原口議員提訴に踏み切った明治製菓ファルマと医療を語る資格

今日はこの話題です。
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1.原口議員提訴に踏み切った明治製菓ファルマ


12月25日、Meiji Seika ファルマ社は立憲民主党の原口一博衆院議員を名誉棄損で東京地裁に提訴したと発表しました。

Meiji Seika ファルマは原口議員が動画投稿サイトなどのSNS上で、「誹謗中傷を繰り返している」とし、特に、コスタイベの開発元のMeiji Seikaを「731部隊」、レプリコンタイプの次世代mRNAワクチン・コスタイベを「3発目の原爆」や「生物兵器まがい」、コスタイベの臨床試験を「殺人に近い行為」と繰り返し表現・発言していることを指摘し、不法行為による損害賠償請求権に基づき、1000万円の損害賠償を求めました。

民間企業が現役の国会議員を名誉棄損で提訴するのは前代未聞で、今回が初めてのケースになります。

Meiji Seikaの小林大吉郎社長はこの日に開いた記者会見で、コスタイベは適法な承認プロセスを経て承認を取得した「何ら瑕疵なく開発された新型コロナワクチン」と強調。原口議員について、「国会議員として、厳格に規制された手続きを経て、コスタイベが審査され、承認された経緯を十分知り得る立場にある」にもかかわらず、コスタイベを開発したMeiji Seikaのことを旧日本軍の悪名高い“731部隊”と表現したり、コスタイベを“生物兵器”などと表現して誹謗中傷を繰り返していると指摘。「社会的に新型コロナワクチンに対していろいろな考え方があることは理解できる」ものの、「いろいろな意見や論評を超えた発言であり、いくら何でも放置できない」と批判しました。

小林社長は、当初は消極的だったという提訴に踏み切った理由として、原口議員による誹謗中傷により、「新型コロナワクチンやMeiji Seikaの社会的信用は大きく傷つき、接種率の低下を招いている」としたほか、原口議員が反ワクチン派の中心人物のひとりだとした上で、「ワクチン反対派の活動によって、通常業務を妨げられたり、精神的に大きな打撃を受けている……このような状況を放置し、偽誤情報が蔓延すれば、本来ワクチンを接種すべき人にワクチンが届かなくなる事態が発生し、公衆衛生上の脅威になると考え、今回の提訴に踏み切った」と説明しました。

この日の会見に同席したMeiji Seikaの松田誠司弁護士は、原口議員による誹謗中傷の損害額は最大55億7120万円にのぼるが、まずはその一部として1000万円を請求することにしたと説明。原口議員による問題発言は4類型あるとし、(1)Meiji Seika ファルマを731部隊になぞらえた複数の発言、(2)コスタイベの承認に係るプロセスが不公正との旨の発言、(3)コスタイベが生物兵器であるとの発言、(4)Meiji Seika ファルマがコスタイベの開発にあたり人体実験を行っているとの発言――を列挙しました。

そして、これら4類型の発言により「Meiji Seika ファルマの社会的評価を著しく低下させた」と述べています。

また、損害賠償請求額が1000万円と少額な点に関して小林社長は、「今回の訴訟は金銭を目的としたものではない……当社および社員の名誉回復を図りたいということが争点であり、第一の目的」だと述べる一方で、「今回の争点ではない。あくまで誹謗中傷が争点」と明言したが、「今回の訴訟を通じて、サイエンスコミュニケーションにまで議論が拡大することは当然あり得る」と客観性と科学性を基盤とする医師と接種者・患者とのサイエンスコミュニケーションへの影響も否定しませんでした。

要するに、原口議員のデマ発言によって名誉棄損された、という訳です。




2.私は売りたくない!


また、Meiji Seika ファルマは、19日に〈書籍に関する社内調査により判明した事実について〉と題するプレスリリースを行っています。

この書籍というのは、今年9月18日に方丈社から出版された「私たちは売りたくない! “危ないワクチン”販売を命じられた製薬会社現役社員の慟哭」で、版元によると、発行部数は16万部、Amazon総合ランキング1位、12月中旬現在で7刷と中々の売り上げです。

この本は冒頭で「私たちは日本で最も多く販売している製薬企業Meiji Seika ファルマ株式会社という企業に勤めています」と、著者がMeiji Seika ファルマの社員であることを明かしています。

Meiji Seika ファルマのリリースでは、社内調査で次の事実が判明したとしています。
▽書籍の執筆に関わった社員は1人のみ。著者として記載されている現役社員グループによる編集チームとされる「チームK」は実在しない
▽執筆した社員と「チームK」の由来とされる故人の元社員は、面識を含めて接点がなかった
▽執筆した社員は数年前からSNSなどを通じ、新型コロナワクチン接種に反対する動画などを複数回配信していた
▽執筆した社員はワクチン接種に反対する人物らと接点を持ち、別の書籍も共著していた
筆者はこれを読んで、正直、「で?」という感想しか持てませんでした。執筆した社員は「反ワク」だから、そ奴が書いた本など信用するな、とでもいいたいのでしょうか? 信用できないというのなら、その本の内容に反論すればいいだけです。

