神奈川県立こども医療センターの導入事例では、 星野陸夫先生とベルリング代表 飯野の対談記事を掲載していますが、具体的にC-CABINに乗って感じた変化について、現場の先生方にもお話を伺いました。
【目次】
1. サイレンの音が気にならなくなった

神奈川県立こども医療センター 新生児科医師 江原元気先生
江原 以前であればサイレンの音で電話ができず、サイレンを止めるために停車してもらうこともありました。先日、緊急走行中に電話することになったのですが、普通に会話ができて驚きました。
ベルリング サイレンのスピーカーがフロントバンパー内にあることに加え、運転室と患者室の間にある隔壁の密着性を高めることでサイレン音の患者室への侵入を低減しています。注意喚起をしっかり図り、患者さんには優しいサイレンを目指した結果でもあります。
<参考>
▼ サイレン音対策①:サイレントスピーカー

フロントバンパー内に搭載されたサイレンのスピーカー。音の広がりを考慮し、1台が斜め向きに設置されているのもポイント。
▼ サイレン音対策②:患者室の隔壁

運転室と患者室の間にある隔壁は患者室へのサイレン音侵入防止にも役立っている。
2. 患者室が広くなった

神奈川県立こども医療センター 新生児科医師 片岡菜摘先生
片岡 広くなったことは肌で感じます。バギングなどで自分が患者さんに張り付いてないといけないとき、従来であればそこで動線が絶たれていました。今はシートの座面を跳ね上げれば自分の後ろを通ってもらうこともできる。そういう意味で広さの利点を感じますね。

視覚的にも広さを実感できるC-CABINの患者室。
3. 赤ちゃんが驚かなくなった

神奈川県立こども医療センター 新生児科医師 清水達人先生
清水 超低体重の赤ちゃんなどは血管のつながりも弱く、ちょっとした刺激で頭の中で出血が起こってしまいます。例えば、ストレッチャーの上げ下げや車内収容時のロック。「ガチャッ」という音に赤ちゃんが驚いてモロー反射が出るんですが、電動ストレッチャーになったことでロック音や衝撃などもなくなり、反射が出ることもなくなりました。運用上の利便性だけでなく、刺激を与えることがなくなったという点で、確実に患者さんのためになっていますね。

電動ストレッチャーの採用によりスムーズで音や衝撃を最小限に減らすことができた。
4. 揺れなくなった

江原 以前は車体の揺れで、保育器の中で赤ちゃんの身体が飛び跳ねてしまうということがまれにありました。そうならぬように保育器に手を入れ、赤ちゃんに手を添えて対応していましたが、もう今はそういう場面が起こらなくなりました。

路面の凹凸による衝撃で、従来型車両であれば傷病者が飛び跳ねてしまうような状況(写真上)でも、C-CABINは驚くほど揺れが少ない(写真下)。
5. 安心して乗れるようになった

神奈川県立こども医療センター 新生児科医師 高橋恵先生
高橋 患者さんに関わる部分でないので恐縮ですが、患者室のシートが回転するのがすごくありがたいです。横向きのまま長時間乗ると、やはり乗り物酔いで気持ち悪くなってしまうもので。3点式シートベルトというのも安心感が高いので、今までよりも安心して乗ることができます。

様々なシートアレンジで場面に合わせた活動空間の確保、搭乗者保護を可能にしている。
今回は、現場の医師の方々が感じた救急車の変化を各々の視点から伺うことができました。神奈川県立こども医療センターの導入事例では、 この他にも星野陸夫先生とベルリング代表 飯野の対談記事も掲載しています。併せてご覧ください。

<対談記事はコチラ>
電動ストレッチャー搭載で、新生児にも医療スタッフにも優しい救急車。重い保育器も1人で運用できるようになりました。