冬休みや年末年始 ひとり親家庭の約9割が心配や困りごと

(写真:デコレーションしたケーキを切り分ける様子)

「冬休みにどこにも連れて行ってあげることができません。冬休み明けに、みんなの楽しそうな旅行のお話しを、どんな気持ちで聞くのだろうと胸が締め付けられます」(2023年の下記調査から抜粋)

認定NPO法人「グッドネーバーズ・ジャパン」が2023年に、フードバンクを利用するひとり親家庭を対象に行った調査(※1)によると、回答者の約9割が冬休みや年末年始においての心配や困りごとを抱えているという。

▼家にいる時間が長くなるため、水道光熱費や食費の支出が増えること、▼お正月・クリスマスなどの季節のイベントに際して、特別な食事や品物を用意したくでもできないことなどが、困りごととしてあげられた。

グッドネーバーズ・ジャパンのフードバンクの情報を、支援家庭に提供するなどといった連携をしているキッズドアの渥美未零さんは「ひとり親家庭の中には、クリスマスやお正月といったキラキラした年末年始を楽しめない家庭も多い」と指摘する。

キッズドア 渥美未零さん
「今年の夏からジワジワと続いている値上げの打撃がとても大きいです。電気代やガソリン代も高騰していますし、おコメの価格も高いままなので、親は1日1食にせざるを得なかったり、子どもは朝と昼を兼用にしたりしている家庭もあります。食事をとらない親を見て、子どもが『お腹いっぱい』と言うようになってしまったという話も聞きました。

その影響なのか、子どもの体重がなかなか増えなかったり、肌荒れがひどくなってしまったりということに悩む親もいて、『食べさせてあげられないことが情けない』と悲痛な声も。

ひとり親家庭にとって、クリスマスやお正月は、あってないようなものではないでしょうか」

キッズドアでは、そうした家庭を対象に食糧支援も行っている。「一緒に料理をするなど親子で時間を過ごし、少しでもクリスマスやお正月の気分を味わってほしい」と、この冬は“ちょっとした工夫”を提案する食品を送るという。

キッズドア 渥美さん
「プレゼントをもらったり、あげたりすることで心が温まるという経験も大事だと思いますし、クリスマスやお正月の思い出があるということは、子どもが親になったときにも影響するはずです。

お正月といえばの餅やそば、それに具材を少しプラスすることでもっと楽しめるパスタソースやグラタンを用意したので、親子で何を入れるか話したり、一緒に料理したりすることで経験の一つになればと思っています」

(※1)認定NPO法人グッドネーバーズ・ジャパンが、2023年12月1日~12月10日にフードバンクを利用するひとり親家庭を対象に行った調査(回答者数:3550人)