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BENNIE Kの終焉に寄せて

女性2人組のヒップホップグループ・BENNIE K(ベニー・ケー)が2022年1月24日に活動を終了した。
2001年に結成…とはいえ、2009年から13年間も休止していたので、実働は8年ほどの活動期間だった。
今回はそんな彼女たちにまつわる個人的な思い出と思い入れを書き連ねることにする。

出会い

不肖からふね、2004年から3年ほど東京で働いていたことがあった。Web関係の仕事をしっかりやりたいと一念発起しての、遅い上京だった。
でも最初に入った会社からは試用期間途中で「戦力外通告」を受け、慌てて池袋のハローワークに行って見つけた会社でどうにか落ち着けたものの、Web以外の雑務を死ぬほどやらされて、毎日終電間近に帰宅。
元々鬱を抱えていたのを、家族の反対を押して上京したもので、睡眠不足も慢性的に続いていて、何もかも上手くいかないことばかりだった記憶がある。
それでも音楽は好きで、部屋ではラジオやCD、そしてその頃流行り始めたiPodを抱えて池袋とか新宿によく遊びに行っていたっけ。

ある日、何気なくテレビで流れたコカ・コーラのCMから聴こえて来た歌声に耳を奪われた。

調べてみると…べにー・けー? 聞いたことない名前だな。
今みたいにShazamとかSpotifyなんてものはなかった時代だから、小さなメモをポケットに忍ばせ、池袋のHMV(メトロポリタンじゃなくてサンシャイン通りにあった方)に赴いた。
試聴台を探しまくって見つけたのが、3rdアルバムの「Synchronicity(シンクロニシティ)」

聴いたけど…めっちゃかっこいいけど…コカ・コーラのCM曲っぽいの入ってへんやんけ! なんなんこれ…
そう落胆していたワシの耳に飛び込んで来たのが4曲目の「サンライズ」だった。

美麗で唯一無二のYUKIの歌声、力強さと繊細さを兼ね備えたCICOのラップ、一聴してすぐ覚えてしまうメロディ、キラキラしたオケ…
目当てのCM曲が聴けなかったことなど頭からすっ飛んでしまうぐらいの衝撃を、この曲からもらった。
そして。

間違いなんて 笑い飛ばし
迷惑だってかけちゃって
何遍だってやり直せる
You can make it right
Cause' I know it

BENNIE K「サンライズ」より

この一節からは…この時から今に至るまで、随分勇気をもらって来たと思う。
その後「Synchronicity」のCDを抱えてレジに向かったのは言うまでもない。

コカ・コーラのCM曲「Dreamland」は後年カラオケで散々歌ったっけ。
秋になると「Sky」をよく聴いていた。
初夏になると「オアシス」のDiggy-MO’の「アララララア」が欠かせないし、冬になると「A love story」でSEAMO塾長とのコラボが聴きたくなった。
ちょっと遠出する時には「Joy Trip」とかね。
もう枚挙に暇がない。ずっとずっとBENNIE Kを聴いていた。

ワシ自身は鬱が悪化して結局ボロボロになって大阪に帰って来たんだけど、大阪に戻ってからもBENNIE Kは聴き続けていた。
その頃入っていたmixiのBENNIE Kコミュニティ主催の、オールナイトカラオケ大会によく参加していた。
ヒップホップ・ユニットの常として色んなアーティストとコラボしていたから、選曲のネタに困ることはなかった。そして〆は皆で「サンライズ」を大合唱! 楽しかったなあ。
それでもライブに行ったことはまだなかったのだ。

彼女たちのライブには都合2回行った。
1回目はFM802の番組主催のイベント。対バンに確かSEAMOとSOFFetだったと思う。生で聴けたのは嬉しかったけど、消化不良だった気もしていた。

突然の活動休止、そして「モノクローム」

auのCMにローリング・ストーンズのカバー「サティスファクション」が起用されてどんどんメジャーになっていくBENNIE K。
超人気俳優・小栗旬の初主演ドラマ「貧乏男子(ボンビーメン)」の主題歌に「モノクローム」が採用された。
順風満帆そのもの…と気楽に考えていた最中、何故かベストアルバムが立て続けに発売された。

一抹の不安を感じつつ、ライブツアーに参戦。念願のライブだった。ワシにとっては初めての、そして最後のライブだった。ZEPP OSAKAがまだ南港にあった頃。
満員の観客に押しつぶされそうになりながら、タオル振り回して歌って踊ってました。

その後告知されたのは「シンガー:YUKIの表舞台からの引退→プロデューサー転向」、そして「BK Projectの立ち上げ」。

一体何があったのかは知る由もない。
今思えば「モノクローム」は悪い意味で彼女達らしくない曲だった(大好きな曲ですけどね)。レコード会社と方向性の違いがあったのか…
BENNIE BECCAなるユニットを結成したものの、率直に申し上げてBENNIE Kの二人ほどの「マジック」は起こせず、いつしか2人はメジャーシーンから姿を消してしまったのだ。
YUKIは楽曲提供やプロデュースに専念し、CICOは時たまコラボに参加したりしていた程度だったと思う。

FINALE

それから12年。

正直…
なんか分かんない内に自然消滅するユニットも多い中、ちゃんと「終わらせてくれる」ことに感謝している。
再結成して欲しかったし、もう一度ライブも観たかったけど、YUKIは楽曲制作やプロデュースに傾倒しているみたいだし、CICOはお母さんになった。
ならば、2人のこれからの幸せを祈ることが、2人の音楽に何度も救われて来たファンがやるべきことだと思った。

今YouTubeで「BEST OF THE BESTEST TOUR '08」の映像見ながら、しんみりしています。
YUKIちゃん、いい音楽と、いい歌を、これからも。
CICOちゃん、お子さんを大切にしてあげてね。

BENNIE Kは、唯一無二のユニットでした。
本当にありがとうございました!

後日、彼女たちの作品群をがっつり紹介します。
とりあえずSpotify貼り付けておきます。


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コメント

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たこやきの国在住、酒と音楽とサッカーに人生を狂わせた独男。有安杏果への偏愛。
BENNIE Kの終焉に寄せて|からふね
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