北海道札幌市手稲区にある手稲渓仁会病院では2021年に「こども救命センター」を新設。「後遺症なき救命」を目指し、広大な北海道のどこにおいても重篤な小児を救命する小児救命救急医療の拠点として活動している。同センターでは全道を対象に、小児重症症例の搬送チームが患者のもとへ出向き救急搬送を行う「迎え搬送」を行っており、その活動で重要な役割を担う専用車両の更新にあたりC-CABINが採用された。
広い車内空間が可能とするECMOカーとしての活用
新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、体外式膜型人工肺装置(ECMO)を装着した最重症患者を搬送するといった課題に直面していた同院では、更新車両にECMOカーとしての機能を持たせることにした。当初は広さを確保できるトラック型などで検討が進められたが、車体が大きくなってしまい、対応できる運転手も限定される。そこで着目されたのが、一般的な救急車と同等のサイズながら格段に車内空間が広いC-CABINだった。
C-CABINであれば、ECMOカーとして充分な車内空間が確保できる。これまではスペースの関係からECMO装着患者の搬送は小児に限定せざるを得なかったが、C-CABINとしたことで成人の搬送にも対応可能になった。また、C-CABINの揺れを抑える性能があれば、降雪時の長距離搬送といった過酷な場面でも最重症患者を負担なく搬送可能だ。

同車は加えて、長期的で多目的な運用を目指し、ECMO専用ストレッチャー以外にも通常のストレッチャーや車いす等も搭載できるマルチな性能を備えさせている。

C-CABIN運用者の声

手稲渓仁会病院 診療部 小児科
主任医長 荻原重俊先生 / 医員 奥村遼先生
ECMOや人工呼吸器などを装着した最重症の小児患者搬送にも対応できるよう、細かくカスタムしています。この車両によってより安全で質の高い医療を地域の子ども達に提供できると思います。