同じ数を掛けたものを、「二乗」と言います。2×2は「2の二乗」です。一桁の数の二乗は九九を知っていれば簡単に答えられますが、二桁の数の二乗は筆算なしでは難しいという人も多いかもしれません。
しかし、ある工夫をすると、暗算でも答えが出せますよ。
問題
次の計算を暗算しなさい。
59×59
※制限時間は10秒です。
解答
正解は、「3481」です。
どのように計算すればよいか、分かりましたか?
次の「ポイント」で、暗算方法を確認してみましょう。
ポイント
この問題のポイントは、「切りのよい数(一の位の数字が0になる数)にして計算すること」です。
今回は、59と近い60を使います。
具体的な暗算手順
具体的な暗算手順は次の通りです。
手順1:一方の59に1を足して、60にする → 59×(59+1)=59×60※
手順2:もう一方の59から、手順1で足した数1を引く → (59−1)×60=58×60
手順3:手順2でできた掛け算の計算をする → 58×60=3480
手順4:手順1で足した数を二乗して手順3の答えに足す → 3480+1×1=3481
※60×59も可
「59×59」よりも、「58×60」の方が暗算しやすいですよね。このように、一方の数を「一の位が0の数」に変換することで、二乗の計算がしやすくなります。
二乗の暗算手順
この暗算手順、どんな二桁の二乗にも使えるよう一般的な形にしてみると、次のようになります。
<AB(十の位がA、一の位がBの二桁の数の二乗を求める方法)>
手順1:一方のABに一の位が0になるようなCを足す → AB×(AB+C)
手順2:もう一方のABから、手順1で足した数Cを引く → (AB−C)×(AB+C)
手順3:手順2でできた掛け算の計算をする
手順4:手順1で足した数を二乗して手順3の答えに足す → (AB−C)×(AB+C)+C×C
この計算で二乗の答えが求められる理由
では、このような計算で二乗の答えが求められるのはなぜでしょうか。
(AB−C)×(AB+C)の掛け算を展開してみると、その理由が分かります。
(AB−C)×(AB+C)
=AB×AB−AB×C+AB×C−C×C ←太字の部分が打ち消しあう
=AB×AB−C×C
計算結果にAB×AB(ABの二乗)が現れましたね。
「AB×AB」から「C×C」を引いたものが「(AB−C)(AB+C)」になるのですから、逆に言えば、「(AB−C)(AB+C)」に「C×C」を足したものが「AB×AB」になります。
(AB−C)(AB+C)=AB×AB−C×C ⇔ AB×AB=(AB−C)(AB+C)+C×C
ABCだと分かりにくいという人は、今回の問題の数字を使って確認してみましょう。
(59−1)(59+1)
=59×59−59×1+59×1−1×1
=59×59−1×1
(59−1)(59+1)=59×59−1×1 ⇔ (59−1)(59+1)+1×1=59×59
一方の数に1を足し、もう一方の数から1を引いて掛け、最後に1の二乗を足しているので、先に見た二乗の暗算手順と同じ計算をしていることが分かります。
まとめ
二桁の二乗を暗算する場合は、まず、「何らかの数を足して、一方の数の一の位を0にする」ことを考えます。次に「一方の数に足した数を、もう一方の数から引いて掛け算」します。最後に、「掛け算の答えに、先の手順で足した数の二乗」を足します。
これは一方の数の一の位が0になると、計算の負担感が「二桁×一桁」と同じになることを利用した暗算方法です。二乗の計算が出てきたら、ぜひ試してみてくださいね。
※当メディアでご紹介する数学関連記事においては、複数の解法をもつものもございます。 あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。
文(編集):VY
数学とIT技術学習が趣味のWebライター。実用数学技能検定2級と数学教員免許を取得後、家庭教師や学習支援スタッフとして数学指導を行ってきた。文系と理系の別、年齢にとらわれない、誰でも楽しめる数学解説作成を目指している。
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