策を図り、そのための制度を確立していこう」とは、要するに「男系継承を確保する養子案の早期実現」ということ。この案が「陛下の信頼に応える」ことであると、天皇陛下、すなわち現在の上皇陛下に御内意をお聴きしたのでしょうか?
このような「万世一系の男系男子の皇位継承」願望によって「男尊女卑の皇室典範」改正を阻んでいることこそ、「不遜であり、思い上がりの最たるもの」ではありませんか?
「皇室の伝統を守る国民の会」に署名した国会議員の皆さま、どうか、いま一度、設立時の経緯をお確かめください。
「信頼と敬愛とによって結ばれている」のは天皇ご一家と国民。求めるのは
「愛子さま立太子」だけです。
「愛子天皇への道」サイト運営メンバー まいこ
6 件のコメント
daigo
2024年12月30日
文字おこしお疲れさまです。
我々国民が求めるのは愛子皇太子殿下誕生です。陛下からのご信頼を裏切る訳には
いかない!
突撃一番
2024年12月30日
悠仁様が誕生された後にもかかわらず、上皇陛下は皇統の将来を憂慮されるあまり、ストレス性胃腸炎まで発症されたんだぞ。
日本会議が、こんな風にヤンチャカマンチャカ騒ぎ散らしたせいで、小泉純一郎も匙を投げてしまったじゃないか。せっかく素晴らしい報告書を纏めてくれたのに。
奴等はむしろ、上皇様を失望させてしまったんだよ!!
神奈川のY
2024年12月30日
冒頭文からピキッと来ました。
“私たちは、陛下からの信頼を裏切ってはならない”だから男系継承云々・・・”には、
お前らの脳味噌は脳味噌じゃなくて藁束でも詰め込んでるのか?その両目は節穴なのか?尊皇とは何か先人から学び直せウマシカヤロー、コノヤロー!と突っ込みます。なんだこの勘違い甚だしいのはと思いました。愛子さまを観て何も尊皇、恋闕が湧かないとすればそれは愛国者でも何者でもない、ただの餓鬼、亡者の類とも言えましょう、まさに何だこれは、コノヤロー、です。
SSKA
2024年12月30日
昭和天皇が終戦(降伏)を政府に進めさせた経緯にしても国体護持、天皇制を自ら諦らめたり蔑ろにした訳では無く、大空襲と2発の原爆による多大なる被害に悩まれた末のご決断であり、国民の不幸の上に立つ国家を真っ向から否定されているのに、それが何故皇統の男系維持に繋がるのか理解に苦しみます。
旧宮家と言う戦後の離脱当時も、また現在その子孫も国民の支持を全く集められない人々を皇室の方々と同等であるかの様に見紛う神経はどうかしていますし、先の短い暴走老人の世迷い言としか言えない状況が20年前から今も続いているんですね。
基礎医学研究者
2024年12月30日
文字起こし、ありがとうございます。なんか、こういう集会って行ったことがなく初めてみましたが、DOJOなどとはだいぶ異なる雰囲気ですよね(動員かけて集められると、このような感じになるのか)。また、この演者の人の語り口が、一般市民に語っている感じがしない…
まあ、そういう先入観を排除してこの「文字起こし」をみると、妙に力が入っていることを外すと、たしかにまいこさん言われるように、「そうだな~」と思える部分は、ありますね。ただ、男系男子を外すことが(そもそも、この前提は明治からの狭いモノ)国の在り方を変えることにつながる!
これって、一般国民に届く言葉ですかね(この会場の中の方々には届いているのでしょうか?)。この方の文脈でいくと、皇室の存続が不可能になることが、陛下の意向をそむくことになると自分は思いますが、いかがでしょうかね?
しかし、皇位継承問題の議論が進んでいくと、こういう人達の声が大きくなっていくのでしょうね。こういう声が上がってきても、一般常識で跳ね返す、国民の関心の持続が必要なのでしょうね!?それは、非常に参考に合った次第です。
サトル
2024年12月30日
文字起こしありがとうございます。
「男系による安定的な皇位継承を実現する」が…いや、こそが…「陛下からの信頼を裏切る」ことに他ならない。
まさに不遜です。
(誤解を招きやすい表現だが)「愛子さま」だからではない。
そんな考え、態度だから、
「愛子さま」が「奇跡的なご存在」だということがわからないのである。
愛子さまが「奇跡」そのものなのである。
そして「恵み」なのだ!
皇室にとっても。
そして皇室と「信頼と敬愛をもって結ばれている」国民にとっても。
それを国民はちゃんと見抜き「感じている」のだ!
なぜそれがわからぬ!