〈連載「取り残される人たち」検証マイナ保険証〉③
従来の健康保険証の新規発行が終了し、2日からマイナ保険証を基本とする仕組みに移行した。制度移行の裏で、デジタル化の恩恵を受けられず、取り残される人たちを訪ねる連載の3回目は、瀬戸際に立つ地域医療の現場から。
◆47年の歴史、患者に惜しまれつつ
ある小さな歯科医院が11月30日、患者に惜しまれながら47年余の歴史に幕を閉じた。
その歯科医院は横浜市内の私鉄駅に程近い雑居ビルの2階にある。急な階段を上ると玄関があった。
「9月には閉める予定だったのですが、地元の患者さんから、もう少し続けてくれって言われてね。廃業が近いことを知った患者さんが花束やお菓子を持ってきてくれました」。歯科医師(77)は、記者を出迎えるなり、患者への感謝の言葉を口にした。
1977年5月開業。80~90年代のバブル景気の頃は、多くの患者を抱え、歯科医師2人のほかに歯科衛生士や技工士まで雇っていた。
◆資格確認システムを原則義務化
その後、周囲に相次いで7件の歯科医院が開業。常連の患者さんも高齢化し、施設に入ったり、亡くなったりして徐々に患者は減っていったという。
今では1カ月に診る患者は100人ほど。ここ数年は、女性スタッフと2人だけで運営してきた。
「患者さんとのふれあいもあるし、もうからなくても続けていきたかった。自分の体が不自由になるまでは続けるつもりだった」と寂しそうに語る。
国は、マイナ保険証への一本化をにらみ、昨年4月から全国の医療機関などに、オンラインで患者の保険資格を確認するシステムの導入を原則義務化した。
◆倒産や休廃業が最悪のペースに
この歯科医院は、手書きの明細書(レセプト)で診療報酬を請求しており導入が猶予されていたが、もう限界だった。
設備を導入するにも、国からの補助金だけでは賄えない...
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ハムちゃん 5 時間前
私は、自分の「マイナンバー」を知りません。というか、夫が区役所に行くので同行してほしいと言われて一緒にでかけたところ、区の職員が大変しつこく、「マイナンバー」を取得するよう、説得してきました。「不要です」と言い続ける私に、夫は、「会社で、家族もこれをとらないといけないんだ」と言ったのです。区の職員も、全く個人の意思を尊重する気配なく説得をしてきました。
説得しようとする職員にも夫にもあきれ、嫌気がさして、夫に「私はこれを覚えないし、使わない。」と断言。「わかった。それでもいい」と、つれあいが手続きしました。私はこの番号を記憶しておりませんし、使っていませんが、この時の切羽詰まった夫の表情と、区職員の執拗な説得ゆえに、この「マイナンバー」という「国民総背番号制」には、違和感と不信しかありません。
この記事を読み、ますますその弊害を突きつけられた思いです。医療現場の困惑と混乱を想定せず、強圧的に従わせ、従わない人たちの人権を無視し、排除するのでしょうか。現場によりそう姿勢のない施策や方針は、直ちにやめるべきです。
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