痛い
痛かった、
痛くて痛くて痛くて痛くて熱かった。
16の頃以来だった。
写真には映らなかった。
ふざけんなって思った。
でも優しくいたかった。
優しくして欲しかった。
記憶に縋った。
優しくいて欲しかった。
いつだって優しかった。
笑っていて欲しかった。
何があったのか聞きたかった。
温もりが欲しかった。
その声が聞きたかった。
僕の骨ばったこの身体をその通りに撫でて欲しかった。
痛かったけど、痛くなかった
どうでも良かったけど、どうにもなんなかった
それはきっとどうでも良くなかったってことなんだろうけど、もうそれすらどうにでもなって欲しかった。
みんな正解ばっかり与えてくれるから
殴ってやりたかった。
煩かった。なによりこの脈打った肉塊が煩かった。
でも死なないでほしい。
死なないでほしい
死なないでほしい
死なないでほしい
優しくしたい
優しくしてほしい
傷つけたくない
全て元通りにしたかった
全てなかったことにしてあげるから
笑って欲しかった
笑ってくれるなら許してあげるから
元通りにして欲しかった
僕は縋ってしまう
ゆっくりとゆっくりと、されど絶対に追いつけないスピードで遠ざかってゆくあの細い身体を、僕に似た、僕を作った、あの身体に、いつまでだって縋ってしまう
ずっと美しかった
だから嫌いだった
風に揺られたその髪が激しく揺れていた
だから美しかった
あなたはどこにいるんだ
あの日僕はあなたが漕ぐ古い自転車の後ろに乗せられて、行き先なんてわからないまま、
だけど不安なんてなくて
あなたの細い身体につかまって
平穏に揺れていたんだ
そんな平穏に満たされていたんだ
全て元通りにしてくれるなら
全て無かったことにしてあげるから
何も無かったみたいにまた全部あげるから
熱くて熱くて熱くて熱くて痛い
痛くて痛くて痛くて痛くて熱い
あなたにとって今僕はどんな価値があるんだろうか
愛して愛してたまらないあなたが、
まるで言葉の通じない怪物か何かみたいに思えて、
これらを形容する言葉を未だ見つけられないでいる


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