日本一のオールラウンダー古性優作(33=大阪)が、日本一の先行・脇本雄太を差して、21年の当地以来3年ぶり2度目のグランプリ制覇を果たした。過去最高の優勝賞金1億4000万円を積み上げ、年間獲得賞金は3億8000万円を突破。脇本の記録(3億584万2300円)を更新した。

近畿勢を追走した清水裕友が2着に入り、脇本は3着に粘った。


KEIRINグランプリを制しシャンパンファイトする古性優作(撮影・鈴木正人)
KEIRINグランプリを制しシャンパンファイトする古性優作(撮影・鈴木正人)

 
 

脇本-古性を逃がしてはいけない。対戦相手の誰もが分かっているはずなのに、その流れになってしまう。決して運なんかではない。これがこのコンビの実力なのだ。


残り2周で先頭に立った北井のペースが上がらない。正攻法の真杉は下げるに下げられず、3番手の岩本に飛び付いた。隊列の短くなった6番手から脇本が“待ってました!”とばかりに前団をたたくと、あとは古性が抜くかどうかだけの展開になった。


「勝手に口が空くぐらいの加速と、かかりだった。もう誰も来られないと思いました」


KEIRINグランプリを制した古性優作(右から3人目)
KEIRINグランプリを制した古性優作(右から3人目)

KEIRINグランプリを制し笑顔を見せる古性優作(左)と脇本雄太(撮影・鈴木正人)
KEIRINグランプリを制し笑顔を見せる古性優作(左)と脇本雄太(撮影・鈴木正人)

前夜の指定練習で脇本は、冬場とは思えないタイムをたたき出していた。「脇本さんのピーキングがうまいのは分かっていたけど、合宿の時とは別人やった」。この光景には見覚えがある。22年の平塚GP。そこまで調子の上がっていなかった脇本がGP前夜に突如覚醒。そのまま優勝をかっさらった。


しかし、2年の歳月と経験が2人の実力差を埋めていた。「僕自身も今年一番の出来に仕上がったなと感じた。走るのが楽しみになりました」。

ゴールを真っ先に駆け抜けた古性の、脇本をリスペクトする感情はさらに増した。ウイニングランで古性は、脇本の右手を高々と挙げて競輪史上最強の先行選手をたたえた。


花束を手にする古性優作(右)とプレゼンターの熱海富士
花束を手にする古性優作(右)とプレゼンターの熱海富士

今年は窓場千加頼、寺崎浩平が本格化した。「僕も脇本さんもラインに助けてもらってGPに出られた。また僕らが若手を援護してどんどん自信をつけてもらいたい」。2トップが同じベクトルを向いて進めば、また1段階も2段階も近畿は強くなる。


来年に目指すのは、日本選手権と競輪祭のタイトル奪取。「ダブルグランドスラム」は、もはや絵空事ではなくなった。【松井律】


KEIRINグランプリを制し賞金ボードを掲げる古性優作(撮影・鈴木正人)
KEIRINグランプリを制し賞金ボードを掲げる古性優作(撮影・鈴木正人)

◆古性優作(こしょう・ゆうさく)1991年(平3)2月22日生まれ、大阪市出身。清風高卒。BMXから競輪に転向。競輪学校(現養成所)100期生として11年7月に岸和田でデビュー(予選1、準決1、決勝1)。21年8月いわき平オールスターでG1初Vを飾り、今年10月の寛仁親王牌までG18勝。21年、今年と静岡でGP制覇。通算1093戦347勝。通算獲得賞金は12億8094万8096円。168センチ、77キロ、血液型O。