第23話:先々代勇者ラウル・フォルティス

【業務連絡】

今回のエピソード更新で、ついに書き溜めが尽きました……。

相当ヤバイ状況ですが、なんとか必死に書き続けて、毎日更新を頑張りたいなと思っています。

そこで一つだけ、皆様に『大切なお願い』があります。

読者様からの☆評価は、本作の続きを――ホロウの物語を執筆するための『巨大な原動力』です。

「そう言えばまだ☆を入れてなかったな」という方は、このエピソードを読み終わった後にでも、ポチッと☆を投げてもらえると嬉しいです。

作者も毎日更新を続けられるよう頑張りますので、どうかご協力お願いします。

以上、業務連絡でした。

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 ボクが<虚空渡り>を使い、『勇者の隠れ家』へ飛ぶとそこには――『先々代勇者』の姿があった。


「……やはり生きていたのか、ラウル・フォルティス……(メインルート開始時点で、99.999%故人となっている『超激レアキャラ』。くそ、やはり『地獄モード』は確定か……っ)」


「あやつは、まさか……!?(漆黒のローブを纏った謎の仮面。そして何より、この異常なまでの『圧』は……っ)」


 ラウルは驚愕に瞳を揺らした後、真剣な表情を浮かべる。


「さては、お主が『ボイド』じゃな?(ゼノの転生体か否か、まずはそれを確認せねばなるまい)」


「いかにも」


「ほぅ、隠しもせぬとは……中々に豪気ごうきな男じゃ、のぅッ!」


 彼は地面を力強く蹴り、天高く飛び上がった。

 いったいどこに隠し持っていたのか、その左手には鋭利な短刀が握られている。


「ズェイッ!」


 ラウルは逆手に持った得物を振るい、美しい弧を描いた。

 その一振りには、勇者の魔力が付与されている。


(うん、この程度なら問題ないね。ちょっと試しに受けてみよう)


 鋭い斬撃がボクの体を捉えた瞬間、『キィン』という甲高い音が響く。


(なるほど……やっぱり<虚空憑依>じゃ消し切れないか。これが『勇者の魔力』、なんとも不思議な感覚だ)


(これは……<虚空憑依>!? 間違いない、こやつがゼノの転生体じゃ!)


 お互いに情報を交換し合ったところで――ラウルは空中で体を捻り、軽やかに地面へ着地する。


「くくくっ……よくぞ来たな、ゼノの転生体、呪われた虚空因子よ! 貴様の滅びこそ、我が一族の悲願! 必ずやここで殺してくれるッ!」


 彼の瞳には、怨讐おんしゅうの炎が宿っていた。


「そのたいで、何ができると?」


「確かに、この体は既にボロボロ。『平場ひらば』で戦わば、あっという間に殺されるじゃろう。だがしかし! ここ・・は『勇者の聖地』っ! 水・土・大気、この場における全てが、我が一族『千年の歴史』が――儂に大いなる力を与え、貴様へ牙をく!」


 ラウルはそう言って、バッと両手を広げた。


(勇者の聖地……ちょっと厄介だね。実際、虚空の出力が目に見えて落ちてるし)


 この場には聖なる気が、勇者の魔力が満ちていた。

 虚空界にいるボクが圧倒的な力を誇るのと同様、勇者の聖地にいるラウルもまた絶大な力を誇る、というわけだ。


(敵は大幅な強化バフを受ける一方で、ボクには強烈な弱体化デバフが掛かる……)


 この場における『地の利』は、間違いなく向こうが握っている。


(本来なら、すぐに撤退するところだけど……ボクがラウルに負けることは、絶対にあり得ない)


 これは油断でも慢心でも、怠惰傲慢な振る舞いでもない。

 極めて客観的で中立的で俯瞰ふかん的な『戦力分析』の結果。


(人間が強化された羽虫に負けないよう、ボクはバフを受けたラウルに負けない)


