杉田玄白記念公立小浜病院=福井県小浜市

 福井県小浜市の杉田玄白記念公立小浜病院で、職員の超過勤務手当が適切に支払われていなかったとして敦賀労働基準監督署から是正勧告を受けた問題で、公立小浜病院組合は12月26日、同病院で組合議会を開き、原因となった職員の給与に関する組合条例改正案を可決した。組合は本年度分の不足額計1億3223万7千円を対象職員に支給する。

 同病院は今年9月、職員1人に対する超過勤務手当が労働基準法の定める額より不足しているとして、是正勧告を受けた。その後病院の全職員約630人のほか、組合が運営する他の病院など3施設を調査。今年4月から12月までに同病院で約1億2780万円、3施設で計約442万円の支給不足が判明した。

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 同病院の医師ら職員は地方公務員に当たり、労働基準法に基づいた時給計算で手当を算出する。改正前の同組合条例では国家公務員の処遇に準ずるよう規定していたため、本来より低くなる時給算出方法を適用、過少支給となっていた。組合は11月の議会本会議で条例改正案を提案し、「給与条例の改正案が成立次第、速やかに不足分を対象職員に支給する」としていた。

 同組合は対象職員数を明らかにしておらず、昨年度以前の不足額などの調査についても「関係者と協議を進めていく」とした。

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