古語<サチ>の意味は、ある程度わかってきました。まず、霊力をもった猟の矢と、漁の釣針すなわち鉤の意味であるということ。そして転じて、猟漁具で得た獲物のことにも拡大していきます。
さらに深く追求すれば、サチの語源は何であろう? 大野晋説、日本語「t」と古代朝鮮語「l」の変化説があります。日本古代語の「t」が朝鮮語の「l」に対応するといいます。例をあげますと、
日本古代 朝鮮古代
pati 蜂 pol
kati 徒歩 kol
tati 複数 til
mitu 水 mil
kutu 口 kul
sati 矢 sal
(朝鮮語の発音記号 o と i には上に横点々がつきます)
これだけ語例が集まると、「なるほどサチは朝鮮語のサルから来ているのか」と思います。しかしサルでは「矢」であって、釣針・鉤の意味がみえません。
釣針の「鉤」は『古事記』の海サチ山サチにたびたび出て来ます。読みは常に「チ」です。古語では矢・箭は「サ」です。サルの末尾子音Lが落ちたのかもしれませんが、矢は「サ」で釣針の鉤は「チ」。ですから「矢鉤」が「サチ」と素直に考えるとわかりよいと思います。
また「チ」は血です。赤い血は生命力の象徴であり、神秘的呪術的な力を「チ」ともよびました。カグツチやオロチのチです。鉤を「チ」というのには、そのような思いが込められているのではないか、そのように考えています。
次回は『万葉集』から幸をみてみます。
<2012年7月28日>
さらに深く追求すれば、サチの語源は何であろう? 大野晋説、日本語「t」と古代朝鮮語「l」の変化説があります。日本古代語の「t」が朝鮮語の「l」に対応するといいます。例をあげますと、
日本古代 朝鮮古代
pati 蜂 pol
kati 徒歩 kol
tati 複数 til
mitu 水 mil
kutu 口 kul
sati 矢 sal
(朝鮮語の発音記号 o と i には上に横点々がつきます)
これだけ語例が集まると、「なるほどサチは朝鮮語のサルから来ているのか」と思います。しかしサルでは「矢」であって、釣針・鉤の意味がみえません。
釣針の「鉤」は『古事記』の海サチ山サチにたびたび出て来ます。読みは常に「チ」です。古語では矢・箭は「サ」です。サルの末尾子音Lが落ちたのかもしれませんが、矢は「サ」で釣針の鉤は「チ」。ですから「矢鉤」が「サチ」と素直に考えるとわかりよいと思います。
また「チ」は血です。赤い血は生命力の象徴であり、神秘的呪術的な力を「チ」ともよびました。カグツチやオロチのチです。鉤を「チ」というのには、そのような思いが込められているのではないか、そのように考えています。
次回は『万葉集』から幸をみてみます。
<2012年7月28日>
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます