和歌山県の中部西岸に位置する湯浅町と広川町の2町を管轄する湯浅広川消防組合消防本部では、増加し続ける救急需要に対し、救急隊員の労務負担の軽減や傷病者の安全性向上という課題に目を向けてきた。そうした中、現場の声が反映され採用されたのが電動ストレッチャーを搭載したC-CABINだった。
従来は隊員3名が手動で行っていたストレッチャーの上げ下げも、電動ストレッチャーであればボタン操作により自動でスムーズに出来る。「安定感も素晴らしく、傷病者に安心安全な搬送を提供してると実感できる。隊員も腰痛が軽減したなど負担軽減を肌で感じている」と、隊員は導入による変化を話す。

車両性能も格段に進化した。C-CABINは患者室に跳ね上げ式シートを採用しており、充実した活動空間を確保。また、走行時の衝撃を緩和するショックアブソーバーやスタビライザーを備え、大幅に揺れを軽減させている。さらに、後部乗降口のステップは階段式となっており、子供やお年寄りにも優しい設計となっている。

加えて同車には、車両後方にブラインド型表示機を装備。「救急活動中」といった文字表示等で周囲に救急隊の活動状況を発信することができる。

和歌山県初のC-CABIN、近畿圏域の消防本部初の電動ストレッチャーを採用した同本部では、これらを活用し更なる地域医療サービスの向上を目指していくことにしている。
C-CABIN運用者の声

湯浅広川消防組合消防本部 副署長兼警防副課長 楠山仁 様
これまで25年ほど救急車に乗務してましたが、車体の揺れが一番少ないと感じました。揺れ軽減装置も容易に調整することができ、地域や道路状況に応じてセッティングが可能で『ここまで揺れが軽減するのか!』と驚かされました。この「揺れない」という性能は、今後、救命率の向上にも反映されていくと思います。