 二人の間には、天よりも高く海よりも深い『大差』があるのだ。


 ボクがそんなことを考えていると、ラウルは再び天高く跳び上がり、


「クァアアアアアアアア……!」


 けたたましい雄叫びをあげながら、息も付かせぬ苛烈かれつな連撃を繰り出した。


 ボクはそれを右手一本で軽くさばきながら、質問を投げる。


「ラウル、お前に聞きたいことがある(接近戦は短刀と体術のブレンド、アレンとまったく同じ、『勇者の基本スタイル』か)」


「聞くだけならタダじゃ、言ってみるがよい!(こやつ、儂の攻撃を右腕一本で……っ)」


「お前の孫――アレン・フォルティスに修業を付けたか?」


「はっ! この一週間、みっちりしごいてやったところじゃよッ!」


「……そうか」


 既に予想していた返答こたえだけど……いざそれを聞かされると、やっぱりちょっと嫌な気持ちになるね。


 ボクは軽く拳を握り、ラウルの腹部へ、強烈な一撃を叩き込む。


「が、は……っ」


 彼は体を『く』の字に曲げ、凄まじい勢いで地面に激突。


 激しい土煙つちけむりが舞い上がる中、ボクは小さなため息をつく。


(はぁ……。やっぱり主人公の強化イベントは、噂に聞く『勇者修業』だったか)


 この感じだと多分、勇者の知識・勇者の戦い方・勇者の覚醒条件――全て継承済みと見てもいい。いや、そう見るべきだろう。


(まったく……こっちの気苦労も知らないで、厄介なことをしてくれたね)


 思わず頭を抱えたくなるけど、ここはしっかり切り替えよう。


(過ぎたことに対して、いつまでも悩んでいたって仕方ない)


 今この場で考えるべきことは一つ、『どうやってこのイベントをおいしくいただくか』、だ。


(ラウル・フォルティスは、勇者の血・勇者の体・勇者の魔力を持つ、『正真正銘の勇者』。その貴重な肉体からだ最大限に・・・・有効活用・・・・させてもらおう!)


 ボクの行動方針が決まったところで、徐々に土煙が晴れて行き――額から鮮血を流すラウルが現れた。


「はぁはぁ……(ふざけおって、ここは勇者の聖地じゃぞ!? 儂の全能力が大幅に向上し、奴は大幅に弱体化しているはず……っ。それでもなお、これほどの膂力を誇るとは……基本的な性能スペックが違い過ぎるッ)」


「随分と苦しそうじゃないか、最初の威勢はどこへ行ったのかな?(この反応、かなり効いてそうだね)」


「はっ、ピンピンしとるわぃ!(おそらくこやつは、『史上最強の転生体』。……なんとも悔しいが、真っ正面からの戦いではまず勝てん。しからば、『からめ手』で仕留めるッ!)」


 口ではそう言うものの、ダメージが膝に来ている。

 まさか軽いパンチ一発で、ほぼダウン寸前とは……やっぱり彼は『抜け殻』だ。

『残り火』にだけ注意を払っておけば問題ないだろう。


(ただ……あんまり早く終わってもらっちゃ困る)


 これからキミの体を使って、いろいろと『実験』をするんだから、しっかり粘ってもらわないとね。


(とはいえ、ラウルがいつ倒れるかわからない。まずは一番知りたいことを――虚空の魔力と勇者の魔力、両者の『関係性』を明らかにしよう)


 ボクがパチンと指を鳴らせば、あかね色の空に漆黒の球体が浮かび上がる。

 黒いビー玉のようなそれは、『虚空玉こくうだま』と呼ばれるモノだ。

 確か勇者陣営からは『破滅の月』なんて、お洒落な表現をされていたっけか。


 ちなみに……虚空玉のサイズは、こちらで自由に調整できる。

 ゾーヴァの実験室を破壊したときは、『広域殲滅用』の大きな虚空玉を作った。

 今回はラウルを削るため、『対人戦闘用』の小さな虚空玉を使う。


 虚空はけっこう微調整チューニングの利く魔法だから、いじ甲斐がいがあって楽しいんだよね。


(さて……これぐらいで足りるかな?)


