ポリイミドは繰り返し単位にイミド結合を有する高分子の総称で、全ての高分子中で最高レベルの耐熱性、強度(機械物性)、耐薬品性を有する。スーパーエンジニアリングプラスチックの1つでもある。しかし黄褐色を帯びることから、その用途は限定されていた。もし無色透明なポリイミドが登場すればその用途は無限に広がる。ENEOSは石油化学品事業で培ったノウハウをもとに、2009年から独自の分子構造を有する透明ポリイミド用原料の開発に着手。数々の試行錯誤を経て、脂環式構造を導入した新規モノマー「エネハイド®CpODAグレード」の開発に成功、2018年12月に上市した。これにより従来のポリイミドの優れた特性を維持しつつ、無色透明性を備えたポリイミドの製造が可能となり、次世代ディスプレイ用材料(TFT基板やウィンドウフィルムなど)への応用が進められている。現在もエネハイド®CpODAに続く新グレード開発は続いており、今後の透明ポリイミド市場への適用が期待されている。
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