石垣市は東シナ海に浮かぶ八重山諸島の経済や観光の中核を担うリゾートシティで、年間観光客数は136万人を超える。石垣市消防本部では救急車の更新整備に伴い、若い救急隊員らを中心とした検討会を立ち上げて仕様の検討を実施。入札の結果、ベルリングのC-CABINが採用された。
C-CABINを採用した決め手とは
石垣市内には総合病院が3施設整備されており、傷病者を収容してから搬送する病院までの距離が比較的近いのだが、救急車内で大掛かりな処置などを行うケースも少なくはない。C-CABIN最大の特徴といえる「広さ」については魅力を感じたが、それ以上に魅力を感じ、決め手のひとつとなったのが患者室の「床」だった。

石垣島には有名なダイビングスポットが多数点在し、マリンレジャーを楽しむため、国内外から多くの観光客が訪れる。こうした場面で発生した傷病者に対応する場面も多く、救急車へ収容すれば塩分を含んだ砂がどうしても車内に入り込んでしまう。これまでの車両であれば帰署後の車内洗浄に手間や時間がかかり、念入りに作業しても隙間に入り込んでサビや腐食といった傷みを招く原因となっていった。そこで着目したのがC-CABINの「水栓付ウォッシャブルフロア」だった。シリコン目地材を無くし完全防水素材を採用したことで水洗いによる掃除が可能で、ホースを接続すれば容易に水洗いができるこの床は、短時間で今まで以上に確実な洗浄を可能にする。
また、高齢化という地域の実情をふまえると、後部に備えられた「電動2段ステップ」は市民に対して非常に有効で優しい作りなのではないかと感じた。

こうした今までにない仕様の効果に大きな可能性が感じられたことがC-CABIN採用の決め手となった。
車内レイアウト

