筆算を習ったとき、繰り下がりのある引き算は面倒だなと思いませんでしたか? 大きな数の引き算で繰り下がりが起こりそうになったら、電卓に頼りたくなるかもしれませんね。
しかし、ちょっとした工夫をすると、「三桁の繰り下がりのある引き算」でも暗算が簡単になりますよ。
問題
次の計算をしなさい。
811−786
※制限時間は10秒です。
解答
正解は、「25」です。
この計算では、一の位でも十の位でも繰り下がりが起きます。
しかし、次の「ポイント」で紹介する方法を使えば、どちらの繰り下がりも回避しつつ、答えを出すことができますよ。
ポイント
この問題を暗算するには、「引く数を繰り下がりが起きない形に変換する」ことがポイントになります。
引く数を786に近くてキリのよい800という数に変えてみましょう。
811−786→811−800
もとの式に比べ、「811−800」は一の位でも十の位でも繰り下がりが起きないので、とても計算しやすいですね。
ただし、「811−786」と「811−800」は、当然ながら別の式なので、計算結果は違うものになります。では、どのぐらい違うのでしょうか。
800は786に比べて、14多い数です(800−786=14)。「811−800」は「811−786」よりも14多く数を引いてしまっているのです。ということは、「811−800」の答えに多く引いた分の14足してやれば、「811−786」の答えと一致するはずです。
具体的には、以下のように計算します。
811−786
=811−800+(800−786)
=811−800+14
=11+14
=25
「811−800」はすぐに11と分かるので、後はこれに14を足すだけです。これなら、暗算も簡単ですよね。
この繰り下がりのある引き算を暗算する方法を一般化すると、次のようになります。
a−b
=a−b'+(b'−b)
※b'はbに近くキリのよい数
a−b'+(b'−b)の括弧を展開して計算すると、
a−b'+(b'−b)
=a−b'+b'−b
=a−b
−b'とb'が打ち消しあうので、もとのa−bの式に戻るのが分かりますね。
まとめ
今回の問題では、繰り下がりのある引き算の暗算方法を紹介しました。
引く数を繰り下がりのない形に変換すると、計算が楽になります。変形によってずれてしまった答えは、後からその差を足したり引いたりすることで、本来の引き算の答えに修正できます。
このような暗算方法はインド式計算法の一種として知られています。他の問題でもインド式計算法を紹介していますので、興味がある人は引き続きいろいろな問題に挑戦してみてくださいね。
※当メディアでご紹介する数学関連記事においては、複数の解法をもつものもございます。 あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。
文(編集):VY
数学とIT技術学習が趣味のWebライター。実用数学技能検定2級と数学教員免許を取得後、家庭教師や学習支援スタッフとして数学指導を行ってきた。文系と理系の別、年齢にとらわれない、誰でも楽しめる数学解説作成を目指している。
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