大阪府の守口市と門真市を守備する守口市門真市消防組合消防本部では、指導救命士が乗車する本部救急隊を消防本部直轄として警備課に配備し、現場活動はもちろん、組織全体の救急教育を担っている。同隊の運用車両として採用されたのがC-CABINだ。
「揺れない」をとことん追及
救急車は「揺れる」という常識を覆すべくC-CABINはボディフレームに特許技術を用いた方法で加工することによりボディ剛性を高め、路面からの振動やそれに伴う車体の捻じれを最大限抑制する構造を有している。救命処置を実施する際の不安定さや傷病者の酔いなどを考慮すれば、救急車は可能な限り「揺れない」ほうがいい。そこで同本部では独自仕様として、フロント、リアともに減衰量調整式のショックアブソーバー(減衰量14段階調整式)に変更。車両本体で衝撃をさらに和らげるよう配慮がなされている。

広い空間と活動範囲の向上
患者室の特徴は広い空間とそれにより活動性が向上されている点だ。付き添いの家族等が着座するシートは方向転換が可能で、座面を跳ね上げれば足元空間を広く確保できる。また、ストレッチャーを中央に配置することで傷病者の左右に活動空間を確保することが可能となった。活動空間が広くなることで、心肺蘇生法を含む救急救命処置等も傷病者の左右から同時に実施でき、処置に要する時間の短縮にも繋がる。あわせて、隊員が移動する際のすれ違いもストレスなく行うことができる。

さらに、レールシステムを採用したフリーレイアウト収納により、従来の救急車と同等の位置に資器材が収納できるように収納庫等を配置。直感的に隊員が活動できる環境を実現しているのも特徴といえる。