 ボクの周囲に浮かぶ虚空玉――総数にして『一万』。


(本来、ビー玉サイズでいいのなら、軽く三万は出せるんだけど……)


 勇者の聖地による『超強烈なデバフ』のせいで、かなり少なめだね。

 でもまぁ、これだけあれば実験には十分だろう。


「よもや……ここまでとは……っ(これが噂に聞く虚空玉、触れたモノを消し去る破滅の月。200年の眠りについた転生体は、『千の月』を生み出したというが……これ・・はもはやそんな次元ではない……ッ)」


「簡単にやられてくれるなよ、ラウル? ――<虚空まわし>」


 凄まじい速度で殺到する虚空玉に対し、


「ぬぉおおおおおおおおッ!」


 ラウルは超高速で短刀を振るい、鉄壁の防御術を披露した。


 しかし、


「ぐ、ぉ……ごっ……がふ……ッ」


 一万の『月』を短刀一本でしのげるわけもない。

 打ち漏らした虚空玉が、ラウルの体を痛烈に襲い、そのたびに苦悶の声があがる。


 ボクはその様子をつぶさに観察し、目の前で起きた『興味深い現象』を解析していく。


(ほぅ、ほぅほぅほぅ……! なるほど、そういう『効果処理』になっていたのか!)


 ラウルは虚空を『無効化』しているのではなく、勇者の魔力によって『中和』しているだけ。

 こちらが虚空の出力をグッとあげれば、その強度に比例して、勇者の魔力もごっそりと削られる。


(つまり……<虚空>は依然として、有効な攻撃手段だ!)


 勇者に対しても、虚空は刺さる――この情報はデカい。


(ふふっ、最高だよ、ラウル・フォルティス!)


 キミはまさに情報の宝庫だ!

 さぁどんどん行こう!

 もっと教えてくれよ!

『勇者の秘密』を……!


 ボクが攻勢を強める中、ラウルはひたすらに耐え忍ぶ。


(ボイドはまだ若い、声の張り具合からして、おそらくは十代前半。それにもかかわらず、こやつは既に歴代の化物を優に超え、『史上最強の転生体』となっている……っ。この馬鹿げた強さで、未だ成長の過程におるとは……冗談にしても笑えん)


 さて、こういうのはどうかな?

 ボクは虚空玉の中に一つだけ、強い魔力を込めたモノを混ぜてみる。


 それがラウルの右肩をかすめた瞬間、


「ぬ、ぐッ!?」


 接触部分が消し飛び、虚空界へ送られた。


(おっ、やっぱりそうなるのか!)


 今みたく虚空の魔力と勇者の魔力に『大きな不均衡ふきんこう』が生じた場合――虚空の魔力を勇者の魔力で中和し切れなかった場合、虚空は正しくその効果を発揮する。

 つまり、いざとなればゴリ押しも可能というわけだ。


 これもまたかなり有用な情報だね。


(ボイドが成熟し、大人になれば……『厄災』ゼノの再臨となる。そうなったらもう、この世界はおしまいじゃ、誰もこの化物を止められん。しかし――今ならまだれる! この場には、我等一族が綿々めんめんつむいだ『千年の仕込み』があるっ! 先祖の遺産を全て使い果たしてでも、奴が強くなり切る前に……仕留めるッ!)


 さて、こんなのはどうだろう?

 五つの虚空玉をこっそり地中へしのばせ、ラウルの足元から襲わせてみる。


 その結果、


「ぐ、ぉ……っ」


 虚空玉は『ほどほどに』その効果を発揮し、接触部分の表面だけを消し飛ばした。


(なるほどなるほど……)


 死角からの攻撃を受け、反応が遅れた場合――勇者の魔力による中和が間に合わず、虚空界へ飛ばされる。


 しかし、向こうも馬鹿じゃない。

 すぐに魔力で補強してくるから、その効果は限定的だ。


(奇襲や騙し討ちは、それなりに有効っと)


 これもしっかりと覚えておこう。


(『勇者』と『厄災』の因縁は、千年前から続く運命さだめ。もしもここで儂が敗れれば、ボイドはさらなる強化を果たし――いつの日かアレンの元へ向かう。……それだけはならん、断じて許さぬッ! 刺し違えててもボイドを殺し、儂の可愛い孫を――大切な家族アレンを守るのじゃッ!)


