松戸市立総合医療センターは地域周産期母子医療センターに認定されており、新生児科には15床のNICU(新生児集中治療室)や18床のGCU(新生児回復室)を有し、24時間体制で新生児医療を担っている。年間約350人の新生児患者を治療し、その際の搬送に活用される新生児専用救急車として、揺れに対するこだわりからC-CABINが採用された。
新生児搬送の大きな課題である「揺れ」を半減
同センターが揺れにこだわる理由は、新生児の受け入れという場面にある。搬送する新生児の多くは危険な状態にある。出生体重が2000g未満の新生児を、挿管等の呼吸管理を行いながら搬送するケースも多く、その際、揺れが命の危険を脅かす最大の敵として襲い掛かる。小さな新生児の呼吸管理では、数ミリ場所が変わるだけでSpO₂が低下するといった事が起こるのだ。
従来車両では対策が困難。しかし、揺れというリスクは改善したい。そんな想いを抱く医師の目に飛び込んできたのが、C-CABIN登場というニュースだった。揺れを改善することをコンセプトの1つに掲げたC-CABINは、車両構造と専用足回り装置により揺れの半減を実現しており、車両全体で揺れを改善するという新たなアプローチが取り入れられている。

また、専用足回り装置として救急車特有の荷重バランスを考慮してリーフスプリング・ショックアブソーバー・スタビライザーを設定しているのだが、同センターの新生児専用救急車ではさらなる揺れの低減を目指し、特別仕様の追加改良が施されている。

その他の特徴

C-CABIN運用者の声

松戸市立総合医療センター
新生児科 副部長 久世崇史先生
/ 新生児科 神保智里先生
新生児患者に適した形にカスタムした救急車を導入できました。電動リフトにより保育器を安全に収容できるようになりました。また、搬送時の揺れも少なく、患者への負担が軽減されています。
(コメント・新生児科 主任部長 鶴田志緒先生)