因みに12月26日現在、アマゾンのカスタマーレビューでのこの本の評価は5点満点の4.5、「全日本国民必読の書。」「たくさんの人に読んでほしい」「 読んでおいたほうが良い一冊」など高評価のコメントが並んでいます。

筆者も読んでみたのですけれども、平易な内容で、ワクチンそのものが危ないというよりは、開発体制、開発・承認プロセスなどの異常ぶりが縷々述べらています。いわば開発がなってないと内部告発されたようなもので、会社としては全力で反論するなり、是正しなければならないと思います。

Meiji Seika ファルマのリリースでは、出版元に対して「正確な記載に訂正する要請をしている」とありますけれども、一体、どこを訂正するのか。そもそも訂正するところがあるのかなど、ちょっと気になります。



3.裁判中につき回答は控えます


今回の提訴について、ネットでは「訴訟? IRをきちんとなさることがまず先決ではないでしょうか? 企業としてどういう製品を提供しているのか? 自社の社員が亡くなった経緯、そのいきさつ、出版された内容への反証。それがなくいきなり訴訟だととても飛躍している印象を受けますが。」とか「ワクチンへの懸念については理解している⁉︎と言いながら科学的根拠は一切示さない(示せないのでいつもの審議会丸投げ)自社の治験結果も非公開のまま原口議員を訴え国民を敵に回すとは!少なくともこの社長はもう終りだね🤗」とか、「おそらく論点をずらして、誹謗中傷で勝訴することによって、原口さんのイメージダウンと口止めをし、それによってワクチンの信頼を回復する事が狙いか?」とか、科学的な反論すらせずに裁判で口封じさせるのかといった意見が目立ちます。

10月26日のエントリー「原口議員を訴える明治製菓ファルマ」で、レプリコンワクチンについて、「mRNA ワクチン中止を求める国民連合」が7月24日付でMeiji Seika ファルマに対しての公開質問状を出していることを取り上げましたけれども、この公開質問状について、Meiji Seika ファルマは「公開質問状については何を答えていいか分からなかったので、答えていないということです。質問の内容が荒唐無稽だったんです」と、訴訟の経緯説明では、公開質問状に触れさえもしませんでした。

あれほど明解な質問なのに「何を答えていいか分からない」とは余程理解力に欠けているか、読んでいないかのどちらかではないかと思います。

こんなお粗末な状態でなぜ訴訟に踏み切ったのか、よく理解できなかったのですけれども、あるネット投稿の「裁判中で係争中ならば、国会に呼び出されて質問されても「その件は、裁判中につき 答えを控えます」と言えるから?」という書き込みが目につきました。

なるほど、聞かれたくないことを答えなくてもいいように、先手を打ったということですか。でもそれで、突如、皆がレプリコンワクチンを接種するようになるとは思えません。ただの時間稼ぎで終わるのではないかと思います。




4.反ワクのレッテル張りして排除する低知能者


レプリコンワクチンについては、東京医科大学の青柳貞一郎名誉教授が、8月31日に自身のブログで「レプリコンワクチンをめぐる問題」という記事をアップしています。

そこから一部を引用すると次の通りです。
III.  コスタイベ筋注用について
厚労省は、2024年10月1日以降に新型コロナウイルス感染症に対する世界に先駆けて接種開始となるJN1株(オミクロンBA2の亜種)に対する明治製菓ファルマのレプリコンワクチンの概要について5月29日に公開しています。内容は起源株(武漢株)を用いたレプリコンワクチンをベトナム人16,000名に対してデルタ株が流行している時期にファイザーのコミナティワクチンと比較した所、起源株に対して非劣勢(同等)の中和抗体価が6か月継続。有害事象はコミナティと有意差なし。BA.4-5(オミクロン株)対応の2価ワクチンを追加免疫した所、コミナティよりも抗体価が高く、有害事象は有意差がなかった。日本人に投与予定のJN1株に対してはマウスを用いた試験しかしていないが、良好な抗体価が期待できる、という内容でした。

IV.  ワクチンとしての良い点、悪い点
後でレプリコンワクチンの構造(しくみ)や、ベクター型遺伝子ワクチンとの違い、遺伝子ワクチンが免疫寛容(免疫力が弱まる事)を起こす理由などを説明しますが、ざっと今回のレプリコンワクチンの良い点、悪い点をまとめます。

