ガザの病院にイスラエル軍突入 WHO「死刑宣告だ」と強く非難

パレスチナのガザ地区の保健当局などは、イスラエル軍が北部にある病院に突入し、患者などを強制的に避難させたうえ、火災で病院が使えなくなっていると発表しました。WHO=世界保健機関は「医療を必要とするパレスチナ人にとっての死刑宣告だ」と強く非難しています。

パレスチナのガザ地区の保健当局などは27日、イスラエル軍が北部にあるカマル・アドワン病院に突入し、施設で火災が発生して、手術室や救急車などが使えなくなったほか、患者や医療関係者が強制的な避難を余儀なくされたと発表しました。

カマル・アドワン病院は、ガザ地区北部で今も機能している数少ない医療機関で、WHOは声明で「ガザ地区の医療システムの計画的な破壊は、医療を必要とする数多くのパレスチナ人にとって死刑宣告だ」と強く非難しました。

イスラエル側は、この病院について「イスラム組織ハマスの拠点として機能している」と主張していて、イスラエル軍の報道官は、病院近くで軍事作戦を行ったものの、「イスラエル軍の活動と火災の関連はみられない」としています。

ガザ地区では戦闘が長期化する中、これまでに4万5000人以上が死亡していて、医療サービスも相次いで停止するなど、人道危機がいっそう深まっています。

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