大分県の別府市消防本部は管轄内に古き良き街並みが残る国内有数の温泉街を有しており、年間を通して多くの観光客が訪れる。同本部では「人命を救う車両で妥協はしない」というテーマのもと救急車更新に取組み、目標実現の担い手としてC-CABINが選ばれた。
広さの確保と揺れ軽減
傷病者の命にとことん寄り添うという視点から、活動を制限しない広い空間や搬送時に苦痛を与えない揺れの低減が必須と考えた。管内では観光客が多数訪問するという地域性から予期せぬ事故の発生も多い。そうした場面における救急サービス向上のためには、従来の救急車以上の性能が必要だと考えたのだ。C-CABINの患者室の広さはCPA時等の活動の幅を大きくし、揺れないことで脳梗塞が疑われる傷病者でも負担なく搬送することができる。このように、別府市消防本部が導入したC-CABINは、傷病者の命に対して直接的な利益をもたらしている。

同乗者の安全性を向上
加えて、隊員や同乗者の安全性も課題とした。搬送途上の救急車の交通事故が各地で増える中、従来型の2点式シートベルトで同乗者が負傷するケースも報告されている。C-CABINの座席は背もたれと3点式シートベルトで同乗者を保護できる。また、従来型救急車は警光灯の配置が限定的で、交差点などで他車から気付かれない事も多かった。C-CABINでは前後だけでなく左右にも主警光灯を標準搭載しており、全周囲に対し発光警示が可能。傷病者と同乗者、そして隊員をしっかりと守る。見逃されがちなこの課題の実現にもC-CABINの性能が活かされている。

その他の特徴

C-CABIN運用者の声

別府市消防本部 警防課 鶴崎博之 消防司令
患者室が広く揺れも少ないので救急活動に好影響を与えています。また、患者室の独立シートや感染症対策として前後を仕切る隔壁があるなど、活動上の安心感も高まりました。さらに、全周位に対応した主警光灯は他車への安全配慮に貢献し、高齢者等への優しさを感じるステップや手すりなど「思いやり」を感じさせる救急車になっています。