良い点  1)抗原にRBD(レセプター結合部位)(図)のみを用いているため、スパイク蛋白全体を抗原に用いた従来の遺伝子ワクチンよりも理論的には抗原原罪は起きにくく、ウイルスに変異が起きてもRBDが大きく変わらなければ抗体は有効である。スパイク蛋白全体を作らないので血栓などの有害事象が起きにくい可能性がある。2)mRNA自体にシュードウリジンを用いていないのでmRNA自体の分解は速やか。3)LNP(脂質ナノ粒子)をキャリアに使用できるため、ベクターとなるウイルス感染は不要。

今までのワクチンと異なり、スパイク蛋白全体ではなくレセプター結合部位(RBD)のみを抗原にしている。Nターミナルドメイン(NTD)や以下のS2部位が一つの蛋白となって、それが3本集まると(左の)スパイクタンパク質となる。また感染するにはRBDが活性化(UP)している必要があると言われる。

悪い点  1)健康な細胞に遺伝子増殖のためにαウイルスの一部を新たに感染させる必要があり、これが長期的に健常細胞と人体全体に与える影響について未知である。2)増殖のブレーキが設定されていないので、産生されるスパイク蛋白RBDがいつまで続くか、量的にどれだけ産生されるか個人差の想定ができない。3)抗原の大量刺激は免疫減弱を起こすIgG4産生の原因となる。4)遺伝子ワクチン全ての欠点である工業製品としての品質一貫性の保証がない(一定の割合で生物的に意味不明の遺伝子が製品に入る。コミナティは30-40%がどんな遺伝子か分からない状態だった)。5)生物の進化の過程を無視したワクチンであり、健常細胞の異物化による自己細胞障害の誘発(自己免疫疾患)、発がん監視機構の減弱化が起こる。
青柳名誉教授は、レプリコンワクチンの良い点、悪い点をそれぞれ挙げていますけれども、筆者は悪い点の5番目にある「生物の進化の過程を無視したワクチン」という一文が非常に気になりました。こんなの体に入れて大丈夫なのか、というのが素直な感想です。

青柳名誉教授は、レプリコンワクチンの結論として「私はレプリコンワクチンを使わないと死ぬ確率が高い状態であれば「使う」ですが、新型コロナ予防のためには「使わない」です。」と述べています。政府がよくいう「リスクとベネフィット」を天秤に掛けて判断すればよいということのようです。もちろん、今現在はレプリコンワクチンを使わないと死ぬ、という状況ではありません。

そして、青柳名誉教授は、この記事の最後を次のように締めくくっています。
医療には必ずリスクが伴います。リスクよりも医療を行う事によるベネフィットが大きいならば、敢えてリスクを承知で医療を行う正当性が生まれます。ワクチン接種は健常人に対して行う医療行為です。医療を受けた結果病気になったり、増して死亡するなど絶対にあってはならない事です。その厳しさを理解せず、安易に予防医療(コレステロール低下や抗血栓治療含む)やワクチン接種を行ってはいけないのです。私はワクチン投与全てを反対する者ではありませんが、コロナワクチンに対する異論を簡単に「反ワク」などとレッテル付けして排除するようなレベルの低知能者は医療を語る資格はありません。医療を受ける時は必ずリスクとベネフィットを比較して熟考した上で、最悪の有害事象も受け入れる覚悟をした上で医療を受ける必要があります。
青柳名誉教授の言に従えば、Meiji Seika ファルマがやるべきことは提訴する前に「コロナワクチンに対する異論を簡単に「反ワク」などとレッテル付けして排除するようなレベルの低知能者」ではないことを証明すべきではないかと思いますね。



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この記事へのコメント

  • 素浪人

    今晩は。

    とうとうこの時が来たか、という感じですね。原口議員が731部隊の話を出したのは間違いだったと思いますが、これでmeiji seika ファルマの問題点が裁判で国民各層に知らしめられれば良いのではないでしょうか。ついでに日本の悪しき薬害放置システムの闇も暴かれれば良いと思います。

    日比野様が言われる様に、小林社長の言う公開質問状に於ける『荒唐無稽』とは具体的にはどこの部分なのか、明言していないことと、実際には質問状すら読んでいないのではないか、との疑念は誰しもが考えることだと思います。その上での、原口議員への告訴。賠償金額の低さ云々のことも有り、ワクチン懐疑派への攻撃的布石という意味合いかと思います。

    meiji seika ファルマは、以前、日本の製薬メーカーが世界に先駆けてレプリコンワクチンを承認されたことを警戒する向きに対し、むしろ誇らしいことだと吹聴していましたが、日本より先行して研究・治験をしていたアメリカやベトナムで一向に承認されないことの不自然さを、今後どう言い訳するのでしょうか?その意味でも原口議員側には踏ん張って貰いたいものです。

    追記:青柳名誉教授の言には理解出来る所も有りますが、レプリコンワクチンを打たないと死ぬ確率が高いならば打つとの発言には違和感を禁じ得ません。好意的に捉えたとして反語的な意味か?とは思いましたが。
    2024年12月28日 00:22