公衆浴場とトイレ使用の「境目」
――LGBT法が施行されたうえで、最高裁で女性トイレ使用制限が違法だということになれば、「制限なし」の流れが定着しませんか。
「LGBT法施行の日(6月23日)に厚生労働省は『共同浴室の男女の取扱いについて』という通達を出しました。そこでは性自認が食い違う人の入浴に制限がついています。『心が女性でも女湯に入れるわけではない』という通達が出たということは、トイレにも類推されるべきでしょう」
厚労省医薬・生活衛生局生活衛生課長が都道府県などの担当部署に出した「公衆浴場や旅館業の施設の共同浴室における男女の取扱いについて」と題した通達にはこう書かれている。
<男女とは、風紀の観点から混浴禁止を定めている趣旨から、身体的な特徴をもって判断するものであり、浴場業及び旅館業の営業者は、例えば、体は男性、心は女性の者が女湯に入らないようにする必要があるものと考えている>
日本には性同一性障害(性別不合)にかかる特例法があり、トランスジェンダーのなかでも医療を必要とするほど身体的違和がある人に限って、性別適合手術の道を開いて「他の性別への変更」を認めている。通達は、体も女性でなければ入浴は認めない。
――浴室での制限が認められれば、女性トイレの制限も認められますか。
「浴室はもともと公衆浴場や旅館業の管理要綱などによって混浴が禁止されています。理解増進法の施行に合わせて、身体的特徴を判断基準と明言したのは大きい。
先行した国では性自認で法的性別を変更できる国があり、パスポート上は女性でも男性器がついた人が日本に入国している現実があります。それを日本は少なくとも『入浴』では認めず、それはトイレでも同じだという判断基準にはなります」