 さてさてお次は……んっ?


 ボクが夢中で実験を行っていると、ラウルの魔力がぜた。


(へぇ……『覚醒』か)


 それはきらめく純白の奔流ほんりゅう

 彼の持つ魔力が、十倍以上に膨れ上がった。


(何がきっかけになったのか知らないけど……凄まじいね)


 激しい情動に突き動かされて、僅かな『残り火』が燃え上がっている。

 わばこれは、『最後の花火』。

 勇者ラウル・フォルティスが立つ、『最後の戦場ぶたい』だ。


(ふふっ……まさか覚醒まで見せてくれるなんて、本当にいたれりくせりだね!)


 さらなる情報のゲットチャンスに心を躍らせていると――老爺の瞳が鋭く尖った。


(この感じ……何か仕掛けて来るな)


 ボクが警戒を強めたそのとき、


「――カァッ!」


 ラウルが勢いよく右手を上げた。

 その動きに応じて、池に溜まった大量の水が天高く浮かび上がる。


「……ただの水じゃないな」


「左様。これは勇者の一族が、千年と魔力を込め続けた『聖水』! 只人ただびとにとっては、ポーションのようなものじゃが……貴様にとっては猛毒じゃ!」


 確かに、ちょっと厄介だ。

 勇者の魔力が込められているため、虚空で消し飛ばすには時間が掛かるし……触れれば体が溶けてしまう。

 原作ホロウの肉体は、聖なる力に弱いからね。


「――<破裂バースト>ッ!」


 ラウルが一般魔法を発動。

 大空に浮かぶ水の塊が弾け飛び、まるで大雨のように降り注ぐ。


(超々広範囲の聖水、これを虚空で防ぐことはできん! 自分の身に危機が迫ったとき、ゼノの転生体が取る行動は一つ――『虚空界』への逃亡! 狙うべきはボイド本体ではなく、<虚空渡り>! 奴の逃走経路を潰し、聖水に焼かれた体を斬り刻むッ!)


 聖なる雨が降り注ぐ中、


「ふむ」


 ボクはサッと空中に指を走らせた。

 その結果、降り落ちる雨粒がピタリと止まる。

 まるで時間でも止まったかのように、『雨という現象』が空中に留まったのだ。


「なっ!?」


 ラウルは驚愕に目を見開いているが、別に驚かれるようなことはしていない。


 これは単純な『魔法技能』。

 降り注ぐ雨粒の一つ一つを魔力で受け止めただけ。


(『シンプル・イズ・ベスト』ってね)


 単純かつ原始的な方法が、実は一番簡単だったりする。


 そして――。


「――<フレイム>」


 一般下位魔法によって、聖水を全て蒸発させた。


「ば、馬鹿な……っ(これほどの魔法技能、いったいどうやって……!?)」


 呆然と呟くラウルへ、ボクは嘲笑を向ける。


「くくっ、もう終わりかな?」


「ま……まだ、まだぁあああああああああああッ!」


 グッと奥歯を噛み締めた老爺は、凄まじい勢いで突っ込んできた。


(次は……そうだね。『覚醒した勇者の魔力』について調べさせてもらおう)


 ボクはよぅく目を凝らしながら、ラウルの繰り出す連撃を、右腕一本で捌いていく。


「ぬぉおおおおおおおおおおおおおおおお……ッ!(ここまで出力を上げてなおかすりもせんのか……っ)」


(ふむふむなるほど……。覚醒した勇者の魔力は、本人の膂力を大幅に向上させる。特に耐久力の上昇具合は、ちょっと『異常なレベル』だね)


