北斗晶よ、女子プロレスに謝罪しろ⑥

女子プロレスのブック 

 北斗の夫、佐々木健介が新日本プロレスとUWFインターとの団体対抗戦の時、UWFインターの垣原賢人に負けることになっていた。そのため、健介はふてくされた表情で入場していた。それを見た北斗晶は「あんたはプロじゃない」と叱咤したという話が小島和宏の『ぼくの週プロ青春記』の中で紹介されている。
 男子も女子も、そして団体対抗戦もあらかじめ勝ち負けが決まったうえでプロレスの試合をしていることを示すエピソードだ。

 大ヒットした『極悪女王』の中に、「ブック」という言葉が出てくる。プロレスの勝敗はあらかじめ決まっているということを表す言葉だ。プロレス業界では使われていなかった言葉で、プロレスラーたちからはそんな言葉はないと批判をされたりもしたが、いつの間にか普通にプロレス用語として定着してしまった。
 『極悪女王』にも出てくる元全女の選手は、「ブック」という言葉がドラマの中に出てくるが、それも仕事としてやっていた、と「ブック」の存在を認めている。  

  ただ、全女には、「ブック」のない試合も存在していて、勝ち負けが決まっていない状態でリングに上がることがある。それが「ピストル」というもので、相手の体の上に乗ってのレスリング的な抑え込みで勝負が決まる。
 昔の女子プロレスを見ていると、下になった選手が必死にブリッジしてカウントを阻止しようとしている映像があるが、それが「ピストル」で、試合の流れからして不自然だし、面白くもない。

 「ピストル」の存在があるため、全女の試合はシュートだという伝説もあるが、すべての試合が「ピストル」なわけがなく、ほとんどの試合は「ブック」に則った試合になっている。基本、試合の勝敗はあらかじめ決まっている。

 今のプロレスファンの多くは「ブック」の存在を理解したうえでプロレスを楽しんでいる。運営がこう考えるだろうからこの選手が勝つだろうとか、ストーリー的に盛り上がるからこの選手が勝つだろうとか、そういう予想を当たり前にする。

 しかし、対抗戦当時は今とは違い、プロレスファンはプロレスを本当の戦いだと信じていた。「ブック」の存在がばれたら大変なことになることは明らかで、その存在を隠すために、非常に閉じられた世界がつくり出されていた。

 「プロレスにストーリーがあり、結果も決まっている。だから面白い」。小島は本の中でそう述べている。
 プロレスをスポーツでも格闘技でもないと断じる一方で、小島は「プロレスはスポーツ(真剣勝負)である」ということを前提に雑誌をつくっていたことを告白している。
 小島和宏は当時、プロレス業界で圧倒的な影響力を誇っていた雑誌、週刊プロレスで全女を担当していたの人気記者だ。団体対抗戦の裏側を描いた『憧夢超女大戦 25年目の真実』という本も出しており、まさに団体対抗戦の時代に、最前線で女子プロレスの見ていた人物だ。

 「プロレスに関する秘密を知っている者同士、それが世間にバレないように、徹底的に隠しながら生きていきましょうね」という鉄のルールの下に「プロレス村」という世界が出来上がっていた。小島はその「プロレス村」にどっぷりと浸かりこんで記事を書いていた。
 
 小島が「プロレス村」に入り込むきっかけとなったのは、全女で行われたある試合だった。
 場外乱闘の末、先にリングに上がったほうが勝ちになるという、あまりに全女的なルールの試合だ。今後の展開を決めるような大事な試合だというのに。
 選手たちは何がなんでも勝つために、必死になってリングに戻ろうとし、必死になって阻止しようとする。裏事情を知って見ていた小島は、「人間って、必死になるとこんなにもすごい力が出るものなのか?」と感心する。

 そして、その試合の後の取材で、「今度は先に戻ったほうが勝ちとかじゃなくて」と選手が口を滑らせた。
 小島はその言葉に突っ込んで、「今日の試合って、場外乱闘のあと、先にリングに戻ったほうが勝ちってことになってたんだよね?」と核心の質問を投げた。
 絶句する選手に小島はさらに「僕らはプロレスの裏事情を知っているから」と打ち明けたことで選手が心を開いた。
 力の抜けた選手は「もっと早く言ってよぉ~。絶対にバレちゃいけないと思って、ずーっと気を遣ってたんだからね! じゃあ、これからは裏側も含めて話していいの? いろいろ相談してもいいの?」。
 そして、次から会場に行くと、いろんな選手たちから裏側も含めた相談を持ちかけられるようになった。

 この日を境に、小島はスポーツ記者ではなく、「プロレス村」の住人となり、正真正銘の「プロレス記者」になることができ、そしてこのことが週プロ劇場を展開していく上で大きな転機になった、と小島は語っている。

 では、正真正銘の「プロレス記者」になった小島和宏は、どのような週プロ劇場を展開するために、あんなでたらめな記事を書いたというのだろうか?

ストーリー 目次


参考文献および引用元

雑誌・書籍・ネットニュース等
週刊プロレス NUMBER 1993年の女子プロレス 
1995年のクラッシュ・ギャルズ ぼくの週プロ青春記
プロレス少女伝説 憧夢超女大戦 25年目の真実  全女がイチバーン! やっぱり全女がイチバーン!! 吉田豪の"最狂"全女伝説 北斗晶が嫌われる理由  ロッシー小川女子プロレス55年史 ブブカ FUSO magazine NO.91 まるスポ zakzak 2014.09.12
ENCOUNT 2024.02.28 ネットニュース バトルニュース 東スポweb 女子プロレス伝説・超嬢血戦(配信動画)

youtube 
神取テレビ 風間ルミ kazarumiチャンネル 紅夜叉TV【公式】SHOWROOM(吉田豪回) ぶるちゃんねるBULLCHANNELE

 
 
 







いいなと思ったら応援しよう!

humitake
いただいたチップは資料集めなどの経費として使わせていただきます。 よろしくお願いします。

コメント

ログイン または 会員登録 するとコメントできます。
お年玉ポイントキャンペーン noteで記事を買うと 抽選で最大全額戻ってくる 1/9(木)まで 条件・上限あり
北斗晶よ、女子プロレスに謝罪しろ⑥|humitake
word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word

mmMwWLliI0fiflO&1
mmMwWLliI0fiflO&1
mmMwWLliI0fiflO&1
mmMwWLliI0fiflO&1
mmMwWLliI0fiflO&1
mmMwWLliI0fiflO&1
mmMwWLliI0fiflO&1