 さっきから何発かイイのを入れているんだけど、最初みたいに吹っ飛んで行かない。

 濃密な勇者の魔力が、緩衝材の役割を果たし、衝撃を吸収しているっぽい。


(思い返せば確かに……原作主人公のタフさは、人外じんがいみていたっけな)


 どうやらその裏には、こんなカラクリがあったようだ。


(攻撃面はそこそこ、耐久度は顕著に上昇っと)


 頭の中のメモ帳に新情報を記録していると、ラウルはおもむろに小さな『玉』を取り出し、


「――ズェイ!」


 何を思ったのか、素早く短刀で断ち切り――紫色の煙が視界を埋める。


(これは……『煙幕』? いや、『毒ガス』か)


 この独特なアーモンドしゅう、おそらく神経毒だね。


 でも残念、ボクには『毒物に対する完全耐性』がある。

 この体には『虚空の欠片』が散在しており、免疫に似た『自動防衛システム』が働いているのだ。


 ボクが虚空を使って、目障りな煙を消し飛ばそうとしたそのとき――ラウルの大声が響く。


「――<かい>ッ!」


 彼の声に応じて、半球状の巨大な結界が構築された。


(これは……虚空の制御が乱される……。なるほど、面白い結界だね)


 勇者の魔力が充満した、ただそれだけの結界。

 虚空使いの足を鈍らせる『オリジナル魔法』、おそらくはこの聖地にせこせこと仕込んでいたのだろう。


(魔法の起点は――池の底か)


 風の一般魔法を使い、池を真っ二つに斬り裂くと、結界は光る粒子となって消滅。


(さて、次はどんな仕掛けが――)

 

 ボクが周囲に目を配ったそのとき、背後に凄まじい大魔力が出現する。


「――ったァ゛!」


 鬼の形相を浮かべたラウルが、聖なる短刀を振り下ろす。


(いい魔力だ)


 ここで勝負を決めるつもりなのだろう。

 その一振りには、超高密度の勇者の魔力が込められていた。


(さすがにこの出力は、<虚空憑依>じゃ受け切れないな)


 煙幕で視界を潰し、結界で足を止め、背後から奇襲を掛ける――とてもいい攻めだね。


(でも、甘いよ)


 地道な修業の結果、ボクの魔法構築速度は、コンマ一秒を切っている。

 まばたきの時間があれば、あらゆる魔法で迎撃可能だ。


「――<虚空槍こくうそう>」


 禍々まがまがしい漆黒の槍が飛び出し、ラウルの視界が『死』で埋まる。

 しかしこのとき、枯れた老爺の顔が――『邪悪』に歪んだ。


「ここじゃァ! ――<全反射オール・カウンター>ッ!」


 勇者の固有<全反射オール・カウンター>、『前方のあらゆる魔法を即時反射する』という、シンプルかつ凶悪な性能を誇る。


(短刀は『布石』! 儂の真の狙いは、ボイドを・・・・虚空で・・・殺すこと・・・・! 『虚空の魔力は万物を滅ぼす』――無論、貴様とて例外ではないッ!)


 完璧な手順とタイミング。

 きっと何度も何度も、この流れをシミュレートしてきたのだろう。


 だけど、


「――あぁ・・知って・・・いるよ・・・


 ボクは自分の放った<虚空槍>を――<虚空渡り>で消し飛ばした。

 その結果、『反射すべき魔法』を失った<全反射>は、なんの意味もなさずに霧散する。


 つまりは、無駄打ち。

 ラウル・フォルティスの『人生最後の花火』は、あっけなく不発に終わった。


「んなッ!?(馬鹿な、読んだというのか!? 儂の戦術、ボイドを<虚空>で殺すという『一世一代の奇策』を!?)」


「終わりだ」


 次の瞬間、


「が、ふ……ッ」


 ボクの右腕が、ラウルの胸部を深々と貫いた。

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